政府は2014年度補正予算に緊急経済対策として盛り込まれた総額4,200億円の地方創生の新たな交付金の配分を決め、そのうち2,500億円が「地域消費喚起・生活支援型」としてプレミアム商品券の発行財源となっています。

それを受けて国の自治体の約97%にあたる1,700を超える自治体が額面よりお得なプレミアム付き商品券を今年5月以降順次発行しています。購入額以上の買い物ができると人気が集まり、不正な方法で限度額以上の購入をする者まで現れ、売り切れる自治体が相次ぎました

では、その仕組みと問題点を考えてみたいと思います。

1. プレミアム商品券の仕組みとは

プレミアム商品券とは、文字通りプレミアムがついた商品券で、例えば10,000円の現金で12,000円分の商品券を買います。商品券は地元の商店街や大手スーパーなどで使うことが出来ますので、差額の2,000円がプレミアムとしてお得というわけですね。

多くの自治体が20~30%のプレミアム率をつけて、一人(または世帯)当たりの購入限度額も20,000円~50,000円の場合が多いようです。但し、自治体によってそれを使う期限が設けられていたり、使えるお店が限定されていたりしますので注意が必要です。

2. プレミアム商品券の問題点とは

政府の個人消費を喚起の期待は分かりますが、自治体からは「周辺の自治体が実施するので、やらないわけにはいかない」、「地方創生という名目で自治体へ商品券の発行強制」などの声も上がっています。

プレミアム商品券を発行するに当たり、各自治体では購入者が殺到することも予想されたため、先着順・抽選方式・引換券方式など混乱を避けるための工夫をしたわけですが、それにかかる人件費や商品券の印刷代などに商品券のプレミアム分以外にも膨大な経費がかかっています。

プレミアム商品券は使途が限定されていませんので、多くの方は日常の買い物つまり食料品や生活必需品などの購入に当てるとみられ、普段は買わない新たな消費に回る事は少ないと予想します。一時的に消費は増えても翌年には一斉に反動減が起きる事も予想され、バラマキ政策になる恐れがあります。

ちなみに私もプレミアム商品券を購入しましたが、税金が原資なのでまったくお得感はありません。むしろ買わない場合は自分の払った税金が他の人が購入した商品券のプレミアム分等に使われることになるため損する感覚です。

このように購入した人だけが得するようなプレミアム商品券ではなく、国民一律にプレミアム分と諸経費分も含めて配分するほうがまだましではなかったかと思います。

個人消費が増えない原因は、所得が増えたとしても年金・医療・教育・介護など基本的な将来不安があるためと見られ、それらが払拭されない限りは本格的な消費拡大には至らないと思われます。政府にはこれらの不安の払拭が出来るような政策を望みます。(執筆者:後藤 誠道)