誰もが幸せな結婚生活を夢見て結婚するものですが、中にはどうにもならずに離婚に至る夫婦もいます。今では3組に1組が離婚するとも言われており、決して他人事ではありません。

さて、子供のいる人が離婚してシングルマザー(シングルファーザー)になった場合、国からさまざまな手当てがあると思われがちです。しかし、意外と実態を知らない人も多く、いざ離婚してから生活に困窮してしまう、ということもあるのです。

そこで、今回は子供がいる人が離婚した場合にもらえるお金について、紹介いたします。

もらえるお金


子供がいる家庭なら誰でももらえる「児童手当」がありますが、これとは別に、母子家庭・父子家庭には「児童扶養手当」が支給されています。いわゆる「母子手当」と呼ばれているものですが、父子家庭でも受給できます。

児童扶養手当は収入に応じて金額が決まるため、収入が多い人だと受給の対象になりません。また、収入には就労による所得の他に、元配偶者からの養育費も8割が収入として合算されます

金額は、満額の場合で以下の通りです。

全部支給:月額42,000円
一部支給:月額、所得に応じて9,910~41,990円
※平成27年4月分~

あくまでも1人目が上記の金額です。2人目は5,000円、3人目以降は3,000円です。子供が3人の場合、満額で50,000円となります。

医療費がかからなくなる


ひとり親家庭等医療費助成制度」というものがあり、医療費が無料になるというものです。と言っても全国一律の制度ではなく、たとえば大阪市の場合は一部自己負担額として1日当たり最大500円の負担が必要になります。

が、医療費がかなり安くなるのは間違いありませんね

当然ですが、美容整形やリラクゼーションのためのマッサージ等には使えません。また、診断書の交付代金や予防注射なども対象外となります。

税金が安くなる


所得税・住民税の計算をする上で、「寡婦控除」というものがあります。これは、離婚した人も対象になっており、一定額が所得から差し引かれるものです。寡婦控除によって所得が低くなる分、所得税・住民税が安くなります

子供がいる人で、合計所得金額が500万円以下の場合は「特定の寡婦」に該当するため38万円の控除が受けられます。特定の寡婦に該当しない場合は28万円の控除です。

寡婦控除を利用するためには、職場の年末調整をするときに、「特定の寡婦」もしくは「寡婦」のところにチェックを入れるだけです。

自営業などで確定申告をする人は、確定申告の際に申告します。

保育料も安くなる


自分一人分の収入だけで保育料が決まるようになるので、保育園・学童保育等の保育料も安くなります。また、寡婦控除によってさらに通常よりも所得が減り所得税と住民税も安くなりますので、さらに保育料が安くなる可能性があります。

母子家庭の就労による所得は平均181万円ですが、これぐらいの所得であれば保育料が無料になる可能性も高いです。

他にも、病児保育室の利用など所得や税金の金額が基準で利用料が決まるものについては、すべて安くなる可能性があります。

本当に生活していけるかしっかり考えよう!


離婚して母子家庭・父子家庭になると、これだけさまざまな制度を利用することができます。とは言え、実際に制度を利用するまでは「もっともらえると思っていた」と考えている人が少なくありません

児童扶養手当に関しても、「10万円ぐらいもらえると思ってた」とか、「1人4万円ぐらいなら、子供3人なら12万円もえらえると思った」といった勘違いが多いものです

実際には、たとえ医療費がかからなくなって保育料も安くなったとしても、児童扶養手当をもらうだけではほとんどの方が生活していけませんよね。養育費を支払ってもらっていれば別ですが、母子家庭の8割は養育費を支払ってもらえていませんし、父子家庭に至ってはほとんどの世帯で養育費を受け取っていません

働いて得たお給料と児童扶養手当等で本当に暮らしていけるのかは、ぜひ離婚前にしっかり考えておいた方が良いでしょう。(執筆者:吉見 夏実)