先回の記事で、史上初のマイナス長期金利が及ぼす住宅ローン金利への影響について、これからが本番であることをお伝えしました。

 先回記事はこちら→長期金利が史上初のマイナス金利「住宅ローン金利」はどうなる?
  
今回は、その影響を受けた3月の住宅ローン金利について検証してみたいと思います。

まずは、長短金利の指標をチェックしてみましょう

短期(変動金利~固定期間選択型10年未満)金利の指標は、ほとんどの金融機関では短期プライムレートになります。

短期プライムレート ⇒ 平成28(2016)年 2月10日時点 最頻値1.475%変化なし

長期(固定期間選択型10年以上~全期間固定)金利の指標は、10年物国債の利回りになります。

〇 10年物国債の利回りについては、下記図参照。
国債金利情報
(出所:財務省HP 国債金利情報)

結果、2月の10年物国債の利回りがマイナスになったのは計5日間で、1月平均 0.223% ⇒ 2月平均 0.025% とマイナス0.198%となりました。

上記の指標の動きを受けて各金融機関の3月金利への対応は?

短期金利:指標どおり、ほとんどの金融機関では据え置き

一部の金融機関で0.01~0.06%程度の引下げや逆に0.07%程度の引上げがおこなわれたところがありました。

これは、金融機関の戦略上や調達金利の影響、2月金利の決定状況などによるものと思われます。短期金利レンジは、0.519 ~ 0.825%

長期金利:多くの金融機関で0.2~0.25%程度の引下げ

指標のマイナス0.198%と同等又は、少し上乗せした形で引下げがおこなわれたようです。長期金利レンジは、0.500(借換え)~1.1%

これは、住宅ローン市場が活発化している時期であることから顧客獲得に積極的に動いたのではないかと思われます。

しかし、一部の金融機関では据え置きとなったところもありました。他の金融機関の動向や長期金利の今後の推移をもう少し見据えてからということでしょうか?

【フラット35】の住宅ローン金利はどうなったのでしょうか?

MBS(貸付債権担保住宅金融支援機構債券)の第106回の表面利率は、0.54%。

ローンチスプレッドは54bps(0.54%)ということは、第106回機構債の条件決定日(募集日)の2月19日は、新発10年物国債の利回りが0%だったということになります。

第105回機構債の表面利率0.79%からは、マイナス0.25%になりました。

結果、3月の【フラット35】の金利は、融資率9割以下で返済期間21年以上では、前月比0.23%低下の1.250%(過去最低を更新)となりました。

機構債の表面利率のマイナス0.25%よりは少し抑えたかたちということです。

このように3月の住宅ローン金利は概ね、指標どおりもしくは、少し上乗せした形でマイナスとなったようです。

思っていたよりは、金融機関間でのバラツキは無かったように感じております。

今後としましては、長期金利の指標がもう少し下がる可能性はあるものの、どこまで指標に忠実に下げるかは金融機関の思惑に左右されるものと考えます

住宅ローンの借換え市場は既に縮小してきており、そして長短金利とも金利下げ競争の終焉も近づいてきましたので、新規・借換えともにおいて、今回のタイミングで顧客を獲得したところが、住宅ローンにおける“最終金融機関”になり得ます

このことは、金融機関にとっては非常に大きな意味を持つことでしょう。そのために金融機関がどういった動きをするのか、見極めたいと思います。(執筆者:小木曽 浩司)