みなさんは覚えていますか? 「霞が関埋蔵金」。母屋で親がお粥をすすっているのに、離れでは子どもがすき焼きを食べているっていうアレです。

もう10年くらい前の話だと思うのですが、あれはあの後どうなったのでしょうか? スポットライトが当たった瞬間は大騒ぎする物の、そのあとの経過のチェックがおろそかになっちゃダメですね。反省。

「専業主婦埋蔵金」発掘開始

でも今回は霞が関の話ではありません。「専業主婦埋蔵金」です。

国家公務員のお給料について検討する人事院(公務員はスト権などがないから、こんな組織があるんですね)が、8月8日に内閣に恒例の勧告を行いました。「人事院勧告」って言われるやつです。要旨は以下。

・ 月給0.17%アップ。
・ ボーナス年間0.1か月分アップ。
→ 年間給与は平均5万1,000円アップ
・ 配偶者扶養手当1万3,000円が、課長級以上では段階的に廃止。
・ 室長級は3,500円まで、その他の職員は6,500円まで徐々に減額。
・ 子供の扶養手当は、1人当たり3,500円アップして1万円に。

これは国家公務員の給与についての勧告ですが、地方公務員の給与は国家公務員に倣っているので、ほとんどの公務員が同じような扱いを受けると考えて良いです。(財政難の自治体などは、もちろん別です。)

月給もボーナスもベースアップですから、うらやましい話ですね。

「専業主婦埋蔵金」発掘は、政策とも合致している

しかし見逃しちゃいけないのは、真ん中よりも下のところだと思うのです。すなわち、配偶者扶養手当は減らします、しかし子供の扶養手当は増やしますというところですね。

配偶者扶養手当とは、収入がないか限られている専業主婦を「養う」ための手当のことです。民間企業でもこの制度があるところもあるようなのですが、これがいわゆる「○○万円の壁」(公務員の場合は130万円の壁)です。

「一億総活躍社会」を掲げる政府にとっては、目の上のたんこぶに他ならないわけです。

だから、まずはお膝元の公務員から配偶者扶養手当を減らして(ゆくゆくは完全に無くして?)いきます、民間企業もそれに倣ってくださいね、ということなのですね。

「専業主婦埋蔵金」は1人年間30万円以上

そしてこの勧告は、「専業主婦埋蔵金」というふうにくくると、まだまだ序の口に過ぎないのです。だって、まだこんなにも埋まっていますから。

公務員の配偶者扶養手当

前述したものです。今回は課長級以上が廃止とのことですが、やがては一般職員も廃止に向かうのでしょう。なお、政府に倣って民間企業でも同様の「埋蔵金発掘」が行われることは想像に難くありません。

所得税の配偶者控除

専業主婦を扶養する労働者は、配偶者控除として所得から年38万円を控除されています。

・ 所得税:年3万8,000円(税率が10%の場合。所得によって累進課税。)
・ 住民税:年3万8,000円(税率が10%の場合。自治体によって多少の差がある。)

公的保険の保険料

会社員や公務員に扶養される専業主婦は、事実上保険料支払いを免除されています。

・ 国民年金:年19万5,120円(平成28年度は月額1万6,260円。)
・ 健康保険:年約7万円(大阪市で無収入の場合。)
・ 介護保険:年約7万円(大阪市で無収入、40歳以上65歳未満の場合。)

健康保険と介護保険の保険料は、市町村と所得によってかなり差があるので注意してください。

発掘は着々と進むはず

これは裏を返せば、「専業主婦が今まで優遇されていた」ことに他なりません。「不公平だ」という世論も強いです。これは政府にとってはチャンス。国民に最も受け入れられやすい、つまり少ない抵抗で増税できますからね。

減税や福祉は遅々として進めないのに、増税をするときの仕事っぷりは見事なのが政府。きっと「専業主婦埋蔵金」は着々と掘り起こされていくでしょう。

ですから私たち専業主婦は、専業主婦の出口戦略を、子育てしながら着々と練っておかねばなりません。専業主婦優遇が無くなるころに、再就職するのがベストか? (なんて公共心のない…。)

また、「専業主婦優遇」廃止がきちんと「子育て支援」振興とセットで実施されるかを、これは国民としてしっかり監視せねばなりませんね

国家公務員一般職は、今回の勧告では2人以上子どもがいる専業主婦世帯は、プラスマイナスゼロなのです。万事そういうふうになれば良いのですが…。(執筆者:徳田 仁美)