障害者手帳と障害年金の違いを知っておこう 安心して治療を受けるために


 完治することが難しい、いわゆる「一生つきあっていく」病気等を患った時、多くの方は障害等級や障害者手帳はすぐに思いつくと思いますが、障害年金についてはいかがでしょうか。また同じ「障害」という言葉から、障害者手帳と障害年金は同じ制度と思われている方が多くいらっしゃいます。今回は障害者手帳と障害年金について理解を深めていただければと思います。

障害者手帳と障害年金は別の制度

 先ず、障害者手帳と障害年金は別の制度です。障害者手帳はお住まいの市区町村に、障害年金は年金事務所に申請をしなくてはなりません。障害者手帳を取得したから自動的に障害年金も受け取ることができるということはなく、それぞれ個別の申請手続が必要です。

 また障害者手帳を取得することで、地域によって異なりますが、所得税・住民税等の税制上の優遇措置や電話料金等の公共サービスといった生活の不便が無いように図るためのサポートを受けることができます。他方、障害年金は「年金」という言葉のとおり定期的・継続的に金員を受け取ることのできる制度です。

障害手帳の障害等級≠障害年金の障害等級

 上記のとおり障害者手帳と障害年金は別の制度ですから、同じ病名・病状や障害の状態であっても障害者手帳と障害年金の障害等級は連動していません。

 人工透析を受けることとなった、という実例で考えてみよう

 一例として、持病の糖尿病が悪化したため人口透析を受けることとなった場合を考えてみましょう。障害者手帳には腎機能障害として1級・3級・4級の該当区分があり、市区町村の認定基準に応じて障害者手帳の障害等級が決定されます。

 また障害年金においては、病名や病状だけでなく各人の日常生活や就労への影響等も総合的に勘案した上で判断されますので一概には言えませんが、人工透析を受けることとなった時には障害等級2級に決定されることが多いです。

 他方、医療費の自己負担額は、人工透析は年間12万円(一定額以上の所得のある方は年間24万円)、そのうえ平行して糖尿病に特有の合併症等の検査や治療が必要となります。糖尿病合併症のある方とない方の医療費を比べると、年間10万円以上の差が出てくるといわれています。(糖尿病ネットワークより引用)

 また治療や通院のために仕事を休むことも考慮しなくてはいけません。そうすると、安心して通院し治療をうけるためにも、障害年金として定期的・継続的を受け取られることが非常に大切となってきます。

 少しでも金銭的負担を軽くし、安心して治療を受けるためにも、障害者手帳と併せて障害年金も検討するようになっていただければと思います。(執筆者:岡村 ひろ子)

この記事を書いた人

岡村 ひろ子 岡村 ひろ子»筆者の記事一覧 (21) http://sr-okamura.jp/

岡村社会保険労務士事務所 所長
大手電機メーカー、弁護士事務所での勤務を経て、2014年9月社会保険労務士事務所を開業。個人の依頼者向けに障害年金の申請・取得のサポート、法人に対してはメンタルヘルス対策を主軸に採用・退職・人事制度・従業員のケア・就業規則の作成等を通じ、労使中立の立場に立ったコンサルタントを行う。
<保有資格>:社会保険労務士
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