11月に入り気温がだんだん低くなってきましたので、そろそろ防寒対策が必要になってきますね。

それと同時に今年最後に支払われる給与で実施される、年末調整に対する対策も、そろそろ必要になってくると思うのです。

会社から給与をもらっている会社員(正社員、派遣社員、パート・アルバイトなど)の方が支払う所得税は、大まかに表現すると、次のような計算式で算出されます。

・1月~12月に支払われる給与の合計額-給与所得控除額=給与所得

・給与所得-所得控除=課税所得

・課税所得×所得税の税率=所得税

この計算式で算出された所得税の金額と、1月から年末調整の時までに給与から源泉徴収された所得税の合計額を比較して、前者の方が多ければ、年末調整で所得税が徴収されます。

逆に後者の方が多ければ、年末調整で所得税が還付されますので、年内に出来る節税策とは、前者の方を少なくすることです。

そのためには上記の計算式を見ると、次のような4つの策が有効であることがわかります。

(1)「1月~12月に支払われる給与の合計額」を減らす
(2)「給与所得控除額」の金額を増やす
(3)「所得控除」の金額を増やす
(4)「所得税の税率」を低くする

しかしこの4つのうち(2)と(4)は、法律で自動的に決定されるので、自分の意思でコントロールできるのは、(1)と(3)だけです。

実際のところ(1)を活用した節税策は、すでに多くの方が実施しており、例えば夫が配偶者控除を受ける予定の主婦の方は、年収が103万円を超えないように、12月の労働時間を減らします。

ただ(3)については、積極的に活用されておらず、節税できる余地が残されていると思うのです。

扶養親族を探してみる


(3)の所得控除とは例えば、「配偶者控除」や「扶養控除」になりますが、配偶者控除を忘れているケースというのは滅多にありません。

しかし扶養控除の対象になる扶養親族がいるのに、扶養控除を受けていないケースはたまにあるのです。

例えば都会に住んでいる子供が、別居している田舎の父母に対して、生活費などを仕送りしている場合になります。

つまり別居しているから扶養親族にはならないだろうと勘違いして、扶養控除を受けていないのです。

こういったケースで父母が扶養控除の対象になるかについては、マネーの達人の次のコラムに、わかりやすく解説されているので、是非参考にして下さい。(参考記事:別居の親を扶養に入れるには? 納税額はいくら減るの?

なお扶養控除の対象になるのは父母だけでなく、「6親等内の血族及び3親等内の姻族」となり、例えば兄弟姉妹、祖父母、伯叔父母、従兄弟姉妹なども含まれます

皆さんが考えているよりかなり広い範囲の親族を、扶養控除の対象にできますので、本来は扶養控除を受けられるのに、扶養控除を受けていない扶養親族を、年末調整の前に探してみると良いと思います。

納付できる保険料を探してみる


その他の所得控除としては、国民年金の保険料などを納付した時に利用できる、「社会保険料控除」があります。

未納となっている国民年金の保険料を年内に納付した場合、今年の給与所得から控除できるので、その分だけ節税につながります

現在は平成30年9月までの期間限定で、国民年金の保険料の後納制度が実施されているので、過去5年分の未納の保険料を納付できます。

もちろん未納の保険料だけでなく、来年の国民年金の保険料を年内に前払いした場合でも、今年の給与所得から控除できるので、その分だけ節税につながります。

未納の保険料や前払いできる保険料がないという方は、生計を一にする配偶者や子供の保険料で、同様のものがないかを探してみます。

その理由として社会保険料控除の対象になるのは、自分の保険料だけでなく、配偶者や子供の保険料も含まれるからです。

つまり配偶者や子供に代わって、国民年金の保険料を納付した場合には、その金額を社会保険料控除として、自分の給与所得から控除できます。

なお国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の保険料なども、社会保険料控除の対象になるので、例えば子供がこれらの保険料を、父母に代わって納付すれば、その金額を子供の給与所得から控除できます。

ただこれらの保険料は年金から天引きされている場合が多く、そうなると子供が代わりに納付できなくなるので、国民年金の保険料のように使い勝手は良くありません。

確定申告が必要な所得控除もある

所得控除は配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除だけではありませんので、節税に興味がある方は、自分に該当する所得控除がないかを探してみます。

ただ災害や盗難により、住宅や家財などに損害を受けた場合の「雑損控除」や、一定額以上の医療費を支払った場合の「医療費控除」などは、確定申告が必要になります

ですから年末調整の前については、「所得控除のち年末調整で受けられるもの」という視点で、自分に該当する所得控除を探してみるのです。(執筆者:木村 公司)