サラリーマンにとっての住民税額は5月には決まりますが、退職すると自分で手当てしないといけない場合があります。
税額分の資金を使いこんでしまうと支払いが厳しくなりますが、退職時期によっては前職の勤務先が全て天引きする場合もあります。

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住民税の年度は6~翌5月で前年所得に基づく
住民税額は年単位で決まりますが、例えば平成30年度の住民税は、平成30年6月~翌年5月の単位で給与から徴収されます。
また平成29年分の所得に基づきます。
この5月を末とした年度に基づき、退職後は時期によって納付方法が異なることになります。
6~12月に退職した場合
退職後1カ月以内に転職する場合は、転職前後の勤務先同士で手続きがうまく行けば、給与天引きの状態が続きます。
退職後失業状態になる場合は、原則としては自身の責任で納付(普通徴収)となります。
前年分の課税所得に対して10%かかりますので、前年の所得が大きかった場合に納付しきれなくなるリスクはあります。
ただし例外として最後の給与から、翌年5月までの残額を全て天引きしてもらう「一括徴収」も選択可能です。
計画的に納付できないタイプであれば、一括徴収も考えましょう。
資金繰りが厳しいときには

どうしても資金に余裕が無く住民税を自分で払えない場合ですが、失業者に対して住民税の減免制度を用意している自治体もあります。
自治体ごとに基準は異なります(例えば横浜市では、前年の合計所得金額が420万円以下の場合に活用できる。他の自治体でも前年の合計所得金額に基づく基準)が、活用を考えてみましょう。
減免が使えない場合でも、分納という形で交渉してみてください。無視して滞納すると差し押さえに至る可能性があります。
住民税の納付書が来た後に転職したら
自分で納付する住民税は6月末までに1回払いで納めることも、分割で4回に分けて払うことも可能です。
2回目以降の納期限は、8月末・10月末・1月末です。
一旦自分で払うことになった住民税も、4回目の納期限である翌年1月末までに転職を果たせば、残りの額を勤務先に天引きしてもらうことも可能です。
例えば6月で退職したけど11月には再就職でき、4回目の住民税1万円は給与天引きにしてもらいたい場合は、転職先を通じて特別徴収切替届出書を提出してください。
11月~翌年5月の給与で、1万円が分割で徴収されます。

1~5月に退職した場合
1~5月に退職した場合は、残りの額が少なくなっていることもあり、給与からの天引き(一括徴収)が原則となります。
ただし最後の給与・退職金額より住民税額が上回る場合は、例外として自分で納付(普通徴収)することも選択できます。(執筆者:石谷 彰彦)