拝啓
貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。

先日の社長様への提案(前回の記事)は何かご参考になりましたでしょうか。

実はその後の二人の経営者には、次のような後日談があるのです

お時間があれば、一度ご確認してみて下さい。

世の社長さん達が「知らないと損をする事」

目先社長 「いやぁ、この間はありがとう。早々に検討に入らせてもらっているよ」

将来社長 「それは良かった。やはり、我々のような経営者は何かにつけて一般の従業員と同じようにはいかないからね」

目先社長 「そうだね、もう寝ても覚めても会社の事はもちろん、従業員や資金繰りや何やかんやと頭から離れないよ。仕方ないと思ってはいるけどね、経営者なら」

将来社長 「全く同感だね。でもね、諦めているばかりで打つべき対策を疎かにしていては経営者失格だよ」

目先社長 「ちょっと意味深に聞こえるね。我々の取るべき対策って何かあるのかい?」

確認1:経営者には独自の諸々の対策が必要

将来社長 「例えば、我々は雇用保険には入れないだろう」

目先社長 「経営者は会社と雇用関係にはならないからね」

将来社長 「と言う事は、失業手当等の諸々の給付は勿論ない事になる」

目先社長 「たしかにそれは不安材料だね。だからこそ先日君が言っていたように退職金の準備も必要になる訳だね」

将来社長 「しかも会社の経営状況を踏まえながら、自分でその準備や対策を練らなければならないよ。放置していても誰もやってくれないからね」

目先社長 「定年や自己都合での退職でも、一般的には退職金が準備されているサラリーマンがつくづく気楽に思えてくるよ」

将来社長 「(笑)まずは役員退職金規定の確認が必要だね」

確認2:経営者は雇用保険に原則入れない。経営者は退職金の対策を自ら整えなければならない。  

将来社長 「ところで我々にとっての問題は、その定年にもあるのだよ」

目先社長 「定年に? どういうことだい」

将来社長 「我々には定年はないだろう?」

目先社長 「勿論ないよ。漠然と70歳前にはリタイヤして、元気なうちに船旅をしたいとは思っているけどね。後継者や会社の状況によっていつリタイヤ出来るのかは全く予想がつかないよ」

将来社長 「僕も状況は同じだよ。そこで君に聞くけれど、「在職老齢年金」って聞いた事があるかい?」

目先社長 「いや、聞いた事ないね」

将来社長 「つまり、在職(厚生年金に加入)している場合は、老齢厚生年金の一部もしくは全部が支給停止される仕組みだよ」

目先社長 「えっ、毎月保険料を支払っているのに、働いているとそれが貰えないってこと?」

将来社長 「簡単に言えばそうなるね。しかもその保険料は本人と会社も同額を支払っているからね。費用対効果を考えるとやりきれないね…。」

目先社長 「でも、退職したらその貰えなかった年金は遡って貰えるのではないの?」

将来社長 「それなら退職するまで預けていると思えば我慢も出来るけど、残念ながら停止された年金は戻ってこないよ」

確認3:経営者は在職老齢年金の確認を事前にしておく事が必要

目先社長 「それって毎月、会社と本人が支払っている厚生年金の保険料が無駄になってしまうようなイメージを受けるよ」

将来社長 「僕たちは65歳から厚生年金を貰えるけど、今年度を例にとると基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円以下なら支給額を全額貰えるけどね」

目先社長 「47万円を超えた場合はどうなるの?」

将来社長 「合計額と47万円との差額の1/2が支給停止になるよ」

目先社長 「この間、郵便でねんきん定期便が届いていて、それによると僕の場合は厚生年金が月額17万円位だったから、その総報酬月額相当額とかいうのを30万円程度にしなければ、貰える予定の17万円が目減りするって事かい?」

将来社長 「そういう事になるね」

目先社長 「ふぅ~、定年のない我々経営者には、年金の支給さえもままならないのだね」

将来社長 「だから先日も君に話したように、給料をあげて社会保険料をアップさせても、年金が貰える時に現役でいると老齢厚生年金は調整されてしまうから、退職金を準備していく事も検討する余地が十分あるのだよ」

目先社長 「つまり、前回の話には雇用保険や在職老齢年金に対する経営者独自の背景もあるって事だね」

社長様、いかがでしょうか。

「知らないと損をする事」は世の中にはたくさんありますね。

その中でも、特に仕事をしていて感じる「知らないと損をする事」の代表を先回と連続してご紹介させて頂きました

ご参考にして頂ければ幸いです。       敬具(執筆者:松山 靖明)