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ついにマンションを売却しました 敬遠されるサブリース物件の「売買」経験談

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ついにマンションを売却しました 敬遠されるサブリース物件の「売買」経験談

以前のコラムで、サブリース契約についてお話しました。

実は、私もサブリース契約を結んだ区分所有マンションを所有していたのですが、先日、そのマンションを売却しました。

サブリース契約に関するコラムで説明いたしましたが、サブリース契約を結んでいる物件では、売却の自由度が制限されてしまいます。正直なところ、この物件を売却できて少々ホッとしています。

このサブリース物件を売却するまでのエピソードを、本物件の収支計算と併せてお話します。


まだまだ未熟だった7年前

この物件を購入したのは平成21年11月のことです。23区内で駅歩2分の好立地で500万円を切る価格はとても魅力的でした。早速業者さんに問い合わせて物件概要を送ってもらうことにしました。

送られてきた資料によると、この物件にはサブリース契約が結ばれていて、オーナーが受け取る家賃は転貸賃料の94%とのこと。購入後にそのサブリース契約を継承することが条件でした。

「6%の手数料で家賃保証されるならむしろラッキー!」

当時サブリースについての知識が少なかった私は、そのように思ってしまいました。

幸か不幸か、1番手でその物件の買付けを入れることができ、指値交渉をすることもなく売主の希望額である490万円でその物件を購入することに初めの失敗はここ。サブリース契約は値下げ交渉の大きな材料になるのです

とはいえ、家賃が安定して入ってくることは大きなメリット。契約を見直すこともなく「サブリース付」のままにしておきました。

それから数年がたったある日、首都圏の不動産価格が上昇傾向にあることを知りました。そこで、複数の業者さんに査定をお願いしたところ、購入時とさほど変わらない額で売却できそうとのこと。

もう少しで購入から5年ということで、譲渡所得税も「短期」から「長期」になります。そんなこともあり、この物件を売却することにしました。売却に伴いサブリース契約を解約しようと申し入れをすると、なんと解約には応じられないとのこと


オーナーの私から見てサブリース会社は賃借人の立場にあたり、正当な理由なく賃貸借契約を家主の都合で解除することは非常に難しいのです。ちなみに、正当な理由とは何かというと、老朽化に伴う建て替えなどがあります

サブリースを解約できなかったこともあり、売却希望価格は450万円と購入時の価格よりも安い設定での売出しです。

それでもサブリースがネックとなり、希望の価格では売れそうにありません。この時点での売却は一旦諦めることに。

再度チャンス到来

しかしその後、東京の不動産価格はさらに上昇します。再度チャンス到来です。

今度は希望価格600万円という設定にもかかわらず、サブリースを気にしないという方に550万円で購入していただきました。サブリース付の物件に成功したうえ当初より高値での売却が実現するとは夢にも思っていませんでした。本当に運に恵まれています。


気になるサブリース付物件の概要

今回売却したのは、このような物件です。

【所在地】:板橋区仲町
【築年月】:昭和63年11月
【間取り】:ワンルーム(6階建ての最上階)
【家賃】:5.5万円
東武東上線中板橋駅徒歩2分

毎月の管理費と修繕積立金が1万3,405円。サブリース手数料が3,300円。当初の手取額は3万8,285万円でした。その後、平成26年9月より管理費・修繕積立金が1万8,270円に変更となり、その後の手取額は3万3,430円に。

以前ご紹介した高輪の物件と同様に、最終的な投資成績を計算してみましょう。

490万円で購入した物件を550万円で売却したので、単純計算でキャピタルゲインは60万円ということになります。それに加えて購入後売却までに得た家賃収入が、本物件によって得た総収入ということになります。

【家賃収入】:約295万円
(3万8,285万円×57か月+3万3,430万円×23か月)
【売却益】:60万円
【総収入】:355万円

次に支出の計算をしてみます。支出には、物件購入時の登記費用、購入と売却時の仲介手数料、固定資産税・都市計画税があります。

【登記費用】:11万円
【仲介手数料】:43万円
【固都税】:16万円
【総支出】:70万円

総収入から総支出を引いた額285万円が、この物件から得られた利益ということになります。

このように、サブリースには売却が非常に難しくなるというデメリットがあります。投資の出口を考えると、サブリース契約を継承する必要がある物件の購入には慎重を期す必要があります

サブリース付の物件は、サブリースを継承してくれる買い手が運よく現れない限り売却できないことを、この経験を通して実感しました。(執筆者:内田 陽一)

《内田 陽一》
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内田 陽一

内田 陽一

株式会社aoie代表取締役、合同会社パッサージュ代表、ランドリーム草加八幡町店およびシェローバイクパーク草加産業道路オーナー、ホームインスペクター(住宅診断士) 2014年まで外資系通信機器会社にて通信用集積回路の開発に従事。退職後、それまで兼業で行っていた不動産賃貸業を本業に。5棟41室、北関東を中心に高利回りの物件の賃貸経営に携わる。空店舗を活用したランドリーム草加八幡町店・シェローバイクパーク草加産業道路の経営にも携わる。2018年よりまちづくり会社、株式会社aoieの代表取締役を務める。2018年4月、第1号案件となる「キッチンスタジオ アオイエ」がオープン予定。 寄稿者にメッセージを送る

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