「人生100年時代」という言葉が定着

つい数年前まで人生80年と言っていたものですが、いつの間にか「人生100年時代」という言葉が定着しました。

人生100年時代

海外の大ヒット著書から生まれた言葉のようですが、平均寿命の延びを考慮すれば、私たちが90歳~100歳といった長寿を想定すべきことは避けられないでしょう。

ここで問題となってくるのが、健康とお金です。

昨今は健康寿命を延ばすことを目指し、早い段階から運動習慣を身に付けるといった活動も提唱されています。

より長く元気で過ごしたいというのは、誰もが願うことでしょう。

健康であれば、介護費用の負担を減らすことができます

セカンドライフの資金計画をたてる上では、健康を維持することが一番の収支改善策です。


健康であれば全くお金がかからないという訳ではない

しかし、健康であれば全くお金がかからないという訳ではありません

ずっと家に引きこもっていれば、お金を使わないで済むかもしれませんが、それでは健康を維持することが難しくなってしまうでしょう。

何かしらアクティブに活動することが、健康を維持することに欠かせないからです。

とはいえ、アクティブに活動する際について回るのが「お金の出費」です。

何度も旅行に行けば多額の費用を使うことになりかねません。

外食や映画鑑賞といった近隣の遊興費も回数がかさめば高額に達することでしょう。

ただ、現役時代とは異なり、老後は「時間が余る」傾向があるため、使おうと思えばいくらでもお金を使う時間があるのです。

昨今、ゲームセンターのコインゲームや1円パチンコに興じるお年寄りが多々みられるのもそのためです。

つまり、私たちの老後のライフプランを考える際に見逃してはならないのが「時間」なのです。

「暇な時間を作らない」

「お金を使わずに時間を消費する」

これらを念頭に、いかに充実したセカンドライフを過ごすのか?

そのための準備を早い段階から行っておくことが大切です。

アクティブシニアの有効な時間の使い方は?

では、アクティブシニアの有効な時間の使い方としてどんなものが挙げられるでしょうか?

それがボランティア、特に地域におけるボランティア活動です。

ボランティア活動

資料1の平成23年と平成28年の比較でみると、現役世代のボランティア行動率が低下しているのに対し、リタイア世代の行動率は高まっています。

加えて、資料2のとおり、「まちづくりのための活動」におけるリタイア世代の行動率の高さが際立っています。

町内会等を通じた活動の結果と予想されます。

まちづくり

これらの数字を見ると、「退職してから、暇に町内会で頑張ればいいや」と思われるかもしれません。

ところが、それほど簡単にいかない現実もあります。

現役世代のうちから町内会等の活動に参加せよ

町内会 現役世代

数十年前から問題視されていますが、定年まで会社務めに専念した人は、その後地域のコミュニティになじめないというケースが散見されるそうです。

特に昨今は、定年延長等により65歳まで働く人も増えているため、ますますそのハードルが上がりつつあるようです。

よって、老後の時間を有効活用するためにも、現役世代のうちから町内会等の活動に参加し、少しずつ地域のコミュニティに溶け込んでおくことが欠かせません

平日に忙しい人が、道路の清掃等で休日に動くのは億劫に感じるかもしれません。

神社のお神輿を担ぐのも疲れるだけに見えるかもしれません。

しかし、今からコツコツとボランティアや人脈を「貯金」をためておくことが、時間を有効活用した幸せなセカンドライフには必要なのです。(執筆者:小山 信康)