ユニクロを展開する「ファーストリテイリング」は平成27月8月20日、特定の地域で働く「地域正社員」の約1万人を対象にして、週休3日制を導入すると発表しました。

メンバーの全員がニートで、株主かつ取締役でもある「NEET株式会社」が約2年前に、週休4日で月収15万円という「ゆるい就職」を導入した時、大きな注目を集めましたが、ユニクロの週休3日制の導入についても、大きな注目を集めているようです。

ただこの両者には大きな違いがあり、ユニクロの方は1日8時間の勤務時間を、1日10時間に延長するので、週休3日制になっても月収の金額は変わりません。

それに対してNEET株式会社は勤務時間を延長しないので、休みが増えた分だけ月収の金額が下がるのですが、給与の金額が下がることは年金の受給に影響を与えます。

月収や賞与の金額が下がると年金額はどうなるのか?

会社員だった方が原則65歳になると受給できる老齢厚生年金は、ねんきん定期便を見るとわかるように、次のような計算式で算出しますが、「平均標準報酬額」とは大まかに表現すると、現役時代に会社から受け取った、すべての月給と賞与の平均額になります。

平均標準報酬額×給付乗率(生年月日によって変わりますが、昭和21年4月2日以降に生まれた方は「5.481/1000」)×被保険者期間の月数

また「被保険者期間の月数」とは大まかに表現すると、現役時代に会社員として勤務した月数になります。

そのため週休3日制を選択して月収や賞与の金額が下がり、またその期間が長くなればなるほど、老齢厚生年金の金額も少なくなってしまうのです。

例えば月収20万円の方が週休3日制を選択したため、月収が15万円に下がり、その期間が3年に渡って続いた場合、次のように大体9千900円くらいは、老齢厚生年金の金額が少なくなります。

A:20万円×5.481/1000×36カ月=39,463.2
B:15万円×5.481/1000×36カ月=29,597.4
A-B=9,865.8

ただ次のような方に関しては特例措置があり、休みが増えた分だけ月収の金額が下がったとしても、老齢厚生年金の金額は少なくなりません。

養育期間の特例措置を利用すれば年金額は変わらない


それは3歳に満たない子を養育する、厚生年金保険の被保険者になりますが、その被保険者が申し出る事によって、休みが増える前の月収の金額で、老齢厚生年金を算出してくれるのです。

例えば上記のように週休3日制を選択したため、月収が20万円から15万円に下がったとしても、月収20万円のままで老齢厚生年金が算出されます。

この制度は子を養育している事実があれば、妻が専業主婦の夫であっても利用でき、また夫と妻の両者が同時期に利用できますので、他の育児に関する制度より制約が少ないのです。

特例措置の適用を受けたいという方は、「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」という書類を、管轄の年金事務所に提出しますが、通常であれば勤務している会社の、社会保険事務の担当者が代わりに提出してくれますので、特に心配する必要はありません。

しかしこういった手続きがあることを知らない、社会保険事務の担当者もたまにおりますので、念のため手続きが済んでいるか、確認した方が良いのです。

なお手続きが終わっていない状態で退職してしまった場合、自分で書類を提出する必要がありますが、日本年金機構のサイトを見ると書類を入手でき、また書類の書き方などが解説されております。(執筆者:木村 公司)