2018年5月にマレーシアでは総選挙が行われました。
かつて22年間も首相を務めたマハティールが率いる野党連合が、ナジブ首相率いる与党連合を破ったことにより、61年ぶりの政権交代を果たし、15年ぶりに首相に再登板することとなりました。

1925年生まれで現在92歳と、失礼ながらかなりのご高齢ではあります。
しかし、日本をお手本にした「ルックイースト政策」で国を牽引してきたカリスマ性は衰えず、長年蓄積した政策上のうみを出し切るべく、就任早々様々な政策の実行を発表しています。
まずは、6月1日から「物品・サービス税(GST)の廃止」を決め、「ガソリン補助金の復活」も公約に掲げています。
これらの政策は、庶民の生活に直結するものであるので、目に見えて政権交代の恩恵を受けられることになりそうです。

その一方、前政権時に生じたマレーシアの債務が、公表値を上回る規模であることが明るみになり、財政再建も行う必要性が生じました。
そのために、2026年に開業予定であった、シンガポールを結ぶ高速鉄道が中止という事態になってしまいました。
このような巨大プロジェクトが中止されると、ジョホーバルの開発の先行きも不安になりますし、国内の政治のゴタゴタから、短期的な通貨下落や株安の可能性も高いのかもしれません。
そして現在の財政状態では、国民からはお金が取れないので、我々のような外国人からお金を取るために、今後はMM2Hビザの要件変更や外国人居住の経済的な制限が加わる可能性も否定できないと思います。
しかし9月には、また売り上げ・サービス税(SST)というのが復活するわけではありますが、前述のように、6月からは6%の物品・サービス税(GST)が廃止となり、その間は政策転換のはざまにあるため、なんと消費に関する税金がかからないということになっています。

それは、
観光に行ってショッピングやグルメを楽しみたいと思う我々日本人にとっては、お得なニュースであります。
そこで今年の夏は、
・株や為替もまだまだ回復前の割安な状態
・さらに政権交代記念の「税金サマーバーゲン」が行われる
というマレーシアに、遊びに行ってはいかがでしょうか? (執筆者:田井 能久)