別居中の妻が夫のカードで散財 「家族カード」の怖さと、別居に関するお金の注意点3つ»マネーの達人

別居中の妻が夫のカードで散財 「家族カード」の怖さと、別居に関するお金の注意点3つ

今まで一緒に暮らしていた夫婦が別々に暮らし始める…



籍を入れたばかりの新婚夫婦は、一緒に暮らすのは楽しくて仕方がない様子で、たわいもない会話ですら笑顔になれる…。

まさにハネムーン状態ですが、最初だけです。

残念ながら夫婦とはいえ赤の他人なので少しずつ価値観や考え方、そして方向性が違うことに気付きます。

溝を埋めようとしても、かえって溝が大きくなり、けんかが絶えなくなれば、今まで一緒に暮らしていた夫婦が別々に暮らし始める…。

「別居」を視野に入れざるを得ませんが、私の最新刊「男の離婚ケイカク」に登場する宮本純一もそんな悩みを抱えた男性の1人です。




相談者について

【相談者の属性(すべて仮名)】
結婚8年目
夫 : 宮本純一(45歳・会社員・年収900万円・貯金800万円)
妻 : 宮本久美子(42歳・会社員・年収600万円・貯金不明)


純一さんが私のところへ相談に来た当時、妻はすでに1人でアパートを借りて家を出ており、純一さんは8年間、一緒に暮らした部屋に1人取り残された状態でした

最初のうちは妻を連れ戻そうとしたようですが、かたくなに拒まれたため、そのまま別居生活に。

純一さんは最初のうち、妻との離婚を考えておらず、あわよくば妻とやり直したいと考えていたので必要以上に妻を疑わなかったようです。

だからこそ、妻に預けていた「家族カード」を別居時、取り上げませんでした

家族カードの怖さとは


しかし、どうやら妻は別居先のアパートを借りるにあたって敷金や礼金の支払、家電等の購入に家族カードを使うだけでなく、そして今後の家賃支払まで家族カードに指定していたことが後日、明らかになったのです。

家族カードは本人以外も利用することが可能ですが、あくまで利用額の引き落としは契約者である純一さんの口座です。

そのため、別居の翌月には約40万円というばくだいな金額の引き落としがかかり、口座の残高が減ってしまったのです。

純一さんは銀行に駆け込み、家族カードを解約したのですが、窓口の担当者に「すでに引き落とされた40万円を口座に戻すことはできない」と言われたので純一さんは怒りのあまり、手が震えて止まらなかったそうです。

ほとんどの場合、一度別居した夫婦が元サヤ戻ることはありません

最終的には離婚に至るので純一さんにある程度の知識があれば、「出ていった妻に家族カードを預けておく」のが危険すぎることは前もって分かります。

が、残念ながら、当時の純一さんはまだ妻に対して未練があったので危険を察知することができなかったのです。




最悪の事態を防ぐにはどうしたら良かったのでしょうか?

けんかの末の家出、少しばかりの冷却期間、もしくは離婚前提。

夫婦が別居する理由はさまざまですが、

・妻に預けていたカードをどうすべきか

・一緒に住んでいた家をどうすればいいか

・夫婦で使っていた口座をそのままでいいか

など。

今回は「カードの回収と引き落としの停止」、「賃貸解約のタイミング」、「結婚前後の線引き」という3つの視点で解説していきます(最新刊の167ページより)


1. カードの回収と引き落としの停止

離婚前提で別居するときに大事なのは妻に渡していた夫名義のカード類(クレジットカード、カードローン、キャッシュカード)を回収すること。

そして夫の口座からの引き落とし分のうち、妻名義のものは停止することです。

妻がカードを返してくれない場合は、銀行やカード会社等「紛失した」と申し入れて旧カードを無効にし、新カードを再発行すれば問題ありません

妻にまとまった収入がない場合、離婚協議中であっても夫は妻に対して生活費を払わなければなりません

生活費の金額は「相場」(家庭裁判所が公表している婚姻費用算定表)支払方法は「現金の振込」にしてください。

例えば、「夫のカードを使わせる」という形で生活費を渡そうとすると、金銭感覚のおかしい妻は相場以上の金額を散財する可能性があります。

そして夫が家を出るという形で別居状態に至った場合でも、夫の口座から妻が住んでいる家の家賃、水道光熱費、携帯料金、保険料などが引き落とされていることが多いですが、特に携帯料金はゲームやアプリ等の課金によって膨れ上がっていくので危険です。

このようにカードや引き落としでは生活費が妻の使い方次第で相場以上の負担を強いられるだけでなく、妻が「離婚しなければ夫の金を使い放題」だと勘違いすると、ますます解決は遠のくので厄介です。


2. 賃貸解約のタイミング

妻が家から出ていくという形で離婚協議に発展した場合、現在の住居が賃貸なら、夫はすぐに荷物をまとめて部屋を引き払い、賃貸を解約するのが正解で、妻の承諾は必要ありません。

妻にまとまった収入がない場合、離婚協議中であっても夫は妻に対して生活費を払わなければなりませんが、別居前の住居の家賃を生活費から差し引くことは認められていません。

ですから、さっさと解約しないと夫は「妻の生活費 + 家賃」を負担しなければなりません。

しかも、賃貸の契約者 = 家賃の支払義務者なので、別居中に支払った家賃を離婚時、妻に請求することはできないので、手遅れにならないよう「善は急げ!」です。


3. 結婚前後の線引き



結婚前も後も同じ口座を使っている場合、口座の残高のうち、結婚前の分と結婚前の分が混在しているので、離婚の財産分与として独身時代の財産を請求される危険があります。

もちろん、結婚するタイミングで別の口座を作っておけば安心ですが、現実的には結婚の段階で離婚対策を講じるのは難しいところです。

遅くとも離婚を考え始めた時点で給与の振込口座や貯蓄用の口座を他に用意しておきたいところです

ここまでは夫婦が別居する場合の注意点について解説してきました。

もし「もしかして!」と心当たりがあったり、「あれ?」と引っかかったり、「どういうこと?!」と気になることが1つでもあれば放っておかずに確認するといいでしょう。(執筆者:露木 幸彦)

この記事を書いた人

露木 幸彦 露木 幸彦»筆者の記事一覧 (13) http://www.tuyuki-office.jp/rikon01.html

露木行政書士事務所 代表
1980年生まれ。国学院大学・法学部出身。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7,000件、離婚協議書作成900件を達成した。サイト「離婚サポートnet」は1日訪問者3,300人。会員数は20,000人と業界では最大規模にまで成長させる。「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。読売、朝日、毎日、日経各新聞、雑誌「アエラ」「女性セブン」「週刊エコノミスト」テレビ朝日「スーパーJチャンネル」TBS「世界のこわ〜い女たち」などに取り上げられるなどメディア実績多数。また心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し、累計部数は50,000部を超え、根強い人気がある。
<保有資格>:行政書士、AFP
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