いつも私にツッコみどころと記事ネタを提供してくれる夫の発言です。

「週末は休日出勤で、1万8,000円ももらえるねんで。
家事育児を任せてしまうし、家族でぱ~っと高級ディナー行けへん~?」

もちろん行きません。なぜなら1万8,000円ももらえないから

なぜなのか解説していきましょう。

休日出勤のお話。夫婦の会話

「手取り」と考えましょう

月収や年収だと「額面」、「手取り」という発想になりますが、なぜか人は臨時収入だとそういう発想になりにくいようです。

職場で「手当〇〇円」と言われて、その印象を重く受けとめすぎてしまうからでしょうか。

はい。ということで、わが家には1万8,000円は入ってきません。

毎月いただけるお給料に加算される休日出勤手当は当然、課税対象になるのです。

簡単に計算してみましょう。

所得税10% : 1,800円(復興特別所得税を除く)

こちらは源泉徴収されるので、休日出勤手当が加算される日のいわゆる「手取り」から差し引かれます

私の夫の場合はおそらく今年も10%ですが、所得税は累進課税ですので5%の人も20%以上の人もおられますよね。

住民税10% : 1,800円

こちらは翌年6月~翌々年5月に支払うことになります。

ほら。もうこれだけで

1,800円 + 1,800円 = 3,600円

ずいぶん減るのです。でも、まだ減ります。

4月、5月、6月の収入は社会保険料に影響

4月、5月、6月の収入は社会保険料に影響します

まだ減るのは、それが5月だから

私の夫の勤務先の場合、5月分の休日出勤手当は6月分の月給に加算されて支払われます。

残業手当も同じ。そして4月から6月までの3か月間の収入は、標準報酬月額に影響するのですよ!

標準報酬月額とは、社会保険料算出のためにその人の報酬を等級で表したものなのですが、20万円~38万円までは2万円きざみで等級が設定されています。

1万8,000円の臨時収入は、それが3か月間で平均されるので、月報酬を6,000円押し上げる効果をもちます

もしこの6,000円によって、標準報酬月額の等級が1つ(2万円分)上がってしまったとしましょう。どんなことが起こるのか。

健康保険料(協会けんぽ)4.5% : 990円

厚生年金保険料9.15% : 1,830円

雇用保険料0.3% : 60円

(保険料率は平成30年4月~東京都のもの)

ということで、

990円 + 1,830円 + 60円 = 2,880円

が差し引かれることになります。

勘違いしちゃあならないのは、これが来月だけじゃないということ。1年間毎月なのです!

ですから、

2,880円 × 12か月 = 3万4,560円

が「手取り」から減ることになります。

もちろん将来受け取れる年金額は増えるんですけどね。

その分職場も負担してくれるからトータルではお得なんですけどね。それって老人になってからですからね…。

なお私の夫は30歳代ですが、40歳以降はこれに介護保険料も加わるので、注意しましょう。

「手取り」はむしろ減る!

ということで、夫の休日出勤によって「手取り収入」はどのくらい増えるのでしょうか。

・休日出勤手当 : 1万8,000円 … (1)
・税金 : 3,600円 … (2)
・社会保険料 : 3万4,560円 … (3)
1 - (2+3) = ▲2万160円

約2万円も赤字になるんです。だから、高級ディナーにはいきません。

今回は標準報酬月額の等級をまたぐ想定をしたからなのですが、それにしても余計に働いて手取り収入が減るとは面妖ですね。

休日出勤手当や残業手当のような臨時収入が、毎月コンスタントにあるのであればきちんとプラスになるのでしょうが…

でもそれで体を壊してしまっては元も子もないですし…。

手取りはむしろ減る場合も

「見えない支出」を忘れないで

追い打ちをかけるようですが、私のお説教はこれでは終わりません。

だってまだマイナスがあります。

だってアナタが休日出勤した分、わが家では家事育児というサービスを生産できなかったんですよ。

週末に子連れで出かけてくれることで、料理が好きな私を家事に専念させてくれるアナタ。

そのおかげで1週間分以上のおかずセルフ冷凍が完成します。

それができなかったっていうことは、その分のおかずを買うか食べないかということです。

それはマイナスでしょう。アナタが発作的衝動的にとりかかる、草むしりやフィルター掃除のような自宅の手入れだって、得られませんでした。

アナタが自宅にいることで得られる、子どもたちや私のハッピーだって、それなりにマイナスだったわけですよ。

必要人員がいないという損失は、見えないけれどきちんとあるはずで、それは継続すればジワジワと家庭を蝕むのだろうと思います。(執筆者:徳田 仁美)