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「売ったら上がった!」はよくあること

株式投資をしている方なら、誰でも経験したことがあるかと思います。
損せずに売れたのであれば決して悪くはない結果だと思いますが、薄利で売却した後に、何度も同じことが起こるとさすがに「なんで?」となるかもしれません。
今回は、できる限り利益を大きく成長させて売るための方法をご紹介いたします。
「損切は素早く、上昇したらできるだけ長く」が理想
株価が下落トレンドになってしまった場合は、再起不能になるまでの損失を出さないような素早い損切が重要です。
そして上昇トレンドの場合はできる限り長く保有し、大きな利益に成長させることが理想です。
ステップ1 自分なりの目標株価を決めておく
まずは自分なりの目標株価を決めておきます。1割の利益の株価でも、買値2倍の株価でも構いません。
ただし、目標株価まで到達しないうちは、「損をしないこと」を最優先に考えます。
(例)株価1,000円で購入し、目標株価を1,500円とする。
ステップ2 高値を付けるごとに「売却株価」を設定して、そこまで下がったら売る
株価が上昇トレンドに乗って高値を付け、下がってきたとします。その高値の株価から*2割下がった株価を「売却株価」として設定します。
ただし「売却株価」が実際の買値よりも低い場合は、実際の買値を「売却株価」とします。
目標株価まで到達しないうちは「損をしないこと」を最優先にするためです。(手数料分は考慮していません)
株価が下がってきて、「売却株価」まで到達してしまったら売ります。到達しない限り持ち続けます。
*2割に設定する理由は以前の記事を参照してください。
株価が1,100円の高値を付けた場合
売却株価:1,100×0.8=880円
実際の買値は1,000円なので、この場合は1,000円を売却株価とする。
株価が1,300円の高値を付けた場合
売却株価:1,300×0.8=1,040円
本当の買値1,000円よりも高いので、もしこの売却株価で売ったとしても40円分の利益は確保できます。
ステップ3 自分の目標株価を越えたら、売却株価を修正する
株価が自分の目標株価まで到達したら、目標株価から2割下がった株価を「売却株価」として設定します。
そしてその株価まで下がってしまったら売ります。売却株価まで到達しない場合は持ち続けます。
株価が目標株価である1,500円になった場合
売却株価:1,500×0.8=1,200円
株価が下がってきたら1,200円で売る。買値1,000円から考えたら、200円の利益は確保できます。
ステップ4 目標株価以上の高値を付けるごとに「売却株価」を設定する
高値を付けるごとに売却株価を設定するのはステップ2と同じです。ただし、目標株価よりも売却株価が低い場合は、目標株価を優先して売ります。
株価が1800円の高値を付けた場合
損切株価(2割の下落で設定):1,400円
自分の目標株価1500円を優先し、下がってきて1,500円になったら売り→当初の目標はキープする。
実際の株価で検証してみる
ソニー[6758]で、この方法を試しているとどうなっていたでしょうか。
2017年1月4日 終値3,333円で買う
目標株価を3割上昇の4,332円としてスタートしていると、現在まで売ることなく持ち続けていることになります。
途中下がる局面もありますが、設定した売却価格までは落ちずに来ました。
もちろん設定した売却価格まで下がらなかったのは偶然かもしれませんが、利益が上がっているときに早々に売ってしまうことは避け、少しずつ含み益を拡大しています。
ちなみに10月31日終値は4,413円です。

「頂点で売ろう」と思わないことが重要
この方法では、高値で売り抜けることはできません。
そもそも高値というのは、株価が下がって初めて分かるものなので、高値で売れたとしてもそれはただの偶然です。
できるだけ利益を大きく伸ばしたいという方、株価が下がり始めると損をするかもと不安になってすぐ売ってしまう方にはおすすめです。
株価が上がったとき、
「もっと上がるかもしれないから売らないでおこう」
など、どのように考えるかは人それぞれです。
心理的に判断するのではなく、今回ご紹介したようなルールを決めて売るタイミングを判断することで、「損失は少なく、利益は大きく」を実現できます。ぜひ参考にしてみてください。(執筆者:高橋 珠実)