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コインチェック問題から考える、これから仮想通貨(暗号通貨)はどうなるのか ~ 仮想通貨の復習から未来予想まで~

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コインチェック問題から考える、これから仮想通貨(暗号通貨)はどうなるのか ~ 仮想通貨の復習から未来予想まで~

コインチェックに預けていた仮想通貨「NEM(ネム)」が消えた… これはまさに銀行強盗にあったということです。

銀行強盗と言ってもジュラルミンケースが消える話ではなく、画面上から一瞬にして数字が消えたわけです。

その額なんと580億円、5分で大半の資金が別口座に送金され、全額が消えたのはたった40分だったそうです。

被害者数26万人。今はコインチェックから引き出しも移動もできないそうです。


消えた580億円は、その後の追跡で、8つの口座に振り分けて抜き取られたことがわかりました。さらにその先も20の口座に送金されています。

数カ国のサーバーを経由して侵入したということで、追跡するのは大変です。

今回は、この盗難事件を検証することで、仮想通貨そのものを、もう一度考えてみたいと思います。

仮想通貨そのものもそうですが、取引所と呼ばれる存在、さらには評価額が乱高下することについてもじっくりと考えていきます。そして仮想通貨の未来について検証してみましょう。

まずは仮想通貨そのもののレビューからはじめます。

あらためて仮想通貨とはなにか


仮想通貨は、ネット上で取扱いされている現実には形としてないもので、画面上の数字だけがその存在を主張しているものです。

そもそも仮想通貨という日本語訳が、その存在を曖昧にしていると思います。

海外では「Cryptocurrency」と呼ばれています。これをそのまま日本語に訳せば「暗号通貨」となります。仮想通貨だと「Virtual Currency」になりますね。

デジタルと言う表現を使えばまだわかりやすいでしょうか。

中央銀行や一般の銀行などではこの表現を用いているようで、この表現のほうが今流通している通貨と対比できそうですね。

仮想という言葉が連想するような現実離れした実態のないものものではなく、ネット上できちんと存在するものです。ここは押さえておきましょう。

議論されるべきは「通貨」という表現が正しいかどうかというところです。

すでに現実の商取引では決済手段として仮想通貨(本来「暗号通貨」と表現したいところですが報道等にあわせてこちらを使います)は使われています。

クレジットカードやプリペイドカードと同様に、仮想通貨は日常で決済時に使われているのです。

この部分も理解しておきましょう。仮想通貨の存在をもう認めましょうね。

情報が入った「カード」を使用せず、スマートフォンを使って決済をするのが仮想通貨です。簡易書留でカードが送られてから利用できるというものではないのです。

スマートフォンがあれば、ネットがつながれば、ネットとアクセスできる端末があれば、すぐに利用できるものなのです。

仮想通貨が求められる社会背景


キャッシュレス社会を目指す一環として、仮想通貨の存在があるとすれば理解できるでしょうか。フィンテックの流れの一部とも言えますね。

キャッシュレスのツールと言えば、SuicaやLINE Payなどの電子マネーがすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。

いま世界的な流れとして、決済現場から小銭をなくそうとしています。さらに、流通の場面で紙幣取引をなくそうともしているのです。

その理由には、世界的に偽造通貨や偽札が横行していることがあります。

日本では紙幣製造技術が優れていて、偽札を作ることが非常に難しいと言われていて、偽札に対する警戒認識がさほど高くないですが、世界では、偽札にはかなり苦しめられています。

偽札ビジネスが北朝鮮の資金源になっているとまで言われ、さらにテロ組織などの活動資金源になっていることが問題とされています。

それゆえ、紙幣そのものをなくすことで、偽札ビジネスを根絶しようという動きが見られているのです。

グローバル社会の中で、日本だけが紙幣決済だけというわけにはいかなくなりました。

東京オリンピック開催による海外観光客に対しても、また世界へのビジネス発信基地としての役割を担うためにも、世界潮流に乗ることは避けられないようです。

街中での分煙運動も同じ論理ですね。

キャッシュレス社会は、新しいインフラ投資を促すとも言われます。決済端末の導入やシステム構築など、内需拡大に貢献するインフラ投資も期待されます。

マイナンバー制度を含め、デジタル管理を行うことは、新しい産業を生み出すことにもつながるのです。

なぜ仮想通貨なのか、その存在意義とはなにか

仮想通貨は中央集権ではない通貨を作ろうというムーブメントから生まれたものです。国家の縛りからの脱却という理想郷を追い求めたものだと言われています。

為替は国家から自由にはなれないことから、仮想通貨は、国家の縛りからの脱却を目指したのです。

理想は素晴らしいが現実が伴わない、今回の事件も含め、どうもそのような感じが見られます。

フィンテックの旗の下、仮想通貨は金融革命の象徴のように捉えられる一方で、自由であることは「もろ刃の剣」でもあります。

今回のような安全性への不安は常に付きまとい、またマネーロンダリング(資金洗浄)に使われることが危惧されています。

仮想通貨は「通貨」となり得るのか


以前マネーの達人に執筆した記事でも説明しましたが、改めて通貨の概念を解説します。

国家が発行する通貨を「法定通貨」と言います。

法定通貨は納税で使える通貨であり、住宅ローン返済にも使えます。食事をしたり物を買ったりしたときに必ず支払いとして使える通貨でもあります。

法定通貨(今使われている通貨)での支払いを、受取り側は拒否できないという強制力があるのが法定通貨です。

仮想通貨は納税やローン返済には使えないし、食事や物販に関しても、受取り側が拒否することができます。強制力がなく、双方合意の前提が必要です。

したがって仮想通貨は、法定通貨ではありません

この概念からすれば、仮想通貨は法的には「通貨」ではないと言えます。

ただ、食事場所や物販、ホテルや病院などで仮想通貨決済を求めているところは増えてきていますし、まだまだ増えてくると思われます。

利便性の意味で、仮想通貨は決済手段のアイテムとして発展すると思われます。

つまり商慣習の上では「通貨」と同等の役割を果たしていると言えます。事実上「通貨」だと言えるでしょう。

仮想通貨での取引は、あくまでも双方間の合意のもとに行われているものです。

契約としての責任は問われるでしょうが、現行法において仮想通貨そのものの存在が通貨として認められていないので、さまざまな問題がでてくると思われます。

仮想通貨そのものの信用はどこにあるのか

今の紙幣がただの紙切れではなくお金として認識されているのは、国が保証しているからです。

国家への信頼があるから、通貨を支払いなり返済なり納税なりの手段として「安心」して使われているのです。

通貨は国家への信頼の上に成り立っているということをよく表している例として、中国国民の行動を取り上げてみます。

中国では金投資が盛んに行なわれています。規制が入る前は中国がビットコインを最も多く買っていました。今は日本人が最も多くビットコインを買っています。

それは中国国民が自国通貨である人民元を信用していないことによる行動だと言われています。中国国家を信用していない表れが金投資やビットコイン購入となっているのです。

では仮想通貨を信用する根拠はどこにあるのでしょう。

それはブロックチェーンという仕組みにあります。仮想通貨を買っている人全員で取引を管理する仕組みが信用されていて、取引手段としての信頼の源となっているのです。

仮想通貨が安全だという根拠は、ブロックチェーン技術にあるのです。

ブロックチェーンにおいての取引は、取引を監視している人が承認を得ることではじめて成立する仕組みとなています。参加者全員が取引を監視し、仮想通貨を守ろうとしているのです。

この全員で取引および履歴を管理することで、仮想通貨は安全だとしています。

この技術は中央銀行や大手銀行でも認められ、各国中央銀行や民間銀行でも、こぞってブロックチェーン技術を活用した独自のデジタル通貨開発に乗り出しています。

マウントゴックスやコインチェックの事件は、ブロックチェーン技術自体の問題ではなく、仮想通貨の管理方法に問題があったのです。

仮想通貨そのものが悪いのではなく、仮想通貨を扱う取引所のシステムに問題があったということです。

技術ではなく、取り扱う人間の問題、倫理の問題のようですね。

いま問われる商行為上の「通貨」としての仮想通貨


さて仮想通貨が「通貨」と呼べるのかどうかに関して、セキュリティの問題は重要な要素となります。

ただ、これは技術的にも改善されるでしょうし、行動規範を厳しくすることで人的障害も解決されると思います。

もっと深いところで、仮想通貨そのものの特性から考えて、法的にはともかく、商行為において「通貨」となれるのかどうかが議論されています。

それは、あまりの価格変動の激しさにあります。

大きな価格変動は、投資感覚では受け入れられますが、モノの価値を保つための通貨としての役割を考えると疑問が残ります。

事実、あまりの価格変動の激しさから仮想通貨を決済手段として取り扱うことを放棄したところもあります。

価格変動によっては、仕入価格よりも売価が下回ることも考えられますからね。

金本位制のときの兌換紙幣のように、金や銀といった実物資産と交換できるのであれば大きな価格変動も容認できます。

また国家保証があるのならまだしも、国家から独立した存在を貫く仮想通貨の趣旨から、価格変動の激しさは、通貨としての立場を自己否定するものになってしまっています。

ただ利便性を考え、また送金等のコストを考えれば、仮想通貨の社会的存在意義は十分にあると言えます。

価格変動のメカニズムは単純な需給だけですから、投機的な価格吊り上げが一段落してから、仮想通貨を商行為での通貨となれるかどうかを考えるべきかもしれません。

この通貨価値の変動をとらえる投資の側面は後述するとして、次に取引所の問題を取り上げます。

取引所とはどういうところか

仮想通貨を購入する、売る場所が取引所です。また、仮想通貨を現物の日本円やドルなどの現実の通貨に交換するのも取引所で行います。

たとえば日本から仮想通貨を購入する際には、取引所に日本円を入金して、相当分の仮想通貨を購入します。

購入と言ってもパソコン上の話で、自分のネット上の口座(ウォレットと呼びます)に数字が刻まれるのです。

仮想通貨を購入するための日本円は銀行口座に振り込み、仮想通貨はネット上で管理されます。

取引所は仮想通貨を管理する上で、セキュリティには万全を期す必要があります。

一般的には、取引所は管理システムにアクセスするためのID等の暗号を二重に設定します。

以下、専門的なことはともかく、あくまでもわかりやすく日常に置き換えて説明しますので、細かいところの表現はお許しください。

重要なウォレット(財布の英語表記で口座のことと思ってください)に複数の鍵をかけます。マルチシグネチャと呼ばれるもので、複雑な暗号を設定します。

そしてそれを解く秘密鍵と呼ばれるものは、オフラインで管理することが一般的です。オンラインだと盗まれる危険性がゼロではないですからね。

オフライン管理のウォレットを「コールドウォレット」と呼び、オンラインのウォレットは「ホットウォレット」と呼びます。

今回のコインチェックという取引所は、マルチシグネチャという二重暗号設置をしていなかったことや、秘密鍵をユーザーのスピード感を保つためにオンラインで管理していたことが指摘されています。

詳しくは後述します。

取引所によっては取扱う仮想通貨は異なります。取扱量も差があります。

コインチェックは日本の取引所第二位の仮想通貨取扱額(第一位はビットフライヤー)で、取扱仮想通貨量は日本一で、マイナーな仮想通貨を取り扱うことで差別化をはかっています。

コインチェック問題は、「マルチシグネチャ」と「コールドウォレット」の問題ということができます。

もっとも「NEM(ネム)」購入者も、自分で管理する際にダブルチェックを設定するなどをしておくべきだとの意見もあり、ネット上での取引のリテラシーの低さによるものだと指摘する人もいます。

この前提を踏まえて、今回のコインチェック問題を検証します。

今回のコインチェック事件について


仮想通貨取引所になるには金融庁の認可が必要です。ローラをCMに起用したDMMやLINEが名乗りを上げていることが話題になっていますね。

認可制になったのはマウントゴックス事件があってからです。この経緯はFX業者の過去とよく似ています。

コインチェックという会社は、マウントゴックスが経営破たんした後にチャンスと思って立ち上げた会社で、業界の間隙を縫って実績を伸ばしてきた会社のようです。

あくまでも会社側の説明ですが、被害を受けた顧客26万人に日本円で返還するとしていて、そのために、約480億円の現預金を保有しているとしています。

被害額580億円だったのが保障額480億円というのは、評価額の目減りを意味しているのかよくわかりませんが、そもそも 日本円で保障すること自体に問題はないのかが問われます。

「NEM」で支払うべきではないのかという指摘もあります。まさに司法の判断に委ねることになるのでしょう。

弁護士の見解といえば、仮想通貨には所有権は存在しないようです。仮想通貨は民法上通貨ではなく、物体性がないため物権の客体とならないという見解のようです。

仮想通貨に関しては、まだまだ法整備が必要で、今回のコインチェック問題が、法整備を急がせるのではと思います。

コインチェック側が現金480億円もの大金を準備できるというのが驚きです。おそらくこれが仮想通貨の世界で言われる創業者利益ではと言われています。

「NEM」ができたころに創業者は相当量保有していて、それが値上がりでかなりの収益を得ているのではないでしょうか。

仮想通貨の価格変動の仕組みは、最初に買ったものが値を吊り上げて儲かる仕組みになっていると言われていますからね。

マウントゴックスのときを思い出してみましょう。

マウントゴクスが2014年に破綻、価格急騰で保有していたビットコインの含み益が債権者に全額返済しても数千億円おつりがくるほど、創業者はビットコインで儲けたと言われています。

そもそも480億円もの大金、仮想通貨で持っているとしたらいつ換金するのでしょうか。

ちなみにマウントゴックスのときの被害額は470億円でした。

コインチェックの問題は、取引所として、前述の「マルチシグネチャ」を設定しなかったこと、その鍵を「コールドウォレット」で保管していなかったことが指摘されます。

さらに仮想通貨の信用の前提になっているブロックチェーン技術を活用していなかったのではという話もあります。

つまり安全だと言われるブロックチェーンの名前を利用してお金を集めて、実際にはみんなで管理しあうブロックチェーン技術を使っていなかったというのです。

コールドウォレットを使わなかった理由は、スピードを重視したからと説明していますが、ブロックチェーンを介する取引は時間が掛かるもので、スピード重視とするなら、取引においてブロックチェーン技術を使わなかったとうこともうなずけるのが恐ろしいですね。

これからの調査を待って真相は明らかになりますが、間違いなく取引所としての過失が問われ、故意であるなら大問題です。

この取引所として当たり前とも思えるセキュリティー上のことを怠ったというところに、いろんな憶測を呼んでいます。

インサイダー疑惑や北朝鮮が絡んでいるなど、いろんなことが言われています。

また「NEM(ネム)」は、たくさん使った人に報酬が出る仕組みになっています。

ビットコインはマイニングという、一番最初の新規取引を承認した人に報酬が出る仕組みになっていて、マイニングには高性能のコンピューターと、それを動かす膨大な電力が必要です。

高額な電気代が払える人しか報酬はもらえないとも言えます。

「NEM」は取引量に応じて報酬を出すことで利用者を集めていました。

「NEM」自体の仕組みにも問題がありそうな気もしますね。

仮想通貨を買う人の心理を見ると…

お金は自由の象徴であり匿名でありたい…


これを言い換えたら、税務署などに管理されたくないという願望につながります。

それは脱税を意味しているわけではありませんが、個人資産をすべて当局に把握されたくないという思いの表れなのでしょう。

年代で言えば30歳代の若い層が多いようです。

そもそもこの仕組みが高齢者にはわかりづらいというのもありますが、彼らはずっとデフレ社会を過ごしてきて、価格変動商品をあまり知らず、投資で儲かるイメージもつかめないでいました。

そこに現れたのがビットコインで、ビットコインの価格上昇で“億り人”になれるイメージを持ち出したようです。

また、誰もがまだ知らないことに先駆けて挑戦して成功する優越感を求めたとか、時代の先端を行っているという感覚が、若者を仮想通貨の世界に引き寄せているとも言われています。

「NEM」の行方は…

ただ今回のコインチェックの事件で、抜き取られた「NEM」の行方をたどることができています。つまりネット上で送金する限り追跡が可能だということを証明したことになります。

通貨に「タグ」が付けて追求することができるということは、どこで何を買ったかがわかるということになります。

今回のコインチェック事件で、仮想通貨が自由の象徴であり匿名性があるということが崩れたわけです。

世の中には、当局が管理できない資産はないということになります。

余談ですが、コインチェック事件で、ハンドルネーム「JK17」というホワイトハッカーの存在が注目されました。

ホワイトハッカーは善良なハッカーという意味で、今回の事件で政府機関から頼まれて、ハッキング技術を駆使して盗まれた「NEM」の足取りをたどっているそうです。

この「JK17」が17歳の女子高生という意味かとネット上で話題になりました。

「Rin, MIZUNASHI (JK17)」というのだそうですが、「JK17」は「自宅警備員17年間」を意味し、通称「みなりん」と呼ばれるベテランのひきこもりハッカーだとネット上で話題になています。

ビットコイン投資貧乏出現

仮想通貨の評価額上昇による利益は雑所得になります。雑所得は、20万円控除後利益には50%の税率が課せられます

昨年末までは、ビットコイン価格は急上昇しました。年始から見れば10倍の上昇となりました。それが年末から今年にかけては急落となりました。

昨年急落前にビットコインを日本円に換えたとします。

たとえば1000万円の利益を確定したとしましょう。その金額でさらなる価格上昇期待でビットコインを買ったはいいが、価格は急落してあわてて日本円に戻したが400万円になったと仮定します。

昨年1000万円を利益確定しているので、これに税金がかかることになります。しかし手元には400万円しか残っていません。雑所得ですから50%相当分は納税しなければなりません。

昨年の儲けがすべて税金に消える、あるいは納税額が足らない人もいるでしょう

この年をまたいでの急落は、税金を考えれば、儲けは幻となっている人も多くいるのではないでしょうかね。

そもそもビットコイン価格急落は各国の取引規制が原因


ビットコインを最も買っていたのは中国でした。理由は前述の通りで、自国通貨不信の裏返しがビットコイン購入になっていたようです。

中国政府は、本土取引所での仮想通貨取引停止や新規仮想通貨公開(ICO)禁止に踏み切りました。

ICO(Initial Coin Offering)は新規仮想通貨公開、企業が資金を調達する際にオンライン上で多くの人から資金を募るクラウドファンディングや新規株式公開(IPO)などに似た仕組みを持っています。

ICOは資金調達をしたい企業が独自に発行した仮想通貨(トークン)を、ネットを通して不特定多数の方に直接販売することができるという点が、従来の資金調達の方法(IPO)と大きな違いであると言われています。

中国は新規仮想通貨発行による資金調達を禁止したわけです。

さらにマイニング事業も規制しました。

新しい取引を一つのブロックとしてくくり、これを既存のブロックでチェーンでつなぎます。そうすることではじめて新しい取引は成立します。

この新しい取引を見つけ出し、チェーンをかけることをマイニングと言います。

世界中の取引の中から新しい取引を見つけ出すには複雑な計算式を解く高性能のコンピューターが必要で、そのコンピューターを常時稼働させるために、多額の電気代が必要になります。

一番最初に新規取引を見つけると報酬がもらえます。マイナーは1ブロックをマイニングした場合、12.5ビットコインの報酬のようで、電気代が安い中国では、このマイニングが事業化していました。

ビットコインマイニングの約8割が中国国内で行われていたのです。

第19回中国共産党全国代表大会で2期目を迎えた習近平・国家主席は、2020年までに汚染防止、金融リスク防止、貧困脱出の3つの重要課題を挙げました。

マイニング業務だけでも、アルゼンチン1国の電力消費量に匹敵するともいわれています。中国では発電は石炭火力が多く、二酸化炭素やPM2.5を大量排出は大きな問題です。

仮想通貨規制は、地球環境の目的もそうですが、習近平氏が掲げる、金融市場のリスク一層の一環とも言えます。

この中国での仮想通貨取引規制も大きいですが、加えて韓国においても、仮想通貨取引の完全停止に向けての法整備を進めているようです。

米証券取引委員会(SEC)での大型ICO差し止めの情報もあります。

ビットコイン取引規制の波は、イスラエルやオーストラリアにも波及していています。

これらの各国の規制が、ビットコインの価格下落の要因となっているのです。

今ビットコインを一番多く取引しているのは日本人です。

ビットコインなどの仮想通貨被害をカバーする保険まで登場

あなたのビットコインを守ります…

「ビットコイン専用保険」という新しいジャンルの保険が続々と登場しているようです。

ビットコインを専用にしていたり、逆に流通量が多いのでビットコインを適用外にしているところもあり、日本円で保障したりと、商品内容はまちまちです。

保障内容は、おもにハッカーにあった被害や、送金エラーや不正アクセスに対応しているようです。

今回のコインチェック問題を受けて、保険会社側の対応も変わるかもしれませんが、保険対象に新しいジャンルが誕生したということになりそうです。

ビットコインに代表される投資としての仮想通貨を考える

ビットコインなどの仮想通貨の価格変動要因は需給です。買う人が多ければ上がり、売る人が多ければ下がります。

ビットコインは、4%の資産家が全体の95%もの通貨を持っていると言われています。この4%の人たちが一斉に持っているビットコインを売れば大暴落するでしょう。

仮想通貨の価格変動は、最初に買った人が儲かるシステムになっています。

ビットコインの生みの親とも言われている「サトシ・ナカモト」は、日本人らしいがイギリス英語が流暢だとも言われていますが、なにより大量のビットコインを保有していると噂されているそうです。

市場と呼ぶにはあまりにも未熟と言えます。

仮想通貨を仕掛けた人たちの投機的な価格吊り上げが一段落してから、投資対象として考えるべきかと思いますが、いまは「欲」が価格を形成しているので入りづらいですね。

ビットコイン先物というものができました。最大15倍のレバレッジがかけられ、売りからも入ることができます。

いま仮想通貨の世界で起こっていることは、最初に買った人たちは十分に含み益を確保できているので、多少の損失では利益確定しません。

逆に途中から買った人、特に直近高値で買った人は投売りか、含み損にじっと耐えるかです。

いずれにしても、今の時点で売らずに持っている人が多いので(含み益と含み損の違いはありますが)、仮想通貨価格自体があまり崩れないでいます。

大きく値下がりしているイメージはありますが、ある程度の価格で維持されると思います。そこで改めて買う人もいるでしょう。

でもほとんどが最初に買った人が売らずに保有していることによる価格維持で、仮想通貨自体の価値が世間に認められているとは言いづらいと思います。

もっと価格が下落して、「欲」の塊を吐き出したほうが良いと思います

投資対象としては慎重になったほうが良いと思いますね。

投資という側面では、各国が仮想通貨取引、規制を強化してくると思われます。

ICOによる資金調達は規制されでしょうし、通常の価格上昇期待の仮想通貨取引も、各国当局による監視が厳しくなると思われます。

投資としての仮想通貨は、その環境は厳しくなると思います。

投資としての仮想通貨に関しては、G20などの世界会議において、規制を含めて議題として取り上げられてくると思います。

仮想通貨の未来像はどうなる…

法定通貨になるかどうかはともかく、日常の商取引において、また送金等の生活の中に仮想通貨は浸透して来ると思います。

それは価格変動がない(例:1通貨=1円に固定)デジタル通貨かもしれませんが、ブロックチェーン技術を活用した、実際に紙幣等を有しない暗号通貨(仮想通貨)は普及すると思います。

為替は国家から自由になれないことから、国家を超えた通貨の必要性から生まれた意義を考えると、通貨の種類は各国独自のものとなるでしょうが、国家間移動はフリーになる仕組みは進んでくると思います。

国家当局の規制がない自由な存在は、いざというときの保障はありません。

規制を恐れず、最低限の通貨としての保障を手にすることで更なる発展を遂げると考えられないでしょうか。

今回のコインチェック問題で、当局が真剣に動き出しました。ここから新しい仮想通貨の世界が始まると思います。(執筆者:原 彰宏)

《原 彰宏》
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原 彰宏

株式会社アイウイッシュ 代表取締役 関西学院大学卒業。大阪府生。吉富製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)、JTB日本交通公社(現(株)ジェイティービー)を経て独立。独学でCFP取得。現在独立系FPと して活動。異業種経験から、総合的に経済、企業をウォッチ、金融出身でないことを武器に「平易で」「わかりやすい」言葉で解説、をモットーにラジオ出演、 セミナーや相談業務、企業労組の顧問としての年金制度相談、組合員個別相談、個人の年金運用アドバイスなどを実施。個人投資家として、株式投資やFX投資を行っている。 <保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP 寄稿者にメッセージを送る

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