安心とお得感は両立しない

来店型保険ショップ


先日、お客として来店型保険ショップ(ほけん百花)に行ってきました。結論を先に話してしまえば、とてもまっとうな対応をしていただきました

低解約返戻金型終身保険(説明はのちほど)が気になったので、パンフレットだけいただこうとお願いしました。そうすると、「設計書も打ち出しますか?」と尋ねられたので、(住所とか聞かれるのかなぁとビクつきながら)「お願いします」と応えました。

「年齢だけ教えていただけますか」というので、「50歳、男性、保険金額300万円」で作成してもらいました。お願いしたのは、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の『一生のお守り』という保険です。

募集人の方(店長さんでした)が、「この保険の保険料払込免除は特徴があって…」と要領よく説明してもらい、「保険料払込免除のないものも出しておきましょう」とすっかり先方のペースで、保険料払込免除の特約のない設計書も出してもらいました。

その後、私のリクエストでオリックス生命の『ライズ』、先方のおすすめでAIG富士生命の『E-終身』という保険の設計書を追加していただいてきました。

結局、最後まで個人情報を聞かれることもなく、的を外さず、かつ、簡潔な説明でとてもわかりやすかったです。来店型保険ショップは、確実に、保険募集の主力になっていると思いました。

低解約返戻金(CV)型終身保険


低解約返戻金(低CV注1)型終身保険という終身保険があります。終身保険という名前が示すとおり、保険の対象となっている人(被保険者)が亡くなったとき注2に保険金が支払われる保険です。

低解約返戻金の意味するところは、保険料払込期間中、解約返戻金を責任準備金注3の7割に抑えるというしくみが導入されているからです。保険会社は、本来であれば、解約に際して、責任準備金の金額を支払う代わりに、その7割に減額して支払うことになるわけです。

保険契約者から見れば、解約したときに戻ってくるお金が強制的に7割まで引き下げられていることになります。ただし、引き下げた分は保険料を差し引きますというのが、「低解約返戻金」という言葉に含められた意味です。

  • 注1:解約返戻金のことを英語でCash Valueといいます。解約返戻金のことを、頭文字を取ってCVと略す場合があります
  • 注2:所定の高度障害状態になったときも同額の保険金が支払われ、保険契約は終了します
  • 注3:将来の保険金の支払いのために会社が積み立てているお金(責任準備金(保険料積立金))。保険契約を解約したときには、保険契約者に戻される。これが解約返戻金。原則として、責任準備金(保険料積立金)は解約返戻金に一致します

  • バブルが崩壊してから現在(2015年)に至るまで、保険契約に使用する予定利率は右肩下がりで下がってきました。多くの場合、予定利率が下がると、保険料が引き上げられることになります。

    特に、貯蓄性の強い、終身保険や年金保険は、保険料の値上がりが大きかったのです。そこで、保険業界では、解約したときに戻すお金を引き下げることにより、保険料を引き下げる、低CV終身保険が開発されたという経緯があります。

    最初の低CV終身保険は、東京海上日動あんしん生命が開発した『長割り終身』という愛称の保険ですが、最近では保険料免除特約という特約を付加することが主流になっています。

    この特約は、がんや急性心筋梗塞などの状態になったときは、以後の保険料を免除しますという特約です。この話を聞けば、ほとんどの保険契約者は、「私もそれつけておきます」、と回答するでしょう。『余命6か月と診断されたときには保険金をお支払いします』、というリビング・ニーズ特約のような感覚かもしれません

    でも、実際は少し違います。リビング・ニーズ特約には特約の保険料は不要ですが、保険料免除のための特約は保険料が必要になるのです。

    損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の、『一生のお守り』という保険で確認してみましょう。ちなみに『一生のお守り』というのは愛称で、本当の名前は、「無配当低解約返戻金型終身保険」というものです。保険料払込免除のための特約(特定疾病診断保険料免除特約)を付加したものと、付加しないもの。2つを比較すると特約保険料がわかります。

    本当は、特約保険料を明示しておいてほしいのですが明示されていません。だから、特約が付加されたものと付加されていないもの、2つを比較する必要があります。設計書をもらうときには、2種類もらうようにしましょう。

    特定疾病診断保険料免除特約の付加で保険料は変わる

    以上です。(執筆者:杉山 明)

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