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老後破産しないための資金計画、将来の必要資金を知っておこう

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老後破産しないための資金計画、将来の必要資金を知っておこう

【概略】老後破産しないために、知っておくべき事


(1) 将来の10~20年くらいのスパンで、何にお金を使いたいのかを考えて定期的に見直す。

(2) 資金計画を3区分に分けて考える。(日常生活費、数百万の支出、数千万円の支出)


・日常生活費……生活レベルをどの程度に設定するか、最低レベルはどの程度かを考え、比例費と固定費に分け世間の水準も見て自分の生活を考える。貯蓄を増やすことを考える。

・イベント……結婚、車、旅行、趣味、 保険(医療保険、死亡保険、積立保険、損害保険)数百万の支出

・人生の3大支出……「子育て」「住宅」「老後」 数千万円規模の資金を準備 

(3) 資金運用計画をたてる

・ローンを組むため 現在の金融資産、現金の収支を検討し資金計画を行う。
・金融資産は3種類にわけ(流動性資産、安全資産、投資)その比率を、将来の収支、必要な資金を「キャッシュフロー表」からみて判断する。

段階的な年金減額や支給額への先行き不安、社会保険料(厚生年金、健康保険、介護保険等)、消費税増額、最近ではGPIFの運用成績7-9月損失が8兆円になった等の報道や普通のサラリーマンが老後破産するなどの報道で将来について不安になる人が多い事だと思う。老後破産しないためにも知っておくべき事を概説する。  

30年40年後のキャッシュフローの収入と支出についての予測は外れるのが当たり前で、まして一生涯の予測はなかなか予測通りにはいかない。

収入を増やす事を考えるのが第一であるが、容易には収入は増えない。夫婦の今後の収入見込み、妻がいつまで働くか、夫の収入増はどうか等、不確定要素を考慮しながら10-20年くらいのスパンでお金を何に使いたいのかをはっきりさせ、定期的に見直すのが現実に適合している。

また、年収の増え方は予想通りにはいかないし、賃金カーブ上昇で大幅に増える時期があったり、思わぬ事態が発生して減収になったりするので、実状にあわせてライフプランを見直していきたい。

例えば、30歳までに結婚資金を300万円、40歳までに1000万円の頭金と3000万円のローン計画をする。等を書き出しておく。目標が明確化したところで家計の見直しをする。収入と支出の比較 バランスシート、キャッシュフロー表でチェックし、実行にうつす。といったフローになる。

1. 資金計画を3区分に分けて考える

(1) 日常生活費   必要最低限の金額と余裕のある暮らしの金額を把握しておく。
(2) イベント    結婚、車、旅行、趣味、保険(医療保険、死亡保険、積立保険、と損害保険)   数百万円の支出
(3) 人生の3大支出 「子育て」、「住宅」、「老後」  数千万円の資金を準備 

2. 具体的なステージと対応


(1) 日常生活費:生活レベルをどの程度に設定するか、最低レベルはどの程度か、比例費と固定費に分けて考え、世間の水準も見て自分の生活を振り返る。家計の見直しで貯蓄するので、「使う」と、「貯める」のメリハリをつける。


(2) イベント:家族のイベントで、欲しいもの、必要なものをあげる。それぞれの暮らしぶりやライフスタイルの考え方で金額はピンキリとなるので自分の収入や貯蓄額を考えて使用計画をたてたい。

・標準的イベント:結婚資金は一人分で280万円、車200-500万円等。旅行(国内、海外)、趣味などはそれぞれの希望で変化する。

・保険(死亡保険、医療保険、積立保険、損害保険)など:日本人は保険が大好きで一所帯の年間払込料は平均で40-50万円、生涯で2000万円を払っているというデータがある。保険勧誘時の誘い文句、「保険に入ると所得税控除があるので加入するとお得ですよ」には乗らないこと。

一般生命保険は年8万円支払で控除額4万円、介護保険、個人年金保険含めても最大で12万円までしか適応がない。それ以上の加入は減税面からは無駄。必要以上の加入はしないのがおすすめ。公的保険(健康保険、労災保険や厚生年金保険、雇用保険など)の保証もあるので、ライフステージにあった保険に加入したい。会社の団体保険も有効。

死亡保険……残された家族のために加入するが、目安金額は年収1年分、多くても3年分。

医療保険……特約をつけると一気に保険料が高くなり、通常は公的保険で十分。

積立保険……貯蓄と保険は切り離して考えた方がいい。利率は貯蓄、投資よりは悪くなる。

損害保険……車の任意保険。対人関係は無制限にかける必要があるが、車両保険は車の現在価値と本人の支払い能力次第なので必ずしもかける必要はない。

人生の3大支出「教育資金」、「住宅資金」、「老後資金」

・子育て……費用は平均で一人3100万円。負担の少ない小学校(年間40万円程度)までと負担が増えてくる中学(50万円)、高校(60万円)、大学(60万円)のことも見越して計画したい。私立、塾代、芸術系、スポーツ系の場合出費がふえる。私立医系では6年で2800-3000万円、年間460-500万円は覚悟が必要だ。 

・住宅…(30-40年ローン 35歳-65歳)3000-4000万円  

頭金は物件価格(購入金額や建築費)の20%できれば25%は欲しい。住宅ローンでは、原則として「融資限度額は物件価格の80%まで」と定められている。借入は税込年収の5倍程度が無難で、合計返却金額を試算しておきたい。借入金利と年数で総額の返却額は5%~10%程度は変動する。

借入3000万円を  1%で借りる場合  20年返却 3300万円、30年 3500万円。 
借入3000万円を  2%で借りる場合  20年   3600万円、30年 4000万円。

返却に慣れた頃、生活に支障のない範囲で繰り上げ返済を検討も有効。

・老後・・夫婦でフル受給した場合(65歳以降の厚生年金と国民年金)でも毎月の不足分が発生する所帯は多い。平均 月7万円不足する場合で

7万円×12月=84万円が年間不足 30年分で  84×30=2520万円 

介護、病気、葬式代などの支出を500万円~1000万円程度とすると、3000-3500万円は年金受給前に現金または個人年金や確定拠出年金で準備しておきたい。不足する場合は働くか投資などでまかなう必要がある。

3. 資金運用計画をたてる 


・ローンを組むために、現在の金融資産、現金の収支を検討し資金計画を行う


ローンを組む年数、変動利率か固定利率か など数社は相見積をとりたいが、ローンを組めない場合も多いのでよく事前に検討しておきたい。

・金融資産は3種類に分けその比率を、現金収支や将来の収支と必要な資金を「キャッシュフロー表」上で判断する。

(1) 流動性資産:普通預金、MMF等
(2) 安全資産 :定期預金 年金保険等
(3) 投資   :株式 外貨預金 投資信託

比較的安全な貯蓄だが利率が低い(1)と(2)及びリスクがあるが高利率が期待できる(3)を組み合わせて資金の準備をしたい。一般的に自分年齢の%を(1)と(2)の資産にするのがいいといわれている。30歳なら30%を、60歳なら60%を貯金で持っておく。

投資の場合、商品によってリスク度合いが異なるのでそれなりの知識と経験が必要だが、インカムゲインで数%、キャピタルゲインで数十%見込めるが、損失もあるので注意が必要。手数料は高いがプロにお任せの投資信託もあるが、自分で商品を理解して購入することが必要だ。

いろいろな特殊事情(就職しない子供、両親の介護で職を離れる、株式などへの投機の失敗が重なり退職金の大半を失うなど)の理由で、貯蓄残高ゼロ、負債額が多くて困った場合、生活保護申請も場合によれば考えなければならない。破綻する前に専門家に相談する勇気を持つことも必要。(執筆者:淺井 敏次)

《淺井 敏次》
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執筆者:1級FP技能士 淺井 敏次 淺井 敏次

FP事務所ASAI 代表 身近なよろず相談。お客様の利益最優先で、独立FPの視点での相談をモットーに活動。ライフプラン、リタイアメントプランニング、資産運用、保険、税金、相続、金融商品、社会保険、住宅ローン、その他の悩みを一緒に考え解決、セカンドオピニオンでも利用してください。ご希望にお答えします。京都大学卒、ビール会社の工場・本社勤務後、独立系事務所設立「FP事務所ASAI」代表。 講演経験、投資経験も豊富:「豊の国 かぼす特命大使」大分県知事任命、「一般社団法人大阪あそ歩委員会」ガイド。 <保有資格>:日本FP協会認定CFP® / 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / ビジネス法務エキスパート / 公害防止管理(水質1、大気1) 寄稿者にメッセージを送る

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