期待集まる中国の株式市場


世界的規模のQEと原油安、円安効果で日本株は4月に15年振りの高値を更新した。お隣中国も本土(上海と深セン)と香港株がこれまた7年振りの高値と取引高のダブル記録を更新している。

日本株の場合、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金資金運用という「官制相場」の色合いが強く残されているが、中国株の高騰もまた「政策相場」によるものだと言われている。

日本の通常国会に当たる全人代(全国人民代表大会)は毎年3月に北京で開かれる。全人代で時の首相が政府活動報告を行い、GDPの目標を発表する。20数年の高度成長を経て、ここに来て成長の減速が顕著に表れるようになった。

しかし雇用の維持は政府にとって何よりの課題である。これまで依存してきた輸出と投資も頭打ちになり、残りは内需振興しかない。しかし、不動産市場ももはやけん引する力はない。投資先として唯一魅力が残されているのは株式市場である。

ハンセン指数1年チャート

≪チャートの画像は「AASTOCKS」より≫

激動する投資環境 政府も「投資家教育」に躍起


3月27日(金)、中国証券委(証券監督管理員会)は定例記者会見で、突如国内の公募ファンドは上海・香港ストックコネクト、いわゆる上海香港直通車の対象株に投資することを解禁すると発表した。

続いて3月31日中国保険委(保険監督管理委員会)は保険資産管理機関の投資先に、香港のGEM( Growth Enterprise Market)市場を加えると発表。

そして3月31日国務院名で「預金保険制度5月1日から実施」すると発表。銀行発売の理財商品が氾濫する中、同一金融機関に預けた預貯金50万元が保険対象の上限で、理財商品などは保険の対象外だと位置づけされ、資産運用は自己責任の時代へと突入することに。

上記施策と同時に、上海香港ストックコネクトに続き、深センと香港株の相互直接取引も年内に開始すると政府活動報告で触れられている。

こういった一連の政策発表により、昨年後半から動き出した上海・深センA株に続き、香港株(通称H株)にも火が付き、香港ハンセン指数は1ヵ月の間、20%以上も高騰している。

短期間の高騰で、さすがの証券委も証券会社の信用取引の審査の厳格化や融資枠の縮小など行政指導に乗り出し、また同委報道官も市場のリスクを指摘するなど「投資家教育」に躍起になっている。

お蔭で5月に入り、いったん調整として上海A株も香港H株も下落しているが、香港株についてはファンドの資金がまだ本格的に入っていないとして、これからがチャンスだと指摘する声が上がっている。

中国株にチャンスの多い年になるだろう。(執筆者:徐 学林)