はじめに

月に数回、マネーセミナーを実施して早いもので2年が経過しました。

これまで数多くの方にご参加いただき、お金について一緒に考える機会が得られたことをFPとして嬉しく思っております。

参加者の方は20代~50代まで幅広いのですが、その中に、奨学金で大学を出られ、ご自身での返済が終わったという方が数名いらっしゃいました

皆さん、大学を卒業されてから、すぐに返済が始まり30代で完済。

これから、自分の人生の為にお金をどのように使うのかを学びに来て下さったそうです。

マンションを買う方、将来の為に投資をする方、目的は様々ですが、若いころからお金と向き合ってこられた方々なのでお金を大切に使うよう心掛けていらっしゃいます

セミナー講師をしている私の方が、頭が下がる思いでした。

奨学金の受給割合

私が学生の頃(1990年代)、奨学金を受給している方はクラスで1~2割程度であったという記憶です。

現在はどうなのか調べてみました。


(日本学生支援機構HPより)

やはり、奨学金を受給している方は増加していたのです。

なんと今では奨学金の受給率は5割を超えています!

大きな要因として考えられるのは…

1. 国立、公立の大学の学費UP
2. ご両親の経済状況の悪化

昔は、お金がなくても勉強をして学費が安い国立や公立を目指して大学へ行くという選択肢がありました。

しかし、今や国立でも私立と同じぐらいの学費が必要なのです。

また、20年近いデフレ状況の日本ではご両親のお給料が上がるということは難しく、お子様の学費を稼ぐために仕事を増やしたり、貯蓄をくずしたりしている方も多いのが事実です。

教育資金贈与の現状

個人の保有する金融資産は1,708兆円(時事ドットコム ※2015年6月29日掲載時)下表のとおり多くの貯蓄をしているのは、60歳以上ということが分かります。

つまり、お金を持っているのは、祖父母世代なのですね。

相続税の控除額改正にともない、相続税を支払う方が増えました。

一方、少しでも贈与税がかからない法案をということで教育資金贈与(教育資金の贈与税非課税制度)が創設されました

「教育資金贈与」

直系尊属(曾祖父母・祖父母・父母など)から、30歳未満のひ孫・孫・子へ教育資金を贈与した場合、受贈者1人につき、1,500万円まで(※)贈与税が非課税となる『教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置』が創設されました。
(※)学校等以外(塾・予備校等)へのお支払いは500万円まで

通常、贈与税が課せられるのは年間110万円以上の贈与を行った場合ですが、教育資金贈与を利用することで高額の資金をまとめて贈与することができます

また、贈与する側(祖父母等)の資産を子・孫へ贈与することで、相続対策にもなることで注目を集めました。

しかし、手続きが煩雑であったり、使用目的が限定されていたり、デメリットを感じている方も多く、あまり利用者が広がっていないようです。

祖父母の世代が教育費を負担できると良いのですが、中々、多くの方が利用できるという現状ではないのかもしれません。

それが、現在の奨学金受給率の割合にも表れているのだと思います。

将来の為に



教育資金贈与は平成25年4月1日から平成31年3月31日までの措置
ですが、対象となる学費などは平成25年4月1日以降のものとなります。

過去に支払われた学費については対象外なのが残念なところです。

私のセミナーにお越し下さった方々や、現在も奨学金の返済をしている方も適用になれば良いと思うのですが。

教育で得られた知識をもとに、子供たちは社会に出て仕事をし、これからの日本経済を支えていきます。

学びたい気持ちを少しでもサポートできる体制作りや「資金」について私たち大人が考えていくことは急務だと感じております。

贈与の対象や範囲も改正されていますので、今後より利用者が増え、使いやすい制度になることを願っています。(執筆者:藤井 亜也)