日経平均が2万円を超えた今、今後の賢い株式投資戦略は?~後悔しない株式投資のやり方

 今回は株式投資についてFPの立場からQ&A方式で述べたいと思います。

Q:日本株投資を考えているが、損をするのが怖い。どうしたらよいか?

A:株が上がるかどうかはだれもわかりません。したがって一時的に損をしても耐えられる人だけが株式投資を始めるべきです。そのために株式投資をする条件として次の2つを守って下さい。

1. まずお金を目的別に次の3つに分けて、株式投資は余裕資金のみにする

(1) 生活資金(いつでも使えるお金)
~通常の生活に必要な資金や病気・災害などへの備えのためのお金。最低6か月の資金を確保すること。

(2) 使用予定資金(一定期間内に使うお金)
~教育資金、住宅購入資金等5年から10年以内に使うことが分かっているお金。

(3) 余裕資金(長期間使う予定のないお金)
~上記のような生活資金と使用予定資金を差し引いたお金。 

生活資金や使用予定資金は損をしてはいけないお金なので元本や利回りが確定している預金や国債等で運用して、株式投資はリスクも取れるお金である余裕資金のみにすべきです。

2. 自分の性格が神経質で、少しの損も気になってしょうがない人は株式投資に向かないと思います。

・株式投資は言うまでもなく高いリターンを期待できる反面、大きなリスクもともなう投資です。どんな投資の達人でも買った株が大きく値下がりする試練を何回か経験しております。持ち株が3割、4割値下がりしても、それに耐えられるだけの心の余裕を持てるかどうかが成功か失敗の分かれ道になります。

・損に耐えられない人は株式より次回に述べる投信の方がふさわしいと言えます。

Q:余裕資金が100万円あるので株式投資を始めたいが、心がけることは何か?

A:
・証券マンとか経験者のアドバイスを受けながら投資をする場合もあると思うが、完全に人任せではなく自分でも勉強し納得したものだけを買うように心がける

・初めての投資の場合はもうけることより勉強期間と割り切って、少ない金額からスタートして自分でも銘柄を研究することをお勧めします。少なくとも会社四季報を購入して読むようにして下さい。

・金額にもよりますが、1銘柄だけでなくタイプの違う複数銘柄を買った方が分散効果でリスクを軽減できるし、また自分の勉強にもなる。ミニ株投資もあるので10万円前後から買える株も多くあります。

できたら1度に買わないで間隔を空けて複数回に分けて買った方が良い。

Q:株は短期で売買するのと、長期間保有するのとどちらがよいか?

A:
・一般に短期投資は1~3ヶ月、長期投資は1年以上でその間の数か月の投資を中期投資と呼びます。どのスタイルが良いかは投資家の特性にもより一概には言えません。最近の2~3年の上昇相場ではどのスタイルの投資でも儲けた人が多かったはずです。

・短期投資はテクニカルな要因で支配されるので、短期投資家は常にマーケットを見ている必要があり、仕事を持って忙しくしている個人投資家向きではないように思います。また短期投資の場合、マーケットの情報量でも個人投資家はプロにはかないません。

長期投資はファンダメンタルな要因に支配されるので、じっくりと銘柄を研究でき一般の個人投資家がプロと戦えるスタイルです。私自身は数年以上の保有を目指す長期投資の信奉者です。

ただ中には『長期投資は短期投資の成れの果て』と言われるように塩漬け株を持ったままの「好ましくない長期投資家」もいるのでこれは避けたいものです。(笑)

Q:長期投資の場合、どんな基準で候補銘柄を選んだらよいか?

A:
 次の4つの基準で選定することをお勧めします。

1. 財務状況が良好であること:自己資本比率で判断する

2. 会社の経営が効率てきであること:ROE(自己資本利益率)で判断する

3. 今後会社の売上と利益が増加すると予想される

4. 会社の業務が理解できる

Q:上記の候補銘柄の中からどうやって実際に買う銘柄を決めるのか?

A:

1. 株価が利益に比べて割安であること:PERで判断する

2. 株価が資産に比べて割安であること:PBRで判断する

3. 予想配当利回りが高いこと

4. 市場が過熱していないこと

できたら市場が沈滞ムードの時が望ましい時期である。たとえば「災害に売りなし」という格言もあります。

Q:長い間保有している塩漬け株をどうすべきか株式売却のやり方を教えて欲しい。

A:成功している投資家は自分なりの売却の基準を持っているはずです。私は基本的に長期投資家ですが、次の基準を心がけております。

1.  買った時の前提条件が大きく変わったら売る

・特に購入した時の前提条件が大きく変わった時である。ファンダメンタルの要因では会社の主力商品が成長性を失い今後当分の間は成長が見込めないとか、かって健全な財務体質を誇っていたのが赤字続きで財務状況が相当悪化してきたような場合は売却時期だと思う。

・またマーケットの要因では市場全体が異常なほど過熱したりあるいは相場の大きなトレンドが明らかに上昇相場から下落相場に変わったと判断したような場合も売るべきである。

・「利食い急ぐな、損急げ」といった格言があるように、損切りの時はすばやく実行した方が良い。

2. 売却の判断がつかない場合は、とりあえず3分の1とか半分とか一部を 売るようにする

・もし塩漬け株が判断のつかない場合だったら機械的に一部を売却する。

・たとえば売ったあとにさらに下がった場合は「半分売って良かった」と思うし、逆に売ったあとに上がった場合は「まだ半分持っていて良かった」というふうに自分の行動を正当化する心理が働き、残りの株に対しても冷静に対処できるようになるはずだからである。

私の場合、長年の試行錯誤の末にこのやり方を実践するようになってからは以前より自信をもってマーケットに対処できるようになった。

次回は投信の選び方について述べたいと思います。(執筆者:須原 國男)

この記事を書いた人

須原 國男 須原 國男»筆者の記事一覧 (17) http://www.fp-suhara.jp/

スハラFPコンサルタント代表、NPO法人「老いじたくあんしんねっと」理事
1968年慶応義塾大学卒業後、大和証券に入社。ノースウエスタン大学経営、大学院修了後に東京本店および海外店で日本株・外国株の推進業務に従事、その後大和総研に転籍して取締役として証券リサーチ業務に従事した。2009年より独立系ファイナンシャルプランナーとして活動している。得意分野は理論と実践に強いと自負する資産運用・株式投資及び遺言・相続問題のアドバイスで、個人相談、講演、執筆に従事している。
<保有資格>:シニア・プライベートバンカー(今年3月時点で認定者は27名のみ)、日本証券アナリスト協会検定会員、CFP、第一種証券外務員資格(現在未登録)、宅地建物取引士、MBA
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