「保険で損したくない!」 その気持ちをターゲットにした保険商品が販売されています»マネーの達人

「保険で損したくない!」 その気持ちをターゲットにした保険商品が販売されています

保険は損だと思っていますか?

保険は損ですか?


保険は損だと思っているアナタ、私もそう思います。

保険で得をすることなんて、ありません。いや、あってはならないと思います。

だって保険は
「相互扶助」助け合いのためのもの
なのですから。

「保険商品」などの言葉があるので、なんだか商売目的で利益が得られそうだと勘違いしてしまいがちですよね。

保険は本来損をするものです。

そのところを、保険のしくみに立ち返るところから考え直してみたいと思います。


保険のしくみ

保険のルーツは海上輸送にあるそうです。もちろん平和な時代のことではありませんよ。

海賊がのさばり、また船舶の性能を船乗りの航海技術で補っていたような時代のことです。

当然、たくさんの商船が航海を完了できず、積み荷が目的地に着かないことがざらにあったことでしょう。

大損害です。怖くて貿易なんてできませんよね。

そこで使われたのが保険


積み荷や船舶に保険をかけておくことで、海賊や嵐の被害に遭うリスクを緩和していたのです。

支払わなければならない保険料は積み荷の販売代金にプラスすれば良いわけですから、商人の懐も痛みません。

ということで、航海が不調に終わったときにでる保険金は、成功したものも含めたすべての船舶(積み荷の購入者)が支払う保険料から支払われるわけですね。

現代人の人生も万が一のことがあります


みんなで集めて万が一の時に使う


事故や病気、そして死。それは決して高い可能性で起こるものはありませんが、起こったときには相当な経済的打撃をその家族に与えるものです。

多くの家族は、経済的なものに限っても、その負担に耐えられません。

だから、みんなで少しずつの保険料を出し合って、万が一のことが起こってしまった不幸な家族に保険金をわたすのです。

必要な保険金は高額ですが、みんなが負担した保険料は少額ではあるものの、負担しているみんなの数が多いので、支払えるというのがポイントです。
みんなが払った保険料 = 不幸な家族が受け取る保険金
はい。ここまでなら、損も得もありません。プラスマイナスゼロですね。

小さな村の相互扶助組合のようなものなら、これだけでも成立するのでしょう。

でも小さな村なら、例えば村中を襲う災害や疫病なんて事態には対応できません。

ですから、保険は加入者が多ければ多いほどリスクが分散出来て良いんです。

保険を大規模に展開すると…


どうしても経費が必要になってきます。

営業員や開発員の報酬、宣伝広告費、事務費など…その分、絶対にマイナスになります。
みんなが払った保険料 = 不幸な家族が受け取る保険金 + 経費

(みんなが払った保険料 < 不幸な家族が受け取る保険金)
万が一のときには支払った以上のお金を受け取れるのでしょうが、それを全体として考えると、経費を消費している分、絶対に損になるというわけなのです。

年金などの公的保険は、税金から補填している分があるのでかなり得だと言えます。


「損しない」保険?

ここまでつらつらと「保険は損」を訴えてきたのは、「損したくない」気持ちをターゲットにして販売されてやいないかと疑問に感じられる保険商品が、リリースされてきているからです。

例えば…
「入院日数が短期間化しているので、日帰り入院から保険金を受け取れます」

保険金をもらえないと損だから…

「特定の疾病だと診断されたその日から保険金を受け取れます」

長期療養が必要なくても保険金をもらえないと損だから…
というようなものですね。

思い出してください


損をしない保険はありますか


保険はみんなでリスクを分け合うものです。

ですから、保険金を受け取れるシーンが増えるということは、それだけ保険料が高くなるということでもあるのですよ。

そして保険金を受け取るということは、決して得なことではありません。ズレてます。

こういった商品は特に医療保険に多いのでしょうか。

・ 入院が短期で済む

・ 診断されても長期療養は必要でなかった

コレとっても良いことじゃあないでしょうか

数十万円の貯蓄があれば耐えられるような、こんなことに保険をかける必要ないと思いますよ。

もちろん数十万円の貯蓄すら無い人は、その限りではありませんが。


「貯蓄型」保険

ならば、個人年金保険や終身保険などの「貯蓄型保険」は得ではないのか、と思われる方もおられるかもしれません。はい。得ではないですよ。

これらの保険とて
みんなが払った保険料 = 不幸な家族が受け取る保険金 + 経費

(みんなが払った保険料 < 不幸な家族が受け取る保険金)
の式から脱するものではないからです。

「返戻率〇〇〇%」のようにお金が増えているから、得をしているのだと誤解してしまうのですね。

生命保険料控除といった減税制度を利用するなら、その分だけ得です。

長期運用すれば、そのくらいのお金は増える


時間をかければお金は貯まる


これらの保険でお金が増えるのは、膨大な時間を味方につけて、保険会社がそのお金を運用しているからです。

ここで重要なのは、長期間運用すればそのくらいのお金は増えるのが普通だということですね。時間にはそれだけ価値があるんです。

そういえば貯蓄型保険は途中解約時すると元本割れしますね。

流動性リスクを契約者に課すことで、時間を確保しようとしています。

増やしたいだけなら何も保険に頼らなくても、投資信託に投資するなり、債券や株式を自分で購入するなりすれば良い。

時間さえ確保できれば、理論上は保険商品よりも増えるのですから。

さらに投資にもNISAやiDeCoのような減税制度が登場していますから、こちらもその分だけ得です。(執筆者:徳田 仁美)

この記事を書いた人

徳田 仁美 徳田 仁美»筆者の記事一覧 (107)

関西地方都市在住の30歳代主婦。某私立大学文学部卒。「良いものを長く使う」「不健康が最大の損失」「家族円満は無料で最大の幸福」を心がけて、主婦業を営む。夫の収入で家計を管理する、現在は2児の母。子だくさんでも成立する家計を模索。家計とは別に、結婚前の貯金を株式投資やFXなどで運用する。投資歴は8年程度。最近は新しい時代を作ってくれそうな企業に注目している。
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