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特定空家の恐怖 固定資産税の増税と罰金、強制撤去

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特定空家の恐怖 固定資産税の増税と罰金、強制撤去

私の地元和歌山県は空き家率が平成25年度の調査で全国3位と、空き家問題が深刻な状況です。

平成28年3月2日には和歌山県東牟婁郡那智勝浦町で、長年放置されていた空き家が行政代執行により撤去されるということがありました。

平成27年に全面施行された「空き家対策特別措置法」に基づき行われたものですが、今後こういったことは全国的に増えていくことが想定されます。

相続により空き家を取得するなどした場合、管理をきちんとしていないと思わぬ罰則を受けてしまう場合などもあります

この空き家に関する罰則や税金に関する問題について解説します。


特定空家の指定

空き家が次のような状態である場合、所在地の自治体がその空き家を「特定空家」に指定します。

1. そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

2. そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある場合

3. 適正な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

市町村の立入調査を拒んだ場合の過料

特定空家であるかどうかを判断するため、市町村には立入調査の権限が与えられています。この調査を空家の所有者が拒んだ場合、「20万円以下の過料」が課されます。

撤去や修繕等の指導・勧告・命令

市町村は特定空家について、その所有者に対し、撤去や修繕等の助言又は指導、勧告、命令といった行政処分をすることができます。

固定資産税の増税

空家の所有者が市町村からの撤去や修繕等の助言又は指導に従わない場合、市町村はさらに上の処分である勧告をすることになります。

この勧告を受けると、空家の土地の固定資産税が増税されます

通常、土地の上に家屋がある場合は「住宅用地の特例」により、更地の場合に比べて最大6分の1まで固定資産税が軽減されます。この特例の適用が認められなくなってしまうのです。

命令に従わない場合の過料

勧告を受けてなお所有者が是正しない場合、市町村は撤去や修繕等の命令を行います。この命令に従わない場合は50万円以下の過料が徴収されます。

命令に従わない場合の強制撤去

所有者がどうしても命令に従わない場合、市町村は行政代執行により特定空家を強制撤去することが可能です。

なおこの撤去費用は当然所有者から徴収されることになります。撤去費用の支払いを拒んだ場合、財産の差押を受けることも考えられます

まとめ


空家問題は全国各地に点在する問題であると思います。空家を所有する方は、適切に管理をできない場合は売却を検討する必要があります。


とはいえ売却が難しい場合も多く、その場合は行政からの指導等がある前に撤去する必要が出てきます。古い建物の場合、アスベストが使用されていることも考えられ、撤去費用が膨大になることもあります。

空家の撤去費用のための助成金が設けられている場合もありますので、管理が難しい空家を所有している場合、早めに市町村に相談することをおすすめします。(執筆者:高垣 英紀)

《高垣 英紀》
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高垣 英紀

高垣 英紀

1982年生まれ 和歌山県有田郡金屋町(現有田川町)出身。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒業後、地元の信用金庫に就職。その後、会計事務所に転職、勤務しながら税理士資格を取得し2015年11月に独立開業。税務・会計業務とともに、事業者の金融機関対策・個人の資産形成コンサルティング・WEBコンテンツを利用した情報発信の3つをコアとした事業展開を行っている。 <保有資格>:税理士/通関士/銀行業務検定/証券外務員二種/個人情報保護オフィサー/ファイナンシャルプランニング技能士3級  寄稿者にメッセージを送る

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