私は、14日の21時26分の地震(のちに前震と呼ばれる)が起きたときは、佐世保市に出張していました。

次の日になると新幹線も在来線も止まっていて、熊本に帰るのに電車、タクシー、バスを乗り継いで本来2時間で着くところを8時間近くかかって何とか帰り着きました。

その後家族の無事を確認して、そこまで大きな被害がなかったので、ちょっと安どして就寝したところ16日01:25に震度7強(熊本市東区)の地震に見舞われました。それは、とても激しい揺れで、長い時間揺れ続けました。

この地震によって多くの人的被害、物的被害が起き、一夜明けてみると電気水道ガスは止まり、避難所や車中での避難生活を強いられる方々であふれるというそれまでと全く違った光景になっていました。

2週間程度たつとそろそろ、公共交通機関もライフラインもかなり復旧が進み、今度は、何とか元の状態に戻るために、生活再建が問題になってきます。

今回の震災では、2回にわたる最大震度7の地震と1000回を超える余震によって、多くの建物が全壊、半壊、一部損壊などになっており、自宅に戻れない被災者の方々が居ます。

そのような方々に、FPとして相談に乗る場合に、公的支援制度を紹介する必要があります。今回の熊本地震で使える「住まいの確保や再建のための支援」として次のようなものが考えられます。

住まいの確保や再建のための支援

(1) 「被災者生活再建支援制度」(窓口は都道府県、市町村)……支援の種類は給付

住宅全壊など生活基盤に著しい被害を受けた被災世帯に支援金を支給するもので、住宅の被害程度に応じて支給する支給金(基礎支援金)最高100万円と住宅の再建方法に応じて支給する支援金(加算支援金)最高200万円があります。

(2) 「災害復興住宅融資」(窓口は住宅金融支援機構)……支援の種類は融資

被災者が住宅を建設・購入・補修する場合に受けられる融資です。

建設を例に挙げると、基本融資額(融資金利0.47%)で建設費1650万円、土地取得費970万円、整地費440万円、特別加算で(融資金利1.37%)建設費510万円を受けることができます。

(3) 住宅の応急処理(窓口は都道府県、市町村)……支給の種類は現物給付

被災世帯に住宅を修理する資力がない場合、日常生活に最低限必要な部分を応急的に修理するものです。修理限度は熊本市の場合1世帯当たり57万6千円です。

(4) 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(窓口は、初めに主たる債務者、例えば、メインバンクや住宅ローン借入先)……支援の種類は減免・条件変更

震災で借金(住宅ローンや事業性ローン等)の返済が困難になった人や、近い将来に返済できなくなると見込まれる人が、法的倒産手続によらずに、債権者と債務者の合意に基づき、債務整理を行う際の準則として取りまとめられたものです。

(5) 「公営住宅の提供」や「民間賃貸住宅借り上げ制度による住宅の提供」(窓口は都道府県、市町村)……支援の種類は現物給付

公営住宅が6カ月間(最長1年以内で更新可)無償で居住可能であることや熊本県や熊本市が民間賃貸住宅を借り上げ1年間(最長2年間)無償で提供するものがあります。

無料相談も予定

これらは直接住宅に関するものですが、ほかにも義援金の交付や税の減免、納付期間の延長などもあります。以上あげたほとんどの制度は罹災証明書が必要です。代理人でも請求可能ですし、コピーで大丈夫な場合も多いです。

ただ、まだ役所も避難場所になっていたりで、業務を完全に行えていないところもあります。そのような場所では罹災証明書が取れないかもしれません。

ちなみに、4月30日に益城町は罹災証明書の発行を受け付け始めました。相談の段階では罹災証明書はいらない場合がほとんどですから、とりあえず相談に行ってみることが重要だと思います。

詳細は、熊本県、熊本市、住宅金融支援機構、全国銀行協会のホームページでも確認できます。また、私の所属します日本FP協会熊本支部でも5月の後半に無料相談会を予定しています。(執筆者:浦田 幸助)