従業員の方は、病気やケガをして仕事ができなくなり会社を休むと、健康保険制度より生活保障のために「傷病手当金」が支給されます。

それでは、「役員」の場合でも、病気やケガのために働くことができず、その間、役員報酬が減額や支給されなかった場合に、「傷病手当金」を受給できるのでしょうか。

法人の役員の「傷病手当金」について

法人の役員が、病気やケガで入院することになった場合に、労働者災害補償保険(労災保険)では法人の役員は適用されませんが、健康保険の「傷病手当金」が受給できることがあります。

細かい「傷病手当金」の支給要件等は以前の記事にてご確認ください。(※1)

※1 「傷病手当金」の支給要件等は、2015年10月23日の記事「「傷病手当金」の支給条件と支給額や期間 退職後でも受け取れる」及び、2016年6月19日の記事「退職後の傷病手当金と失業保険の受給について」をご参照ください。

小規模法人の役員は、業務中の病気やケガについて健康保険が使える場合があります

法人の役員は、原則として労働者災害補償保険(労災保険)の適用を受けず、業務中の病気やケガについては給付を受けることはできません。

また、健康保険は業務外の病気やケガ(私傷病)について給付を受けることができますが、業務中の病気やケガについては給付を受けることはできません。

しかし、現在特例として、

・ 小規模法人(5人未満)の社会保険適用事業所の法人の代表者又は業務執行者で、
・ 一般の従業員と著しく異ならない労務に従事している者

については、業務中の病気やケガについても特例的に健康保険の給付が行われます。ただし、この場合は、「傷病手当金」は支給されませんので注意が必要です

ただし、小規模(5人未満)の条件を満たしていて役員が労災保険の「特別加入」をしているなど、労災保険から給付を受けられる場合には健康保険の給付を受けることはできません

このように役員の場合では、取り扱い方が異なるので注意が必要です。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)