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節税が気になる年金受給者に「確定申告不要制度」は不要です


年金受給者のうち「公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下」で、かつ「公的年金等に係る雑所得以外の他の所得金額が20万円以下」の方については、確定申告をする必要はありません。

これは一般的に「確定申告不要制度」と呼ばれており、平成23年分以後の所得税から利用できます。

先日所得税の法改正について調べていたら、この確定申告不要制度にわずかな改正があったことを知りました。

その改正とは源泉徴収の対象になっていない、外国の公的年金等の支給を受ける方は、平成27年分以後の所得税から、この確定申告不要制度を利用できなくなるというものです。

外国で生活していた期間が長期に渡る方以外には、特に関係のない改正になりますが、該当する方は平成28年2月16日~3月15日頃に、お近くの税務署で確定申告をします。

なお納めすぎた税金を還付してもらうための確定申告は、1年を通じて受け付けているので、この時期でなくても構いません。

このように確定申告不要制度に改正があったといっても、小幅な改正にとどまりましたので、現在でも多くの方が利用できます。

しかし節税に関心のある年金受給者は、この確定申告不要制度を利用できたとしても、あえて利用しない方が良いと思うのです。

所得控除や税額控除を受けるには確定申告が必要


年末調整や確定申告の時に各種の所得控除を受ければ、その分だけ所得の金額が減りますので、納付する所得税が少なくなる可能性があります。

各種の所得控除とは例えば、年収103万円未満の配偶者がいる方の「配偶者控除」、一定の要件を満たす生命保険に加入して保険料を支払った場合の、「生命保険料控除」などが有名です。

しかし日本年金機構は年金受給者から、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の提出を受け、配偶者控除を受けられる配偶者がいるか否かは把握しておりますが、生命保険に加入しているか否かまでは把握しておりません。

そのため確定申告不要制度を利用して、確定申告をしなかった場合、配偶者控除は受けられますが、生命保険料控除は受けられないのです。

その他に確定申告をしないと受けられない所得控除としては、災害や盗難により住宅や家財などに損害を受けた場合の「雑損控除」、一定額以上の医療費を支払った場合の「医療費控除」があります。

また税額控除の一種である「住宅借入金等特別控除」、いわゆる住宅ローン控除も、確定申告をしないと受けられません。

ところで夫が定年退職した時に妻が60歳未満だった場合、妻は国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者に変わりますので、国民年金の保険料を納付する義務が発生します。

こういったケースで夫が妻の保険料を代わりに納付した場合、夫が「社会保険料控除」を受けられますが、これも確定申告をしないと受けられない所得控除になります。

医療費控除や雑損控除の適用範囲は意外と広い


こういった話をしますと、医療費控除を受けられるほど医療費はかかっていないし、雑損控除を受けられるような住宅や家財の損害は、滅多に発生しないという方がおります。

しかし医療費控除を受けられる医療の範囲は意外と広く、例えば厚生労働省が定める基準を満たした「温泉利用型健康増進施設」で、温泉療養を行い、かつ要件を満たしている場合には、施設の利用料金や往復の交通費が、医療費控除の対象になります

つまり温泉療養で体が健康になったうえに、節税にもなりますから、まさに一石二鳥です。

また雑損控除を受けられる住宅や家財の損害の範囲も意外と広く、例えばシロアリにより被害を受けた際の修繕費や駆除費についても、雑損控除の対象になります

平成 29 年4月1日から消費税が、8%から10%へ引き上げされることが決定され、生活水準が変わらなくても支出は増えていきます。

こういった時代だからこそ、医療費控除や雑損控除などの所得控除をしっかりと活用して、納付する必要のない税金はきちんと還付を受けておきましょう。(執筆者:木村 公司)

この記事を書いた人

木村 公司 木村 公司(きむら こうじ)»筆者の記事一覧 (192)

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。
【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種
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