「定期預金は分けて入るねんで~。」

と言っていたのは私の母親。

彼女は500万円の貯蓄を、200万円、100万円、100万円、50万円、50万円の合計の5つの定期預金として保有していました。

まだ私が幼いころの話です。

定期預金って、300万円未満と300万円以上、そして1,000万円以上では利率が少々異なりますが(とはいえ現状、店頭で確認するとあまり変わりませんが)、当時はどうだったのかどうかは知りません。

ただ母親によると、出口の選択肢が多いほうを選ぶべきだということでした

こうしておけば、いざ手元にお金が必要になったときに、その金額に応じて解約する定期を最小限に抑えられるからだということです。

保険契約は「減額」できる!

ですが今回は、保険契約にはそんな手間をかける必要はないですよ、という話です。

なぜなら、保険契約は「減額」ができるからです。これ、けっこう知らない人いるんじゃないでしょうか?

定期保険を保険金額3,000万円、保険期間30年で契約していた場合

たとえば定期保険を保険金額3,000万円、保険期間30年で契約したとしましょう。

そして、子どもの独立などのライフイベントによって必要保障額が減少したり、家計が苦しくなって支払保険料を抑えたくなったりしたとします。

そんなとき、保険契約は「減額」できるのです。

細かくいえば、残りの保険期間はそのままで、減額後の保険金額を1,000万円にするなど下げることで、以後の支払保険料を抑えることができるっていうことですね。

この制度のミソは、以下の2点です。

・ 解約 & 新規契約してしまうと、旧保険の契約時よりも年齢上昇や健康条件が悪化しているため、新保険は不利な契約になってしまいます。ですが「減額」なら当初の保険加入時の契約条件で契約が継続するため、有利な条件が続きます

・ したがって、私の母親の定期預金のように、当初の保険契約時に契約を分割しておく必要はありません。保険会社によっては、一定以上の保障額の契約であれば小口契約よりも、保障額あたりの保険料が有利に設定されていることもあるので、ありがたい。

ただし、保険会社ごとに最低保険金額が設定されておりますので、保険金額がそれを下回ることになるような「減額」はできません

今後の選択肢を見据えておくためにも、これから保険契約する人はそれも確認して契約しましょう。

また現在お持ちの保険の最低保険金額も、確認しておく価値はあるはずです。

保険料払い込みをストップして、契約を継続するという手も!

実は保険は、「減額」にとどまらず、保険料払い込みをやめてしまって保障を得続けるという選択肢もあります。

「払済」と「延長」の2つがあるので、それぞれ解説しましょう。

払済 : 保険期間を変えずに、保険金額を縮小する
延長 : 保険金額はそのままに、保険期間を短縮する

保険料支払い無しに保障は得るなんて、そんなことが可能なのかという話ですが、そのタネは「解約返戻金」にあるのです。

解約すれば受け取れる解約返戻金をその後の保険契約続行の原資にして、契約を継続するということですね。

ですからこの2つの手段は、解約返戻金があってもごくわずかな定期保険ではなく、終身保険むけのものになります

必要保障額の減少が当初から見込まれるのであれば、こんな手も

家計が苦しくて保険料支払いを抑えたい…というような事態はなるべくなら避けたいと思います。

ですが、必要保障額が減少して…という事態は、普通に生活していれば当然生じるものなのではないでしょうか。

だって、子育てをして子供が成長すれば独立が徐々に近づき、必要保障額は逓減します。

それに、台所がうまく回って貯蓄ができれば、やはり必要保障額は減りますよね。

そんな風に必要保障額が逓減することが十分予測できているのであれば、以下のような保険が無駄なくお得だと思います

収入保障保

「家族収入保険」ともよばれます。

たとえば、30歳時に契約期間30年で契約して、万が一の時には満期まで保険金を毎月10万円というように年金形式で受け取る、というような保険です。

保険金受け取りが年金形式ということは、保険契約が続くにつれて保険金総額は徐々に減少しますね。

逓減保険

保険金額が保険契約継続にしたがって徐々に減少する点では収入保障保険と同じですが、こちらは一時金で受け取ることになります

住宅ローンの団信のかわりに契約しておけば、万一の時には一括繰り上げ返済できますね。

最後に

保険を契約するときには、ついつい目先の保険料とにらめっこしてしまいます。

良くても保険期間と必要保障額くらいまでしか考えないのではないでしょうか。

ですが人生、一寸先は闇です。出口にどんな選択肢があるのか把握しておくのは、決して損にはならないと思います。(執筆者:徳田 仁美)