戦後2番目に長い景気拡大期に「緊張感」

ゴルディロックス経済

昨年2017年は、世界的に好景気にもかかわらず物価が上がらない

「適温経済」

「ゴルディロックス経済」

「ぬるま湯経済」

などと言われました。

日本経済もこの世界的な「適温経済」、「ゴルディロックス経済」を背景として、景気拡張期間はすでに約5年に及び、「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目に長い景気拡大期となっています。

しかしながら筆者は、今年始めの経済展望セミナーなどで

一見「適温」、「ゴルディロックス」あるいは「ぬるま湯」のとき程、気をつけたいものだ!

と言及して参りました。

久々に緊張感が走った瞬間

昨年来からの「適温」、「ゴルディロックス」、「ぬるま湯」相場に慣れ浸って人々にとっては久々に緊張感が走った瞬間がありました。

2月のはじめに、米雇用統計の堅調な内容を受け経済の力強さが示されたことから国債相場が大きく下げ、株式市場にも動揺が広がりました

そこへダラス連銀のカプラン総裁が「今年3回を超える利上げが必要になる」可能性など示唆し、国債・株式相場ともに下げ足を速め、10年債利回りは一時、2014年1月以降で初めて2.85%を超えたのです。

株式市場では、S&P500種株価指数が前日比2.1%安の2,762.13、ダウ工業株30種平均は665.75ドルの約2.5%も下げて2万5,520.96ドルとなりました。

「ぬるま湯」への警鐘理由(1)

住宅バブル崩壊

筆者が、「ぬるま湯」への警鐘を鳴らし続ける理由の1つは、世界経済の現状がリーマン・ショック前の2005~06年頃と類似しているように感じることです。

リーマン・ショックとは、ざっくり言えば、

過剰債務が作りだした「住宅バブルが崩壊した」ことで、サブプライムローン債権やそれが含まれている投資商品の価値がなくなる

その影響で銀行をはじめとした金融機関がお金を貸し渋るようになり、世界経済全体が大不況に陥った

といってもいいでしょう。

このバブルという点が、現在の「資産価格の上昇がリスクを内包している点」ととても類似していると思えるのです。

例えば、中国でも不動産価格には過剰債務やバブル懸念があり、民間債務/名目GDP比がバブル期の日本の水準さえ上回っている点にIMFなどが警鐘を鳴らしています。

「ぬるま湯」への警鐘理由(2)

2つ目の理由は、言ってみればとてもアナログ的なのですが、人間にとってぬるま湯は基本心地よいものです。

しかしどうでしょう。この「心地よい」という状況が未来永劫続くでしょうか?

筆者は、ネガティブ人間ではないですが、「世の中そんなに甘くない!」と考える質なので、ただ単純にそう思ってしまうということです。

根拠のない話とも言えない

適温は心地よい

アメリカの著名な投資家ジョン・テンプルトンの言葉にも

強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく

とあります。

この「幸福感」というのが、いわゆる「居心地の良いぬるま湯」と考えたら言わずもがな…

「ぬるま湯経済の先」についても想いをはせ、危機管理しておく必要があると思うのです。(執筆者:阿部 重利)