※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

自分自身の金融インフラを整える 具体的な「場所の分散」と「通貨の分散」の実践(初級編)

投資 海外投資
自分自身の金融インフラを整える 具体的な「場所の分散」と「通貨の分散」の実践(初級編)

「場所の分散」

例えばあなたが保有しているすべての預金が日本にあるのなら、ある程度の部分を海外数カ所に移して分散保有しておくということ。

そうすることにより、仮に日本に大きな経済混乱や金融危機のようなものが起こり、ハイパーインフレや預金カットなどの緊急措置が採られた場合でも海外に配置しておいた資産は守られる


持っていった先の国で危機が起こることもある

不測の事態はどこで起こるかわからない。仮にそうなればわざわざ移動したために損をした、という気持ちになるかもしれない。だがそのときに悪影響を受けるのはあなたの資産の全てではなく一部分であるはずだ。

1カ所に集中していれば、そこに重大なことが起こったときの被害は甚大である。複数箇所に分散していたおかげで全部失わずに済んだ。そう考える必要がある。要は世界のどこで起こっても不思議ではないこれらの危機に際してもすべてを失わないために必要な措置。それが「場所の分散」だ。

「通貨の分散」

だが場所の分散を行なってもすべて単一の通貨で持っていたら、その通貨が為替安やインフレで減価することもある。それも防がなければならない。海外へ移動した資産は複数の通貨に替えておく

・ 米ドル
・ ユーロ
・ ポンド
・ 人民元
・ オーストラリアドル
・ スイスフラン等

そうしておけばそのうちのどれかが下落しても別の通貨が相対的に上がることになり、資産全体額の変動は少なくなる。これが資産防衛のための第二の方策である、「通貨の分散」である。

具体的な例で説明しよう

場所の分散と通貨の分散を推し進めて複数カ国に複数通貨建てで資産を持つことにより、いつどの国に危機が訪れても致命的なダメージを回避する。理屈はわかるが壮大すぎて現実味がない、雲をつかむようで漠然としている、そう感じる人もいるだろう。

具体的な例を挙げてみたい。

資産レベルがそれほど大きくなくてもすぐに実践できる場所・通貨の分散


これは香港に渡航してHSBC香港に口座を開設し、自分の資産の一部を移動することから始まる。香港という地域は資金の持ち込みや持ち出しに制限や申告義務がない金融的に非常に自由な地域である。

銀行経由で海外に送金したり、海外からの送金を受けたりすることが容易なので香港の銀行は海外での資金移動のハブとしてふさわしい。その中でもHSBC香港はトップの銀行。それも資産額で2位以下を大きく引き離す圧倒的な最大手である。

豊富な資金力を背景に優れたインターネットシステムやカスタマーサービスを備えている。海外から口座を操作する人にとってこの2点は特に重要である。

HSBC香港の外貨預金口座

・ 香港ドル
・ 米ドル
・ ユーロ
・ ポンド
・ カナダドル
・ オーストラリアドル
・ ニュージーランドドル
・ シンガポールドル
・ スイスフラン
・ タイバーツ
・ 人民元
・ 日本円

という12種類の外貨預金口座を備えているので資金を移動して各通貨に両替して振り分けることで最低限の場所・通貨の分散を完了することができる。さらに投資口座を活用することにより株や債券、ファンドなども購入できる。

これらの金融商品にも複数の通貨建ての商品があるので通貨分散しながら資産運用もできるのだ。

香港のBOOM証券口座

更に同じく香港のBOOM証券に口座を持てば

・ 香港
・ アメリカ
・ 日本
・ 中国(上海 + シンセン)
・ フィリピン
・ タイ
・ マレーシア
・ インドネシア
・ シンガポール
・ 韓国
・ 台湾
・ オーストラリア

の株式市場で取引が可能だ。それぞれの国の株を持つということは当然その国の通貨を持つことになるのでこちらも通貨分散をしながら投資ができることになる。

たった1日で…


香港から1時間半ほど足を伸ばせば中国本土へ行くことができる。香港は特別行政区という中国の一部ではあるが中国の通貨である人民元とは性質の異なる香港ドルが通用している独立した経済圏である。

香港と中国は政治的には1つの国であるが経済的には2つの国であると見なして良いほどの違いと自主性がある。中国本土の銀行に口座を作ってそこにも資金を振り分ければ3ヶ所目に場所の分散を行うことになる。そこで人民元を持つことは通貨分散の一環だ。

中国の通貨である人民元は中国本土で預金すれば香港で預金するよりも高金利であるという不思議な側面もある。現在は1年物の定期預金で年利1.75%、3年物の定期預金の年利は2.75%だ。定期預金というもっとも安全な部類に入る商品でこれだけの利息がつけばそこそこ良い運用手法といえるだろう。

つまりたった1日で3ヶ所の「場所の分散」と17種類の通貨で保有または運用する「通貨の分散」を行うことのできる。自分自身の金融インフラを整えることが可能なのである。(執筆者:玉利 将彦)

《玉利 将彦》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

玉利 将彦

玉利 将彦

Borderless Works Co.,Ltd. 代表 日本企業の海外駐在員として9年にわたる上海・香港勤務を経て2005年から現職。駐在員時代から17年に及び上海・香港を拠点におこなってきた金融や不動産投資の知識・経験を生かし、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)として活動。 香港における投資助言業(SFC)と保険代理業(PIBA)の免許を保有するエキスパートとして顧客のライフプランに即した投資計画の立案、資産運用商品・保険の仲介、海外金融機関の口座開設・運営のサポートをおこなっている。 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集