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子どもに「お金の話」を聞かれたら、どうしていますか?

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子どもに「お金の話」を聞かれたら、どうしていますか?

新学期が始まると、私にとって最も忙しい時期の始まりだ。高等学校のPTA総会や進路講演会にお声がかかる。


「進学マネープラン講座」や「高校生の進路選択とお金の話」、「思春期の風通しの良い親子関係の話」など、講演内容はさまざまだが、柱は2つ。

「お金の話」と「親子関係の話」だ。

子どもが一生懸命勉強し、希望の大学に合格しても、保護者のお金の準備が間に合っていなければ、子どもの進学は実現から遠ざかる。

また、お金の準備はできているのに、子どもの心構えが不足していると、「どうしてあなたはそんなにやる気がないの!」ということになる。

大学に行ったとしても、そこにかかる数百万円のお金が無駄になってしまうこともあるだろう。

家族でお金の話ができていない

そして最近感じる大きな問題は、家族でお金の話ができていないこと。

人生の大きな選択の場面でお金の問題は避けて通れない。高校までにかかるお金とは桁(ケタ)がちがってくる大学進学のお金はまさに避けられない問題だ。

にもかかわらず、そのことに関して、親子で話ができていない現状があるようだ。

ある進学校の家庭科の先生が、子どもたちに課題を出した。

(1) 大学進学には100万単位のお金がかかるが、そのお金がわが家にあるのかどうか。
(2) 住宅ローンのような借金・ローンがあるのかどうか。
(3) この質問をしたときの保護者の様子。
(4) その様子を見て、自分の感想。

この先生は、私の親子関係講座の受講生。講座をきっかけに私も色々と教わることの多い方。

そして、この課題の結果は、半数の親から「回答拒否」されたというものだった。

お金のことを考えたり、口にするのはよくないこと?

私自身も「子どもがお金のことなんか心配しなくていい。」と言われた記憶がある。

講演会などでも、「子どもにお金の話をしてもいいんでしょうか。」とか、「お金のことを切り出されると、『うちにはお金がないんだから!』と怒ってしまう。」とかいう声はよく聞かれる。

お金のことを考えたり、口にしたりするのは「はしたない」という感覚だろうか。

けれど、私自身が今の仕事をするようになって、このことはすごく残念に思うことだ。

FPとして関わっている『家計と暮らしと住まいの相談室』でも、お客様によく話をするが、「お金のことを考えるというのは、自分と自分の大切な人が幸せに生きていくことを考えること」だと思う。

特に今のように格差が広がっている時代には、お金のことをちゃんと学び、考えながら暮らしていくかどうかは長い人生を通してみると、大きな違いとなってくるだろう。にもかかわらず、親子でお金の話ができていない現状はとても残念なことだ。

課題の結果を受けての子どもたちの感想もお金の話をする大切さをしっかり表していた。

実際に話してみたら

話を切り出した途端、

「軽くキレられた。」
「怒った。」
「そんなこと知らなくていい。」

などの否定的な回答をもらった子どもたちの感想は、

「何もわからなかった。」
「悲しかった。」
「お金の話はするべきではない。」

など残念なもの。

一方、ちゃんと話をしてもらった子どもたちの感想は

「ちゃんと答えてくれたのでうれしかった。」
「信頼されているような気がした。」
「たくさんのお金を準備してくれていることに感謝の気持ちがわき、勉強をがんばろうと思った。」

など、前向きなものばかりだった。

私たちは、これからの時代を自信をもって生きていくためにも、子どもとしっかりお金の話をしていく必要があると思う。(執筆者:鶴田 明子)

《鶴田 明子》
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鶴田 明子

鶴田 明子

(社)日本ライフプラン研究所『家計と暮らしと住まいの相談室』理事 相談員 親子のマネーカウンセラー。FPとして、お金の相談を受けるかたわら、アクティブ・ペアレンティング「より良い親子関係講座」認定トレーナーとして、講座、講演、ワークショップを行っています。子育てに関わる保護者や教育関係者に対して、子どもの心を育てることとお金に関することの両面からサポートしていきます。お金は「人生を幸せに生きるための道具」。子育ての目的は「保護者がいなくても幸せに生きていけるように子どもを自立させること」。そのためには、私たちおとなが人生を楽しんで生きていることが大切です。 <保有資格>:AFP / 二級ファイナンシャル・プランニング技能士 / アクティブ・ペアレンティング(AP)認定トレーナー 寄稿者にメッセージを送る

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