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最近なにかと話題のビットコイン
「ビットコイン」とひとくちに言っても、実は世の中には多くの仮想通貨(暗号通貨)が存在します。
まともな仮想通貨もありますが、なかには詐欺に近いようなものまでさまざまです。
モナコインという「変わった」仮想通貨
そんな中、ひときわ異彩を放つ仮想通貨があります。
それが、モナコインです。
このモナコイン、2014年に流通が始まったコインでビットコインやその他のコインとは違った特徴があります。
「モナコイン」の性能はビットコインを凌駕する
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モナコイン、その発祥はなんと日本です。
そして日本ではじめて生まれた仮想通貨です。
日本発祥の仮想通貨ということもあり、所有者の多くは日本人であり、日本語での情報が豊富な点が特徴的です。
もともとモナコインはライトコインをベースに作られています。
プルーフオブワークという仕組みを採用し、「非中央集権的」な形で運用がされています。
「非中央集権的」とは
誰のものでもなく誰の管理下にもないことです。開発者はいますが、管理者・発行者ではありません。
ライトコインとは
ビットコインの欠陥を克服するために作られた仮想通貨で、仮想通貨界で
といわれるほど存在感が高い通貨です。
仮想通貨の基本的な仕組み
仮想通貨はブロックチェーンという仕組みを利用しており、ブロックに取引データを入れて、それをチェーン(鎖)のようにつなげていきます。
ビットコインの1つのブロック(取引データを入れる箱のようなもの)が「10分」なのに対して、ライトコインがなんと「2.5分」です。
1つのブロックの時間が短い分、より速く取引の処理ができることを意味します。
現在、ビットコインの送金に数時間(場合によっては数日)かかることがあり問題となっていますが、ライトコインはその問題を克服しました。
悲しいことですが、上述のメリットから犯罪者のお金のやりとりにビットコインよりライトコインが利用されることも多いです。
モナコインはなんと1ブロック「90秒」
モナコインは、ビットコインはもちろん、ライトコインよりもさらに速い取引処理を可能とします。
さらに、「Segwit」という処理スピードが速くなる仕組みを世界で始めて導入したのもモナコインです。
一方のビットコインではこの技術を導入するか否かでコミュニティが揉めにもめた経緯があります。
また、アトミックスワップ(仮想通貨間の取引が第三者の仲介なしで行える仕組み)にもいち早く対応しており、ふざけた名前とは異なり仮想通貨の中でも性能はピカイチです。
モナコインは「使える」通貨
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もちろん、モナコインはビットコインでできることはほとんどすべてできます。
・ ウォレットをスマホにダウンロードすることで、銀行を介さなくても直接モナコインを送ったり受け取ったりすることが可能
・ 365日24時間いつでも使えて世界中どこからでも送れる
・ ビットフライヤーやザイフなどの国内主要取引所でも24時間いつでも売買できる
ドル円やユーロ円などのFX(外国為替証拠金取引)の場合、土日は取引ができないので、この点かなり衝撃的です。
そんなときでも、相手のQRコード(アドレス)さえ知っていれば送ることができます。
多くの支持者がいる
モナコインは多くの支持者がいることでも有名です。
あのホリエモンこと堀江貴文氏も初期からその可能性に注目し所有していることで有名です。
また、実は多くの著名人(芸能人も)保有しています。
世界最大級ともいわれ入場者数は50万人をこえるコミケでもモナコイン決済を導入してきています。
さらに、モナコインは決済以外の用途でも使われています。
「投げ銭」
モナコインは、コンテンツに対して「投げ銭」として使われることが多い点が特徴的です。
1円に満たない金額を気軽に送ることができ、それが実際にコミュニティ内で行われており、暗号通貨のメリットをうまく利用できている好例です。
「Monappy」
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モナコイン対応のオンライン・ウォレットには、ウォレット機能以外にもさまざまな機能が付与されてます。
・ ユーザー同士が記事やイラストなどの投稿に対して気に入ったものにはチップとしてモナコインを送り合うことができる
・ 商品やサービスなどの出品と購入をモナコインで行うことができる
「Tipmona」
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こちらのサービスでは、ツイッターを利用してチップとしてモナコインを送信することができます。
ウォレットを持っていない人でもツイッターアカウントさえ持っていれば送ることができる便利なサービスです。
どうやってモナコインを手に入れるの?
小額であれば、上述した「Tipmona」などの掲示板でばら撒きを行っている方からもらうことが可能です。
ある程度欲しいのであればビットフライヤー(販売所)やザイフ(取引所)で購入するのが一般的です。
購入したモナコインはスマホのウォレットなどに移して、決済や投げ銭に使用することが可能です。
「円」儲けしか考えていない多くの日本人
去年末から一気にビットコインの存在感が高まり、今では経済ニュースはもちろん一般ニュースでもビットコインの名を聞かない日はなくなりました。
しかし、その内実は「どうやって儲けるか?」という「投機」にばかり注目が集まりそのコインの中身などに触れられることはほとんどありませんでした。
多くのメディアの仮想通貨の扱いは「どうやったら儲けられるか?(円ベースで)」という点ばかりクローズアップされています。
この根底にあるのは、「円>ビットコイン」という図式です。
モナコインホルダーは違います
モナコインそのものが好きで「応援したい」という方が多いのが特徴的です。
つまり「モナコイン>円」です。
モナコインの今後の可能性を信じており、応援している人が多いです。
コミュニティなどで、「価値をあげて日本円がたくさん欲しい」ではなく、「モナコインをたくさんほしい」と発言している人が多いのには驚かされます。
ビットコイン黎明期でもビットコインに対しそういった考えを持つ方は多かったです。
第1次仮想通貨ブームは「投機」、第2次仮想通貨ブームは「実用」
この点に、投機だけではない次の仮想通貨ブームの萌芽が感じられます。
それが、実用です。
投機としての手段だけではなく、上述のように決済に使ったり投げ銭をして「実用」として用いることで通貨としての役割を果たします。
通貨とは結局のところ信用です。
モナコインを使い、モナコインが欲しいという人が増え、モナコイン払いで決済をする事業者が増えれば、モナコインのエコシステムが形成され結果として対法定通貨(円やドル)で価値は増大します。
さらにモナコインは発行総量があらかじめ決まっているため、恣意的に通貨量を増やせる法定通貨と比較して価値が高まりやすいといえます
金も同じような理屈です。金は、地球に限られた量しかないので、歴史上価値を高めつづけています。
そして、このエコシステムが強固なものとなれば、それは「非中央集権的な通貨が通用する」という壮大な実験が成功したものといえます。
仮にこの実験が成功すれば有史以来の大転換です。
現在、しっかりしたコミュニティがあり、投機対象としてではなく「使われている」モナコインは、この実験の先陣を切っている通貨の1つといえます。
仮想通貨投資はものすごくリスキー
まだまだ壮大な実験です。
この実験が失敗に終わって価値がゼロになる可能性も十分にあります。
とくにモナコインの市場規模は、約30億ドルと、お話にならないレベルです(ビットコインの場合1,909億ドルです)。
投機という観点からはとてもリスクが大きい金融商品といえます(その分リターンも大きいが)。
特に資産を形成されている40代以降の方は、過度な期待して多額の金額をベットしないよう注意してください。
本当の資産形成を行う場合は、やはり伝統的な株式投資など(ノーロードのインデックスファンドを積み立てる)をおすすめします。
歴史の転換点に立っている
モナコインに限らず、仮想通貨は実用という点からみるとまだはじまってもいません。
ある中央銀行の要人は「仮想通貨は失敗だった」と発言しましたが、結論を出すにはまだまだ早すぎます。
「インターネットに次ぐ革命となるのか」
「失敗に終わりあらためて中央銀行の発行する通貨の正当性が証明されるのか」
いずれにせよ歴史の転換点に立っているわれわれの未来が楽しみです。(執筆者:国府 勇太)