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「専業主婦は約2憶円の損」って言われたので、本当のところどうなのか「専業主婦」が考えました。

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「専業主婦は約2憶円の損」って言われたので、本当のところどうなのか「専業主婦」が考えました。

専業主婦に気になる話題


「専業主婦は約2憶円の損」なんて言葉が巷間を賑わせているとか。

イチ専業主婦としては聞き捨てなりません

いや私とて、育児が落ち着けば再就職してもいいかなと思ってはいるんですよ。

その時に、いわゆる130万円の壁を意識するかどうかは、その時の家計簿にきいてみなければわかりませんが…。まぁこの壁が、将来も残っていればですけどね。

「約2億円」は限りなく3億円に近い

記事の目的は、この「約2億円の損」が妥当かどうかを専業主婦(夫、以下略)の目線から切り込むことです。

ともかく、まずは「約2億円」について点検しましょう。どうやら出処は橘玲氏のようです、厳密には「2億1800万円」です。

氏はこれを、

「大学を卒業した女性が60歳になるまでに得る生涯賃金で、退職金は除いたもの」

としています。

ということは、約2億円って過少申告ですね。損だというのであれば、退職金や厚生年金もプラスせねばなりません。

それに子どもを授かれば育児休業手当金を得ることができます。

これらすべて専業主婦には縁のないものですから、ヘタすりゃ差額は3億円にも届くのではないでしょうか…

やっぱり損なのかもしれない、専業主婦。

「専業主婦になるのが損」なのではない

引き続き「2億1800万円」について検討します。

大学卒業から60歳までということは、38年間ですね。

2億1800万円÷38年間≒574万円

妥当なのかどうか、悩ましい数字ですね。

会社員の平均年収って、いったいいくらなんでしょう?

国税庁の「民間給与実態統計調査」を紐解きます。


≪画像元:国税庁「民間給与実態統計調査」平成26年分

会社員の平均年収

415万円です。

まぁ、これはパート従業員も合わせた数字ですからね、正社員だけじゃないし、少ないのは仕方がない。

非正規労働者の多い女性は除いた数字の方が良いのでしょうか。

男性会社員の平均年収

514万円です。

う~ん、それでも574万円には遠いですね。

まぁ、男性でも非正規労働者やパート従業員もいますから、低いのでしょうか。

574万円に到達するのはいつになるのでしょう。

40~44歳男性会社員の平均年収

564万円。

年齢階層で分けたときの、40~44歳男性会社員の平均年収です。ずいぶん近づいてきました。

女性の平均272万円

この調査によると、男性会社員の平均年収は50~54歳でピークの656万円です。

女性は30~34歳で301万円をつける以外は200万円台以下となっています。

「2億円の損」はどうなるのか

女性正社員の平均年収574万円って、ちょっと高いハードルなんじゃないですか?

男性だって25~29歳では平均年収378万円ですから。

きっとピーク時には年収700~800万円を稼ぐ女性なんでしょうね。平社員なら首都圏の名だたる大企業、そうでなければ中間管理職ってところでしょうか。

ということで、ここで「2億円の損」の論理の飛躍を1点指摘できましょう。「専業主婦が2億円損する」のではありませんね。

「将来有望な女性正社員が離職するのは2億円の損」

なんです。非正規雇用の女性なんて、そもそも論外なんですね。

フルタイム共働きでも妻の家事負担が重いという事実

それでは女性正社員にはどんな生活が待っているのでしょうか?

今度は、マクロミルが平成29年いい夫婦の日(11月22日)を前に行った「共働き夫婦の家事負担に関する調査」を引きます。

この調査によると、男女ともフルタイムであっても夫の家事負担割合は平均して約30%にすぎません。


≪画像元:PRTIMES(株式会社マクロミル)

驚くべきことに、もっとも回答率が高かったのは「夫10% 妻90%」(24.0%)とのこと。


≪画像元:PRTIMES(株式会社マクロミル)

男性は妻が正社員でも家事してくれないんですね…。若い男性ほど家事に前向きなようですが。

ということで、正社員女性はフルタイムならぬ家事とのダブルワークに陥る可能性が高いというのが、わが国の現状のようです。だんだん悲しくなってきましたね。

ここで、もう1つ極端かもしれませんが、雑誌のコラム記事を紹介しましょう。

2017年2月27日に「プレジデント・オンライン」に掲載された森本千賀子さんのコラムです。

2児の母でありながらリクルートの転職コンサルタントの、バリバリのキャリアウーマンでいらっしゃいます。

森本さんが推奨する家事育児と仕事の両立法は、ズバリ10時に寝て3時に起床すること。つまり5時間睡眠です。

これが有名誌に掲載されるのですから、私はこの記事を拝読して以後、キャリアウーマンとはそういう生活なんだと信じています。

家事育児は数字に表れない「仕事」

私がいちばん「専業主婦は損」というご意見に物申したいのはここです。

女性の社会進出が進んでも、日本の家事育児は依然として、かなり高いパフォーマンスを求められているんです。

毎日の掃除洗濯料理に加え、子どもの遊び相手になったり宿題をみたりといった家庭内の「仕事」って、収入には数えませんが決して無価値ではありません


専業主婦はその教育サービスを自家生産している

前述の森本千賀子さんは、同じ記事でお子さまに家庭教師を付けたとおっしゃっています。きっと家庭教師を雇う以上に稼いでおられるのでしょうから、それは当然なのでしょう。

しかし一般的な収入だとそうはいきません。専業主婦はその教育サービスを自家生産しているんです。

橘玲さんは専業主婦は子育ての責任を押し付けられるために塾や習い事に無駄遣いすると言っておられますが、それは違う。

稼がない分、自家生産して消費しないんです。所得税も消費税もかかりません。

毎日長時間いっしょにいれば、わが子の才能のあるなしなんて早々に気づきますよ。(どうせ私の子だし)不相応な塾も習い事も、させません。私と遊んでいれば十分育つ。

女性が社会進出する理想の国では…レンチン、レトルト、お弁当万歳

女性の社会進出という話題では理想のように登場する北欧諸国、特にノルウェーと比べてみましょう。

ノルウェーは、1人あたりのピザ消費量世界一です。イタリアでもアメリカでもないんですね。

なぜか。ノルウェー人は冷凍ピザをたくさん食べているんですって。

夫婦して働いて子どもとともに帰宅し、冷凍庫からピザを取り出してチン。

その間に野菜をむしって切ってサラダの出来上がり。

レトルトソースを湯煎しながらパスタをゆでるパターンもあります。それだけで「いただきます」にすすめます。

夕食がそうなら昼食もしかり。「ノルウェー 弁当」で検索してみてください。

日本人感覚だと、子どもがかわいそうに思えてきます。

反対に、毎日定食屋以上の夕食を手づくりし、(私は作りませんが)キャラ弁なんてものに心血を注ぎこむ日本人の姿は、きっと海外から見ればアメイジングなんでしょうね。


専業主婦も「仕事」をして価値を生産している

ともかく、対価が収入としてはっきり表れないので見過ごされがちですが、専業主婦も「仕事」をして価値を生産しているんです。

けっこうやりがいと歯ごたえのある「仕事」なんですよ。私は選んで就きました。ですから何卒、その分の価値は「約2億円の損」から差し引いてほしいです。

離婚することを考えると、専業主婦は絶対損

さんざん「専業主婦は損」に反論した最後に、専業主婦の大きなウィークポイントを指摘しておきましょう。

それは、離婚後の経済状況です。子持ち専業主婦が離婚すれば、かなりの確率でひとり親世帯になります。

わが国の社会保障制度は企業ベース・夫婦ベースで設計されておりますので、ひとり親世帯は下手すりゃいきなり要生活保護状態に突入します。

これはとんでもないリスクだと言えるでしょう。

ですから本当は、立ち止まって考えるべきなんですね。

「私は会社を辞めようとしているけど、ほんとうに離婚しないと言い切れるんだろうか」

って。結婚や妊娠・出産のタイミングで…。(執筆者:徳田 仁美)

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《徳田 仁美》
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徳田 仁美

関西地方都市在住の30歳代主婦。某私立大学文学部卒。「良いものを長く使う」「不健康が最大の損失」「家族円満は無料で最大の幸福」を心がけて、主婦業を営む。夫の収入で家計を管理する、現在は2児の母。子だくさんでも成立する家計を模索。家計とは別に、結婚前の貯金を株式投資やFXなどで運用する。投資歴は8年程度。最近は新しい時代を作ってくれそうな企業に注目している。 寄稿者にメッセージを送る

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