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新幹線が金沢に春と地価上昇を連れてやってくる!

子供から大人まで待ち望む 新幹線の開通

 不動産鑑定士は企業の保有する資産を定期的に再評価する業務があるのですが、その業務でちょうど3年ぶりに金沢に行ってきました。

 3年前の自分で書いたコラムを読み直しつつ思い出すと北陸新幹線が出来るとはいえまだ3年後の予定であり、もしかするともっと先の話しになるかも…。というような街の雰囲気で、それは3月になり、少しづつ近くなったとはいえ雪が降るようなまだまだ寒い日が続く、北陸の人たちが待ち望む春に似ていたと記憶しています。

 しかし先週伺った折には、ほぼ同じアングルで撮った写真が示すように前回なかった大きな垂れ幕や飾りが華やかに駅に飾られ、もう目と鼻の先にまできた開業をお祝いし、観光客などの人通りの多さが全然違うことが分かります。


 駅の構内はリニューアルされ、お土産店などが新しく拡張し、お菓子などは新幹線開通にちなんだお菓子が売られています。

 面白いのは新幹線をモチーフにした子供向けTシャツなどのほかに、女性向けのアクセサリーや男性向けのネクタイなども商品化しているあたり、いかに新幹線が子供から大人までがその到来を待ち望んでいるものかをうかがい知ることができたのでした。

新幹線開通の経済効果 期待と現実

 さてこの新幹線の開業による誘客目標を石川県では「新幹線開業PR戦略実行プラン」を作成し、特に首都圏からの入り込み客数をH23の232万人に対しH27は2倍の500万人にする目標をたててます。

 その経済的波及効果としてH23の日本政策投資銀行の調査では間接効果も含め約124億円になると推計しています。

 これらと呼応するように地価に関してはH26の地価調査において金沢5-21(金沢市広岡1丁目112番外)といって金沢駅の西側に立地するポイントが平成25年の272,000円/平方メートルから平成26年には315,000円/平方メートルへと15.8%上昇し、商業地で全国1位となるなど金沢駅周辺では著しい地価の上昇がみられています。

 このように新幹線の開業期待で金沢市内全域が盛り上がっている…と思われがちですが、実は地価に関しては確かに駅前は上昇していますが、元々の繁華街である香林坊や片町なんかは、ちらほら下落地点があり、実はあんな小さな街にでも二極化が生じているのです。

 また加えていやなことをいうようですが、政策投資銀行のレポートでも明らかなように、開業2年目についての長野や秋田などの先行事例を見ると宿泊客数が反動減となり、その後もなかなか回復していません。

 従って新幹線が来ることを期待するあまり、立地条件などの慎重な選択なしに不動産における過度な投資をすると、その後の反動からより資産価値が下落することもあるので、金沢の景観をいかし、ニーズに適切に応じた街づくりが必要になってくるでしょう。

 北陸を含む金沢そのものは、食べ物もおいしいし文化もすばらしい、日本のいいところが詰ったところであります。そこに新幹線で東京から行ける効果や期待は大きく、おそらく今年は多くの人々がおとづれるでしょう。そのお客さんが何度でも何年でも来てもらえるように金沢の行政や観光などのサービスに関わる人が知恵を絞って頂き、新幹線効果が桜の花のように儚いものでものでないことを切に願います。(執筆者:田井 能久)

この記事を書いた人

田井 能久 田井 能久(たい よしひさ)»筆者の記事一覧 (58) http://www.valuation.co.jp/

株式会社 タイ・バリュエーション・サービシーズ 代表取締役/専任不動産鑑定士
1981年、日本不動産研究所入所。1985年、不動産鑑定士に登録。2004年、ハドソンジャパン株式会社入社。2006年、株式会社タイ・バリュエーション・サービシーズを設立。不動産の鑑定評価業務を中心に、相続に関する相談、不動産に関する事案について訴訟や調停に関しての相談、セミナー講師や海外不動産に関する業務など多岐にわたる内容に対応しています。
公益社団法人日本不動産士協会連合会会員、在日米国商工会議所(ACCJ)会員
名古屋地方裁判所民事調停委員、愛知大学非常勤講師
<保有資格>:不動産鑑定士
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