「医療費控除(病院) vs セルフメディケーション税制(OTC医薬品)」どっちがお得? どっちを選べばいいの?»マネーの達人

「医療費控除(病院) vs セルフメディケーション税制(OTC医薬品)」どっちがお得? どっちを選べばいいの?

セルフメディケーション税制



2017年(平成29年)1月1日からスタートした「セルフメディケーション税制」は、セルフメディケーションの推進を目的としています。

WHO において
「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること」
と定義されています。

セルフメディケーションを推進していくことによって、個々の自発的な健康管理や疾病予防の取組を促進し、医療費の適正化にもつながります

期間限定制度


健康診断などを受けている人が、一定のスイッチOTC医薬品を購入した際に所得控除(医療費控除の特例)を受けられるようにしたものです。

この制度の実施は、2017年(平成29年)1月1日~2021年(平成33年)12月31日と期間が限定されています。

スイッチOTC医薬品とは


Over The Counterの略。

医師によって処方される医療用医薬品から、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用されたOTC医薬品のことです。

「医薬品」はカウンター越しにアドバイスを受けた上で購入できる薬、というところから由来しています。
・ かぜ薬
・ 頭痛薬
・ 胃腸薬
・ 鼻炎用内服薬
・ 水虫・たむし用薬
・ 肩こり、腰痛、関節痛の貼付薬
など、多様な薬が市販されています。


セルフメディケーション税制は「節税」、「時短」の味方


「医者が近くにいない」
「待つ時間が長い」
などの理由で軽症の病気やケガの手当てを市販薬で済ませる人。

・ 少し具合が悪い

・ 花粉症やかぜのように決まった季節症状

などで病院へ行く人。

「スイッチOTC医薬品」利用し、軽度な身体の不調を自ら手当てすることにより、健康や時間や税金の節約に役立ちます

セルフメディケーション税制は
自分の健康を自分で守る人
を応援する制度です。


セルフメディケーション税制の対象OTC医薬品とは

セルフメディケーション税制には、全てのOTC医薬品が対象になるわけではなく、医療用医薬品でも使われている83成分を含む約1,600品目(平成29年11月16日時点)のOTC医薬品が対象です。

なお、対象成分を含有する品目であっても、薬局製造医薬品(薬局製剤)は、セルフメディケーション税制の対象外です。

厚生労働省の ホームページに品目が掲載しているほか、一部の製品(全ての製品ではないので注意が必要)については対象医薬品のパッケージにこの税制の対象である旨を示す【共通識別マーク】が掲載されています。

また、薬局では、コーナーを設け陳列したり、プライスPOPやレシートなどにセルフメディケーション税制対象商品であることを表示するような工夫をされているところもあります。


≪画像元:日本OTC医薬品情報研究会 共通認識マーク≫



セルフメディケーション税制は、従来の医療費控除との選択適用


セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、従来の医療費控除との選択適用ですので、いずれか一方を選択して適用を受けます

セルフメディケーション税制の適用を受ける場合


特例の対象となる特定一般用医薬品等購入費以外の医療費の額が適用下限額(10万円と総所得金額の5%相当額のいずれか低い方の金額)を超える場合であっても、従来の医療費控除を併せて受けることはできません



確定申告も注意


確定申告後において更正の請求や、修正申告書を提出しても、セルフメディケーション税制から従来の医療費控除へ適用を変更できません

従来の医療費控除を受けることを選択した場合も同様です。


セルフメディケーション税制の適用を受けられる方

セルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分に「一定の取組(下記参照)」を行っている方です。

申告される方が取組を行っていない場合は、控除を受けることはできません

1.保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査(人間ドック、各種健(検)診等)

2.市区町村が健康増進事業として行う健康診査(生活保護受給者等を対象とする健康診査)

3.予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)

4.勤務先で実施する定期健康診断(事業主検診)

5.特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

6.市町村が健康増進事業として実施するがん検診


控除額の計算方法と確定申告

セルフメディケーション税制による医療費控除額は、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために実際に支払ったOTC医薬品の合計額(保険金などで補填される部分を除きます。)から1万2,000円を差し引いた金額(最高8万8,000円)です。

2017年(平成29年)1月1日から12月31日までのOTC医薬品購入費用が1万2,000円を超えた場合は、確定申告をします。

申告することで所得税の一部が戻り、翌年度の住民税の負担が軽減されます。

2018年(平成30年)の確定申告期間は、2018年2月16日(金)~3月15日(木)です。


≪画像元:厚生労働省(pdf)≫



【症状:花粉症】病院 VS OTC医療薬

医者にかかった場合とOTC医療薬を使用した場合の費用を比べてみました。

私が、平成29年2月25日から実際に花粉症で通院した時の医療費明細書と保険調剤明細書をもとに作成しています。

OTC医薬品は、価格comで検索、一番価格の安いもので計算しています。期間は16週間(約4か月)の設定です。

病院 4か月の合計1万3,830円





・ 初診時

医療費 9,770円・保険調剤費 3,590円(全額)

3割負担 医療費 2,930円 + 保険調剤費 1,080円= 4,010円(自己負担)

・ 2回目以降投薬のみ

3割負担 420円 + タリオン錠14日分 990円=1,410円(自己負担)

・ 16週間(約4か月)2週間に1回投薬のみの通院の場合

4,010円+1,410 × 7 = 1万3,830円

OTC 4か月の合計1万1,512円


OTC医薬品(アレグラFX・2週間分)で16週間

1,439円 × 8 = 1万1,512円

結果

病院の方が2,318円安い
1か月に580円ほどの差です。


OTC医療薬を賢く活用

今回の検証では「病院が安い」という結果になり、花粉症の薬が一番必要になる約4か月の間では1万2,000円にはなりませんでした。

購入費用は家族全員分や一人でも薬の種類が増えれば、1万2,000円以上になる可能性は高いです。

また、仕事をしていたり、忙しい人は病院に行くよりも薬だけ買う方が時間の節約になります。

私自身は、初診を受けたあと「投薬のみ」で1度通院、その後は診察時間に間に合わないという理由でOTC医薬品を利用しました。

医療費控除は、高額な医療費が継続してかかるときや歯の矯正やインプラントなど健康保険が適応されない治療をしたときでなければ、年間の医療費が10万円を超えることはあまりないです。

セルフメディケーション税制の方がより身近になってます。賢く活用してみてはいかがでしょうか?




OTC医薬品を利用する前に、気をつけたいこと

以下の方は、薬局で購入前や服用後に医師・薬剤師・登録販売者などに相談してください。

購入の際に、お薬手帳など今服用しているお薬やこれからスイッチしようとする薬名がわかるものを持参してください。

1. 医師、又は歯科医師の治療を受けている方、妊娠又は妊娠していると思われる方、授乳中の方など。

2. 服用後、副作用と思われる症状が現れた場合。

3. 一定期間使用しても症状の改善がない。

4. 65歳以上

5. アレルギー体質の方。薬によりアレルギー症状を起こしたことがある方。


だいじなこと

医療費控除やセルフメディケーション税制の活用するときは、以下のことに気をつけてください。

・ 医療費控除のことも視野に入れて、医療費用明細書と領収書、保険調剤明細書と領収書や通院のための交通費、OTC医療品以外の医薬品の領収書も保管する

・ 可能であれば、家族やご夫婦で健康診断など「一定の取組」を行う

・ 医療費控除・セルフメディケーション税制ともに、生計を一にする配偶者その他の親族のために実際に支払った医療費や医薬品費が対象

仕送りをしているお子さんなどにも領収書や明細書を保管するように話しておくとよいでしょう。


健康管理や節約に役立つ



医療費控除やセルフメディケーション税制を活用するために必要な、領収書や明細書を保管することによって我が家では、

・ どれくらい医療費がかかっているかという支出の把握

・ どんな治療を受けどんな薬を飲んでいるか

・ 時期は決まっているか不定期か

など、家族の健康管理や疾病予防への取組もしやすくなっています

無理に支出を抑えるのではなく、症状に合った治療や服薬、病院などを選べるようになっていければ、医療費のムダ使いが減り、適正化にもつながります

賢く活用して、自身の「生活の質(QOL クオリティ・オブ・ライフ)」の改善に役立てましょう。

次回は「医療費控除とセルフメディケーション税制の確定申告を効率よくする方法について」です。(執筆者:京極 佐和野)

この記事を書いた人

京極 佐和野 京極 佐和野»筆者の記事一覧 http://fp-milabo.com/

FPオフィス ミラボ 代表
大阪生まれの大阪育ち、福岡在住です。老後が考えられなかった40代から一変、50代に入ったとたん、あと何年元気でいられるだろうかと考え始め、いつまでという人生のタイムリミットを感じるようになりました。竹内まりやさんの「人生の扉」歌詞のそのものです。後回しにしてきた自宅購入、FPオフィスを起業しました。『お金の知恵』を得ることで50歳からでも始めることもやり直すこともできるということを皆さんにお伝えしたいと思っております。巷の情報に流されず、貴方らしいセカンドライフを実現して下さい。
<保有資格>:CFP/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/シニアコンシェルジュ/シニアライフコンサルタント・損害保険募集人資格・小額短期保険募集人資格

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