「投資の運用結果を決める要因の8割から9割はアセットアロケーション(資産配分)」と言われていますが、そんな大切な言葉の意味も分からず投資をしている人が多くみられます。アセットアロケーションは買われすぎの状況、或いは売られすぎの状況で、特に重要な役割を果たします。

アセットアロケーション(資産配分)とは

 アセットアロケーションとは、文字通り、アセット(資産)アロケーション(配分)で、投資対象の配分を決める=投資方針・ルール作りの事です。具体的には、100万円の資産があったとして、この内「預貯金に50万円、株式に30万円、債券に10万円、不動産に10万円を投資する」と言うのがアセットアロケーションです。

 アセットアロケーションとよく勘違いされる言葉に、ポートフォリオがあります。ポートフォリオとは金融資産一覧という意味です。言い換えれば、アセットアロケーションで振り分けられたアセットクラス(投資の種類=〇〇投資と言った時の〇〇の部分)の中身=個別金融商品・個別銘柄の一覧です。

 具体的には、先ほどのアセットアロケーションで配分を決めた株式投資30万円の内、A商事に10万円、B自動車に10万円、C建設に5万円、TOPIXのETFに5万円と言うのがポートフォリオです。

時間分散投資(ドルコスト平均法)は万能ではない

 高値で金融商品を買わないようにするための方法として、一度に投資をせずに時間を分散して、毎月一定額を投資するドルコスト平均法という投資方法があります。確定拠出年金の継続教育や、証券会社の投資セミナーで必ずと言っていいほど触れられるのでご存知の方も多いと思います。

 この投資方法は、毎月同じ口数(量)を買って資産を増やしていくよりも、毎月同じ額を買ったほうが、購入額の総額は低く抑えられるというものです。

 この定額購入(ドルコスト平均法)は、定量購入方が、高い時も安い時も同じだけ買うのに対し、定額購入が、高い時にはあまり買わずに安い時に多く買う仕組みになっています。

 ただし、この論理が通用するのは、価格が上がったり下がったりしている時で、どちらか一方に上がり続けたり、下がり続けた場合は、定量購入の方が有利となります。 

アセットアロケーションの重要性

 価格がどちらか一方に偏って動くのが、定額購入(ドルコスト平均法)にとって不利なのであれば、その時は買わなければいいのですが、そんなことは誰にも分からないし、もし判ったとすればわざわざ分散して売買せずに、一括して売買すればいいのです。

 そんな定額購入(ドルコスト平均法)の弱点を補う方法がリバランスです。

 リバランスとは、アセットアロケーションで決定した資産の配分率を、元に戻すことです。先の例で、預貯金50%、株式30%、債券10%、不動産10%に資産を配分しましたが、長く投資をしていると、各市場の値動きによって配分率が狂ってきます。

 例えば株式市場が投資を始めた当初よりも2倍に価格が増えると投資総額は130万円で、その内株式投資が60万円になります。すると株式の比率は46%になってしまいます。これを元の50:30:10:10の比率に戻すには、株式を21万円分売却し、貯金に15万円、債券に3万円、不動産に3万円投資しなければなりません。

 リバランスとは、値上がりした資産の一部を一括売却して利益を確定し、まだ値上がりしていない資産を一括で購入することです。

 リバランスが必要になるほど資産の配分率が狂ってしまうのは、ある資産の価格がどちらか一方に動き続けたからです。そう、リバランスとは、定額購入(ドルコスト平均法)の弱点である、どちらか一方に値動きが偏った時の対処法なのです。

 そして、リバランスをするためにはアセットアロケーションをする必要があります。

 あなたのアセットアロケーションはいかがですか?

 何事も方針(意志)はひつようです。アセットアロケーションを決めていない方は、これを機に是非悩み、学習し、アセットアロケーションを決定して下さるよう願います。

 最後にアドバイスをひとつ。アセットアロケーションの決定に重要なのは、年齢や退職時期ではなく、景気と金利の関係です。(執筆者:田島 稔之)