「三大(特定)疾病保障保険(特約)」の支払条件を緩和する保険会社が出てきた

 私が2009年末に執筆した書籍「生命保険で損をしないための方法」やいろいろなWEB上でも、さんざん批判してきた従来の「三大(特定)疾病保障保険(特約)」の支払条件は、がんは悪性新生物のみであり、脳卒中と急性心筋梗塞では、医師の診断を受けた時から「言語障害」や「労働の制限」などの保険会社所定の状態が60日以上継続しなければ給付対象とならないのだ。

 せっかく高い保険料を支払って、保険で安心を買ったはずなのに、実際は支払対象外だったというケースが多くある。そこで、この支払い条件を緩和した三大(特定)疾病保障保険を開発して発売し始めている保険会社が数社ある。

昨年11月に新発売されたチューリッヒ生命の「三大疾病保険プレミアム」が注目されている

 この保険は、初めてガン(上皮内新生物も対象)と診断確定された時、および脳卒中、急性心筋梗塞の治療を目的に入院が開始されれば、一時金が給付される。

 従来の「三大(特定)疾病保障保険(特約)」と比べ、支払い条件が良くなっているのは、一目瞭然だ。

 チューリッヒ生命以外でも、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命や三井住友海上あいおい生命などの三大疾病入院一時金特約でも、支払い条件は緩和されている。

その保険料はどうなのか?

 特定の保険会社の顧客志向を強く感じるのだが、さて、その保険料はどうだろうか?

☆三大疾病入院一時金給付の保険料だけ抽出した場合
●40歳男性 終身保障/終身払い 保険金額50万円
 三井住友海上あいおい生命:1,034円
 チューリッヒ生命:1,510円
 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命:1,615円
      
●40歳女性 終身保障/終身払い 保険金額50万円
 三井住友海上あいおい生命:851円
 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命:1,095円
 チューリッヒ生命:1,305円

※三井住友海上あいおい生命と損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の場合は、終身医療保険に付加する特約保険料

総支払い保険料で試算すると

40歳男性の平均余命は40.69年(約41年)、40歳女性の平均余命は46.84年(約47年)で総支払保険料をチューリッヒ生命で試算してみよう。

すると40歳の男女がそれぞれ平均余命まで生存した場合、50万円の保険金を受取るために、男性は742,920円、女性は736,020円を支払うことになるのだ。

最安の三井住友海上あいおい生命の場合、男性で508,728円、女性で479,964円を支払うことになる。

 総支払保険料という視点で見ていくと、保険料を払ったと考えて貯蓄していた方が賢明だ。

 日本人の死亡原因の上位3位(がん、心疾患、脳血管疾患)に対して、心配になる気持ちはよく分かるが、心配だから保険ではなく、支払い条件や保険料なども含めて検討していく必要があるのは確かなことだ。(執筆者:釜口 博)