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生命保険の満足度調査で上位を独占した「共済」を、過信してはいけない理由

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生命保険の満足度調査で上位を独占した「共済」を、過信してはいけない理由

先日マネーポストWEBを読んでいたら、「銀行・生保の顧客満足度 大手が上位に入らないのはなぜか」という記事が、掲載されておりました。

この記事によると、生命保険に関する顧客満足度調査(2016年度サービス産業生産性協議会調べ)は、次のように1位から3位を、共済が独占するという結果になったようです。

1位 コープ共済
2位 都道府県民共済
3位 全労済
4位 アフラック
5位 メットライフ生命

共済の後はアフラックやメットライフ生命という、外資系の生保が続いており、大手の4大生保(日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命)やかんぽ生命は、ひとつも登場しておりません


生命保険加入実態調査からわかった「理想的な生命保険」の条件

ライフネット生命は2008年9月2日~9月3日に、生命保険に加入している20代~50代の男女1,000名を対象にして、生命保険の加入実態と意識を探る調査を実施しました。

その結果はライフネット生命のウェブサイトの中にある、「生命保険加入者1,000名に聞く 生命保険加入実態調」というページに、まとめられております。

この調査結果によると、生命保険の加入者が望む「理想的な生命保険」は、次のような条件を満たすものになるようです。


≪画像元:ライフネット生命HP「生命保険加入者1,000名に聞く 生命保険加入実態調」≫

保障内容や保障期間に関しては共済を過信してはいけない

共済が販売している生命保険は

「保険料が安い保険」
「保障内容がわかりやすい保険」
「保険料が値上がりしない保険」

という、上位に挙げられた3つの条件を満たす場合が多いので、満足度が高いと思うのです。

大手の満足度が低い理由

「保険料が高い保険」
「保障内容がわかりにくい保険」
「保険料が値上がりする保険」

を、販売している場合が多いからではないでしょうか?

ただその後に続く、

「保障内容の充実した保険」

「終身保障などの保障期間が長い保険」

という条件については、共済より大手の方が優れている場合があり、これが共済を過信してはいけない理由になります。

死亡保障の不足額を満たせるように、死亡保険金の金額を決定する

生命保険文化センターのウェブサイトの中にある、「生命保険の加入金額の目安は?」によると、生命保険の死亡保険金をいくらにするかを決定する際には、次のような支出見込額(上段)と、収入見込額(下段)を算出します。


≪画像元:生命保険文化センターHP

そして支出見込額から、収入見込額を差し引くと、死亡保障の不足額がわかり、この不足額を満たせるように、生命保険の死亡保険金の金額を決定するのです。

なお末子の成長と共に支出見込額は減っていき、また給与が出るたびに預貯金をしていけば、収入見込額は増えていくので、定期的な生命保険の見直しが必要になるのです。

共済だけでは死亡保障の不足額を満たせない場合がある


都道府県民共済が販売している生命共済の、「総合保障型」に加入している方が病気で死亡した時に支払われる共済金は、次のような金額になっております。

総合保障1型(月の掛金は1,000円)の場合

200万円

総合保障2型(月の掛金は2,000円)の場合

・ 18歳~60歳:400万円

・ 60歳~65歳:230万円

総合保障4型(月の掛金は4,000円)の場合

・ 18歳~60歳:800万円

・ 60歳~65歳:460万円

生命保険の死亡保険金の金額を決定する際は上記のように、支出見込額から収入見込額を差し引き、死亡保障の不足額を算出し、その不足額を満たせるようにする必要があります。

この死亡保障の不足額は、家庭によって大きな違いがありますが、

例)夫婦と学生の子供が2人の家庭

総合保障型から支払われる200万円~800万円の共済金では、不足額を満たせない場合が多いと思うのです。

特に末子がまだ小さい家庭や、妻が専業主婦の家庭の場合には、その可能性が高くなります。

ですから理想的な生命保険の条件のひとつである、「保障内容の充実した保険」については、共済を過信してはいけないと思うのです。

長生きすると保障がなくなったり、保障が少なくなったりする共済

都道府県民共済が販売している生命共済には、「熟年型」がありますので、65歳以降も引き続き加入できます。

しかし保険の保障があるのは85歳までであり、特に女性は平均寿命から考えて、この年齢を超えて長生きする可能性があります。

また85歳に近づくほど、入院や死亡した時などに支払われる共済金の金額が、少なくなってしまうのです。

ですから理想的な生命保険の条件のひとつである、「終身保障などの保障期間が長い保険」については、共済を過信してはいけないと思うのです。


自分が加入する共済の弱点を理解して、それを補うものを準備しておく

このように理想的な生命保険の条件のうち、「保障内容の充実した保険」や「終身保障などの保障期間が長い保険」については、共済では満たせない可能性があるのです。

そのため共済以外の他の生命保険にも加入して、共済だけでは足りない保障を補う必要があるのです。

もちろん生涯を通じて、複数の生命保険に加入する必要はなく、必要な期間(例えば子供が社会人になるまで)だけ、一定の期間のみ保障する「定期保険」に、加入すれば良いのです。

老後の不安

長生きすると保障がなくなったり、保障が少なくなったりするのが不安という場合には、高齢になって働けなくなるまでに、しっかりと預貯金を行い、共済の保障がなくても大丈夫な状態にしておくのです。

預貯金の不安

預貯金だけでは不安という場合には、他の共済や外資系が販売する終身医療保険に加入して、医療保障だけは保障期間を長くしておくと良いかもしれません。

このように自分が加入する共済の弱点を理解したうえで、それを補うものを準備しておくと、共済に対する満足度が、更に高くなるのではないでしょうか?(執筆者:木村 公司)


《木村 公司》
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執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

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