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NISAの非課税期間が終了したら投資資産への税金はどうなるの?

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NISAの非課税期間が終了したら投資資産への税金はどうなるの?

平成26年からスタートしたNISA(少額投資非課税制度)。

平成28年より当初100万円だった非課税枠はり120万円に拡大され、未成年者が利用することができるジュニアNISAも開始するなど、ますます注目される制度です。

NISAは5年間の非課税期間内に投資元本から得た配当金や売却益による所得が非課税になるという制度です。

ではこの非課税期間終了後、投資資産についての税金はどうなるのでしょうか。非課税期間終了後のNISA口座内の投資資産の取り扱い、今回はこれをテーマにお話しさせていただきます。


非課税期間の終了後の選択肢は2つ

現行の法律上、非課税期間終了後にNISA口座内で管理していた投資資産がどのように取り扱われるかについてということですが、2つの選択肢があります。

1. 通常の証券口座への移管
2. 新たな非課税口座への移管

1. 通常の証券口座へ移管した場合

特定口座や一般口座など通常の証券口座へ移管した場合、その時の時価で移管されることになります。非課税期間終了時において、投資資産の時価が下がっていた場合と上がっていた場合にわけて説明します。

(1) 時価が下がっていた場合

投資資産の時価が取得時よりも下がっていた場合、将来売却損が発生するにも関わらず税金が発生してしまう可能性があります

平成26年にNISA口座内において100万円で取得した株式について、平成30年をもって非課税期間が終了。終了時の時価は50万円
          ↓
終了時の時価50万円で特定口座又は一般口座に移管
          ↓
その後、特定口座又は一般口座内において80万円で売却。譲渡所得30万円が発生(80万円-50万円)。税額は6万945円(30万円×20.315%)

当初100万円で取得した株式を80万円で売却しているので、20万円の損失が発生しているにも関わらず6万945円の税金が発生してしまうことになります。

(2) 時価が上がっていた場合

逆に取得時よりも時価が上がっていた場合は、次のようになります。

平成26年にNISA口座内において100万円で取得した株式について、平成30年をもって非課税期間が終了。終了時の時価は120万円
          ↓
終了時の時価120万円で特定口座又は一般口座に移管
          ↓
その後、特定口座又は一般口座内において140万円で売却。譲渡所得20万円が発生(140万円-120万円)。税額は4万630円(20万円×20.315%)

この場合、100万円で取得した株式を140万円で売却したので40万円の売却益が出ているにも関わらず、20万円分の売却益にしか税金は発生しません

2. 新たな非課税口座へ移管した場合

非課税期間が終了したNISA口座内の保有資産について、120万円を限度に次の新たな非課税口座に移管することができます

通常の証券口座への移管と同様、非課税期間終了時の時価で移管されることになりますが、限度額120万円を越える部分については一般口座か特定口座に移管されることになります。

平成26年にNISA口座内で100万円の株式を取得、平成30年をもって非課税期間が終了。終了時の株式の時価は150万円。
          ↓
120万円は平成31年分の新たな非課税口座に移管。30万円は一般口座又は特定口座に移管。

時価が下がっていた場合は、その時の時価分をそのまま新たな非課税口座に移管することができます。

まとめ

NISAの非課税期間が終了する5年目において、投資資産に含み損が出ている場合、損切をするかしないかの選択が必要になります

税金を負担してでも将来の時価の上昇に期待するのか、それとも税負担を避けるために損切をするのか

NISA口座内の売却損が特定口座などでの売却益と相殺できないということもあり、その選択は非常に難しいです。投資家としての判断が求められる場面ですね。(執筆者:高垣 英紀)

《高垣 英紀》
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高垣 英紀

高垣 英紀

1982年生まれ 和歌山県有田郡金屋町(現有田川町)出身。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒業後、地元の信用金庫に就職。その後、会計事務所に転職、勤務しながら税理士資格を取得し2015年11月に独立開業。税務・会計業務とともに、事業者の金融機関対策・個人の資産形成コンサルティング・WEBコンテンツを利用した情報発信の3つをコアとした事業展開を行っている。 <保有資格>:税理士/通関士/銀行業務検定/証券外務員二種/個人情報保護オフィサー/ファイナンシャルプランニング技能士3級  寄稿者にメッセージを送る

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