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【知らないと損をする】年金分割は離婚後2年以内に請求しないともらえない。損する事例を紹介します。

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【知らないと損をする】年金分割は離婚後2年以内に請求しないともらえない。損する事例を紹介します。

「加給年金」と「振替加算」


原則65歳から支給される老齢厚生年金の受給権者に、一定の配偶者がいる場合には、「加給年金」が上乗せして支給されます

また加給年金の加算対象となる配偶者が65歳になると、加給年金は振替加算に切り替わり、配偶者が受給する老齢基礎年金に上乗せして支給されます

振替加算が未払い問題は拡大しない理由

最近はこの振替加算の未払い問題が、世間を騒がせておりますが、他の未払い問題と比べると、被害が拡大する可能性は低いと思うのです。

その理由として未払い問題が発生した、主な要因として挙げられているのは、会社員などが加入する厚生年金保険と、公務員などが加入する共済年金の、情報の共有ができていなかったことです。

しかし2015月10月に共済年金は、厚生年金保険に統合されたので、情報の共有ができないということは、今後は発生しにくいと思うのです。

加給年金が振替加算に切り替わらない人が増える

また加給年金の加算対象となる配偶者の生年月日が、1966年4月2日以降の場合には、加給年金は振替加算に切り替わらないため、振替加算が上乗せされる方は、どんどん少なくなっていくのです。

そのため結婚や離婚に関連した年金の知識の中で、振替加算の重要度は低くなっていくと同時に、次のような知識を事前に知っておいた方が、役に立つのではないかと思います。

国民年金の被保険者は3種類

国民年金の被保険者は3種類に分かれ、保険料の納付方法などが違います。

日本国内に住所を有する、原則として20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入しなければならず、その被保険者は保険料の納付方法などの違いによって、次のような3種類に分かれます


第一号被保険者

自営業者、フリーランス、学生、無職などに該当する方は、国民年金の第一号被保険者になり、その保険料は自分で納付します。

第二号被保険者

会社員や公務員などに該当する方は、国民年金の第二号被保険者になり、その保険料は勤務先が給与から控除して納付します。

第三号被保険者

第二号被保険者に扶養されている配偶者は、国民年金の第三号被保険者になり、その保険料は第二号被保険者が加入している年金制度が負担するので、自分で納付する必要はありません。

これを見るとわかるように、会社員や公務員などに該当する方は、厚生年金保険に加入しているだけでなく、第二号被保険者として国民年金にも加入しているのです。

ですから給与から控除されている厚生年金保険の保険料の一部は、国民年金の保険料として使われます

第一号被保険者になる時には、自分で手続きを行う必要がある

例えば大学を卒業してから就職し、結婚後は専業主婦になり、その後に離婚してパートで働き始めた方の国民年金の種別は、次のように変わっていきます。

20歳になってから就職するまでは「第一号被保険者」

就職してから結婚するまでは「第二号被保険者」

結婚してから離婚するまでは「第三号被保険者」

離婚してからは「第一号被保険者」

この中のうちで「第一号被保険者」になる時、つまり20歳になって国民年金に初めて加入する時と、離婚した時については、市区町村の役場などに行って、自分で手続きをする必要があります

この手続きをしないまま、保険料の納付期限(原則として納付対象月の翌月末)から2年が経過し、未納期間と確定することにより、将来に受給できる年金が減ってしまう場合があるのです。

「第三号被保険者」の手続きについて

なお以前は結婚して第三号被保険者になる時も、自分で手続きをする必要があったのですが、これをやらない方が非常に多かったため、2002年4月からは第二号被保険者の勤務先が、手続きをすることになりました。

またこの手続きを忘れていた場合には、「特例届出」を提出することにより、さかのぼって第三号被保険者の期間であったと、認められる可能性がありますので、心当たりのある方は年金記録を調べてみましょう。

離婚の翌日から2年が経過すると、年金分割を請求できなくなる

例えば第二号被保険者である夫と、第三号被保険者である妻が離婚した場合に、夫の厚生年金保険の保険料納付記録が妻に分割される、「離婚時の年金分割」という制度があります。

このように保険料納付記録が分割されると、夫が納付した厚生年金保険の保険料の一部を、妻が納付したという取り扱いに変わるため、妻が受給する年金が増えるのです。

ただ離婚したら自動的に分割されるわけではなく、年金事務所に行って請求手続きを行う必要があるのです。

またこの請求手続きは原則として、離婚の翌日から2年以内に行う必要があります

この期間を過ぎてしまうと、請求できなくなってしまいます

将来に受給できる年金を減らさないため、まず何よりも原則2年という請求期限があることは、事前に知っておいた方が良いと思うのです。


再婚によって受給できる年金が、減ってしまう場合がある

例えば夫の死亡によって受給権が発生した遺族厚生年金と、老齢基礎年金を受給している女性が、再婚(事実婚を含む)した場合には、受給できる年金が減ってしまいます。

その理由として遺族厚生年金の受給権は、婚姻によって消滅するため、再婚後は老齢基礎年金のみを受給することになるからです。

なお再婚した相手と離婚しても、遺族厚生年金の受給権が復活することはありません

再婚後は相手の収入もあるはずなので、遺族厚生年金の受給権が消滅しても、当面の生活には困らないと思います。

ただ遺族厚生年金の受給権が消滅することを知らないで再婚した方は、受給できる年金が減ってしまうことに、驚きを感じるはずです。

ですからこういった知識を、事前に知っておいた方が良く、また再婚するか否かの判断材料のひとつに、加えた方が良いと思うのです。(執筆者:木村 公司)

《木村 公司》
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執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

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