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知らないと損をする「ボーナス(賞与)」から控除されている社会保険料

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知らないと損をする「ボーナス(賞与)」から控除されている社会保険料

賞与が支給されて、何に使おうか考えられている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

賞与の支給明細の支給額を見て一喜一憂されているかもしれませんが、賞与から控除されているものがいくつもあるのはご存知でしょうか

そのいくつも控除されているものの中で、今回は「社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)」について解説したいと思います。

賞与にも「社会保険料」がかかります


賞与と聞いてイメージするのは、夏や冬に支給される「ボーナス」ではないでしょうか。

しかし、社会保険料がかかる「賞与」の定義は、賃金、給料、俸給、賞与等の名称を問わず、年3回以下の回数で支給されるもの(現物支給されるものを含む)となります。

4回以上に支給されるものは、賞与扱いとはなりません。(標準報酬月額の対象となる報酬とされます。)そして、賞与には社会保険料がかかります

社会保険料の計算式は、

賞与の保険料額 = 賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額(標準賞与額)× 保険料率

となります。なお、月々の社会保険料と同じで事業主と被保険者とが半分ずつ負担することになります

「社会保険料」がかかる賞与には上限があります


「社会保険料」がかかる賞与は、健康保険と厚生年金保険とで上限が異なります。

(1) 健康保険は年間合計額が573万円(年間合計額が573万円に達した後に賞与が支払われた場合、それ以降の標準賞与額は0円となります。)

(2) 厚生年金保険は、賞与支給1回につき150万円が上限となります。(150万円を超えるときは、標準賞与額が150万円となります。)もし、年間2回賞与があり、その合算額が150万円以上に見込まれる場合は、賞与回数を1回にすることができれば納める保険料が安くなります。

退職時期により納める保険料が変わります

社会保険料は、被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月まで発生することになります。

つまり、退職したときの月は社会保険料がかかりません。(ただし、月末で退職をすると、「退職日の翌日の属する月の前月まで」の期間に社会保険料が発生してしまうので、月末退職した場合は、月の途中で退職した場合より保険料が1か月多くかかってしまいます。)

これは、賞与も同じで退職月に支給される賞与は、月末に退職する場合を除き、社会保険料控除の対象となりませんので、保険料がかからないことになります。

退職時期により保険料が発生したり、発生しなかったりします

しかし、保険料を支払うか、支払わないかでは、厚生年金保険は将来のご自身の給付にかかわってくることになりますので、しっかりと将来を見据えて考えることが必要でしょう。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)

《高橋 豊》
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高橋 豊

ゆたか社会保険労務士事務所 代表 大学卒業後、中堅企業にて労働関係法規や社会保険関係法規等に絡む業務、社内研修などの企画立案・実施、新卒採用などの人材採用・人事を経験。社会保険労務士事務所開業後は、企業に対して「人材がやめない企業づくり」をモットーに各種制度提案、就業規則等の作成、退職金制度設計、助成金申請などを行い、個人に対しては、遺族年金・障害年金等の複雑な年金請求のサポートを行っている。また、大学や短大でキャリア教育講座の講師を務めており、学生の就職活動支援なども行っている。 <保有資格> 社会保険労務士、宅地建物取引士、管理業務主任者 ・愛知県雇用労働相談センター 相談員 寄稿者にメッセージを送る

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