今年も残りわずかです。会社員の方は年末調整に必要な提出書類の準備はお済みでしょうか? 自営業の方は1年の収支がだいたい出てくる時期ですね。そこで、今からでも遅くない、2015年のうちにできる節税対策を4つお伝えします。

【節税対策1】ふるさと納税で楽しく節税


2015年5月からふるさと納税の制度が変わり、会社員でも使いやすくなりました。ふるさと納税は節税効果以外に、特産品を受け取れる楽しみがあるのでオススメ。そこで簡単にポイントだけお伝えします。

自己負担額の2,000円を除いた全額が控除される

例えば、30,000円の寄付を行った場合、特産品を受取った上に、税金の控除を受けることができます。控除される金額は、所得税と住民税の金額から総額約28,000円。特産品の還元率は自治体によりますが最大50%。ということは15,000円相当の特産品を受け取ることも可能です。

この場合、自己負担はたったの2,000円で豪華な特産品を得れるので、届く楽しみがありつつ、地域貢献を行い、その上節税効果もあるんです。

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設

ふるさと納税先の自治体数が5団体以内の場合、確定申告ではなく年末調整で申告できます。会社員にとって年末調整で手続きが済むのはありがたいですね。もちろん確定申告も可能なので、年末調整に間に合わなかった方は、確定申告をしてください。

全額控除されるふるさと納税枠が、約2倍に拡充

ふるさと納税を使って、自己負担2,000円で全額控除されるには金額の上限があります。その上限額が2015年から従来の2倍になりました。ということは、今まで15,000円が全額控除の上限だった方は30,000円に引き上げられ、税金からの控除額が12,000円から28,000円に引き上げられたということ。簡単に言うとお得度がアップしたということです。
ご自身の上限額は総務省のホームページをご確認ください。

【節税対策2】生命保険料控除を使った裏ワザ


年末調整の時に会社に提出する書類の代表といってもいいですが、内容をご存じでしょうか。これは1年間に払い込んだ生命保険料に応じて、「一定の金額」を年収から引く制度です。最大で所得税120,000円、住民税70,000円が年収から控除になります。

控除の種類は3種類

◆2013年1月1日以降の契約
・生命保険料控除
・介護医療保険料控除
・個人年金保険料控除

◆2012年12月31日までの契約
・生命保険料控除
・個人年金保険料控除

上記が控除対象ですが、ちょっと気になりませんか? そうです。2012年12月31日までの契約には「介護医療保険料控除」がありません。当時の契約は「生命保険料控除」に分類されます。
そこで、控除額が最大になっていない人は、ご自分の契約をチェックしてください。節税の裏ワザを紹介します。

介護医療保険料控除を活用した裏ワザ

2013年以降、医療保険に加入すると、「介護医療保険料控除」の対象になります。しかし、2012年12月31日までの医療保険は「生命保険料控除」になり、「介護医療保険料控除」の対象外ということ。
健康状態や加入年齢、他の契約内容にもよりますが、2012年12月31日までの医療保険を解約して、新しく医療保険に加入すれば「介護医療保険料控除」の対象になります。

ただしこれは「節税」という観点から見た方法。以前の契約のほうが保障内容が良ければ、そのままの方がいいでしょう。ですが、医療技術は進歩しているので新しく生まれる医療保険の内容も変わってきます。一度、契約内容をチェックしてみてください。

新規加入は年払いにする裏ワザ

上記のような医療保険への加入や、今まで生命保険に加入していない人が年末に加入する場合などは、支払い方法で「生命保険料控除」の控除額が変わります。というのは「一年間払い込んだ保険料」で計算するため。

毎月払いではなく年払いにすることで、しっかり「生命保険料控除」を受けられる上に、総額の保険料も毎月支払うより少し安くなります。ただし、生活を圧迫するようなことはしてはいけません。家計をしっかり考えて無理なくしましょう。

【節税対策3】地震保険料控除で節税と安心を


火災保険には加入しているけど、地震に関する補償がないという契約の方は、地震保険に加入すると「地震保険料控除」を受けることができます。

これは「生命保険料控除」と同じように、1年間に払い込んだ地震保険料に応じて、「一定の金額」を年収から引く制度です。最大で所得税50,000円、住民税25,000円が年収から控除されます。

安心と節税で一石二鳥

火災保険では「地震によって引き起こされる火災」は補償対象外なのをご存じでしょうか。火災だけではありません。噴火や地震による津波、それによる損壊、埋没、流失など全て対象外です。
しかし、地震保険に加入していると保険金を受け取れますので、生活を立て直す資金ができます。

ただし、地震保険は単体では加入できませんが、火災保険の「付帯契約」としてなら加入できます。現在契約中の火災保険に途中から加入できますので、気になる方は、加入している保険会社に問い合わせると良いでしょう。

もし、地震保険の年間保険料が50,000円以下なら、その分は全額控除されます。お得感が大きい上に安心もあって一石二鳥です。そこで生命保険料控除のところで書いた「新規加入は年払いにする裏ワザ」を行うことでしっかり「地震保険料控除」を受けられる上に、総額の保険料も毎月支払うより少し安く抑えることができます。

【節税ポイント4】医療費控除で還付金をもらって住民税を安くする


医療費控除は1年間に10万円以上医療費がかかった方が対象です。残念ながら、年末調整はできませんが、確定申告することで、還付金をもらうだけではなく、所得税と住民税が安くなる所得控除になりますので、ここは面倒くさがらずに確定申告をしましょう。

≪医療費控除の対象額の計算式≫
(医療費控除の対象になる医療費 - 保険金等で補てんされた金額) - 10万円(総所得200万円未満の人は総所得金額等×5%)

例えば、20万円の医療費がかかった年収300万円の方の場合、医療費控除の対象は10万円。所得税と住民税からの還付金は約40,000円になります。

同居の家族全員が控除の対象

自分ひとりだけが医療費控除の対象ではなく家族全員の領収書が使えます。子どもにアルバイト収入があっても、夫婦共働きでもOKです。一緒に住んでない親の治療費を出した場合は、その親が誰かの扶養に入っていなければ控除の対象になりです。

人間ドックが控除対象になることもある!?

2015年1月~12月までの領収書を集めましょう。通院にかかった交通費も、医療費控除の対象になります。交通費の領収書が無くても、メモがあれば大丈夫。電車やバスで移動困難な場合のタクシー代も対象になります。

治療が目的であれば、ドラッグストアなどで購入した市販薬や湿布も医療費控除の対象です。また、自費で支払う出産費用や、歯の治療も医療費控除の対象になるので、意外と幅広いのがうれしいポイント。人間ドックは本来、医療費控除の対象になりませんが、人間ドックで病気が見つかって治療を続けた場合は控除の対象になります。

ですが、ここで注意。入院時の差額ベッド代やコンタクトレンズ代、美容整形代などは医療費控除の対象外。控除されるものは「治療が目的」と覚えておきましょう。自治体からの出産一時金や受取った保険給付金は差し引いて計算します。

医療費が10万円に少しだけ足りないときは治療開始のチャンス

領収書を集めたのに10万円に少しだけ足りない、なんだかもったいない気になりますね。そんな時は、今まで気になっていた部分の治療を開始するチャンス!歯の治療はもちろん、はり、灸などの治療をしてくれる整骨院なども対象になるので、年始に向けて体をメンテナンスするのも良いでしょう。また、健康診断で結果が悪かった人は、思い切って人間ドックを受けて、悪い場所を明確にしてから治療開始するのもひとつの方法です。

還付金申請の期限は5年!

2015年度の確定申告の時期は2016年2月16日~3月15日までの1か月間です。ですが、もうすでに税金を払っている会社員の還付金申請は2016年1月から申請ができます。
また、案外知られていないですが、医療費控除の確定申告を受け付けてくれる期限は5年以内。「しまった!昨年度の申請するのを忘れてた!」という人はご安心を。まだ間に合います!

おわりに


今からできる節税対策は4つ。

【1】ふるさと納税
 自己負担2,000円で特産品を得つつ節税できる

【2】生命保険料控除
 医療保険の見直し

【3】地震保険料控除
 地震保険を年払い

【4】医療費控除
 5年以内に申告

この中で、すぐに手がけやすいのは、ふるさと納税医療費の計算ではないでしょうか。ふるさと納税はカード払いにするとポイントが貯まるので、さらにお得です。

生命保険料控除や地震保険料控除は、加入している保険会社の担当者よりも、公平な視点で見ることができるファイナンシャル・プランナーに相談したほうが、良いアドバイスがもらえることも。上手に節税対策をして新しい年を迎えたいですね。(執筆者:川中 理佐)