処方される薬は「薬局の場所、時間、曜日」などで値段が変わる。損をしない3つのポイント»マネーの達人

処方される薬は「薬局の場所、時間、曜日」などで値段が変わる。損をしない3つのポイント

多様化する調剤薬局の形態

多様化する調剤薬局の形態


最近、ドラックストアや大手スーパーの中に調剤コーナーができたり、遅くまであいている調剤薬局が繁華街やビジネス街にできたりと、調剤薬局の形態が多様化してきました。

おかげで、時間がないときなど、処方箋を持っていく薬局を選べるので助かります。

実は、処方箋をどの調剤薬局に持っていくか(調剤基本料)やどのようなサービス(加算)をうけるか、またお薬の管理ができるかで、負担するお薬代が変わってきます

調剤医療費を左右する「調剤報酬」


国の平成28年度の医療費は41.3兆円、そのうち調剤医療費は7.5兆円でした。

団塊世代が全員75歳以上となる2025年には、医療費は54兆円、調剤医療費10兆円に膨らむとも言われております。

国にとっても私たちにとっても医療費削減が大きな課題となっています。

調剤医療費を左右する「調剤報酬」は2年に一度見直され、今年2018年4月1日に改定が実施されました。

私たちが支払う調剤薬局のお薬代は、この「調剤報酬」に基づいて、薬の値段や薬剤師の技術料が決められています。

今回改定された内容をふまえて、私たちにとっての医療費削減を見ていきたいと思います。


調剤報酬の仕組み

調剤薬局でお薬代を支払うときにもらう、調剤明細書や領収書に書かれてある点数調剤報酬点数です。

1点=10円となっており、自己負担額は、保険証の負担割合によって料金が決まります。

調剤明細書や領収書の内訳として、
・ 調剤基本料
・ 薬学管理料
・ 薬剤料
・ 特定保険医療材料費
の4つに区分記入されています。

さらに、調剤技術料は調剤基本料、調剤料、各種加算料3つに分類されます。

調剤報酬料


この図を参考に調剤薬代の節約を考えてみましょう。


ポイント1:処方箋をどの調剤薬局に持っていくか

今回の調剤報酬改定によるポイントの1つが、「調剤基本料」です。

これは、処方箋を1枚持ち込むごとにかかる基本料金のことで、薬局の立地や規模などに応じて料金が変わります

・ 薬局の形態には、病院やクリニックなど医療機関の前にある「門前薬局」(日本調剤など)

・ 病院の敷地内にある「門内薬局」

・ 街中にある「小さな薬局」

・ 一般用医薬品の販売と調剤業務をかねた「ドラッグストア」

などがあります。

調剤基本料


3割自己負担の場合


・ 街中の薬局… 120円

・ 門前薬局… 50円~80円

・ 門内薬局… 30円

薬事法では、薬剤師1人当たりの1日応需処方箋数は、40枚までと決められています。

平成28年度厚生労働省による薬局調査では、薬剤師1人あたりの1か月応需処方箋数は、約400枚となっていることから、上記調剤薬局のおおよその規模が推察できます。

処方箋とは


病院や診療所などの医療機関で発行される薬の処方が記載されている書類のことです。

処方箋の有効期間は、通常4日間と定められています。

処方箋が発行された日が1日目としてカウントします。

使用期限は、交付日とともに処方箋に記載されています。

注意ポイント


(1) 有効期間には土日や祝日などが考慮されない

ゴールデンウィークやお盆休みのような連休直前に処方箋を発行してもらった場合は、使用期限内に提出できる薬局が限られることがあります。

(2) 地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算

薬局の体制によって加算されるものとして、地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算があります。

地域支援体制加算(35点:3割負担の場合110円)とは、かかりつけ薬剤師指導料等に係る届出を行っていることなど地域医療に貢献する体制を有していれば、「調剤基本料」の区分を問わず加算されます。

後発医薬品調剤体制加算は、後発医薬品の調剤割合により3段階で評価区分されています。


このように薬局の規模や体制によって、支払うお薬代が変わります

事前に知る方法はないのでしょうか?


調剤明細書をみれば、項目ごとに記載されていますが、事前に知る方法はないのでしょうか?

実は、こういった私たちが負担するお薬代に関連する情報は、店舗内の見えやすい場所に掲示することが義務付けられています

・ 「保険薬局」である旨の標示

・ 開局時間、休業日並びに時間外、休日、深夜における調剤応需体制に関する事項

・ 調剤報酬点数表に関する事項

・ 地域支援体制加算に関する事項

・ 後発医薬品調剤体制加算に関する事項

・ 無菌製剤処理加算に関する事項

・ 在宅患者訪問薬剤管理指導料に関する事項

・ 明細書の発行状況に関する事項

それぞれのお薬代お負担額の差は小さいですが、定期的に調剤を受ける方にとっては、薬局選びもお薬代の節約には大切です。


ポイント2:「どのようなサービスを受けるか?」

薬局でどのようなサービスを受けるか?


時間外・休日・深夜加算


ドラッグストアなど薬局の形態が広がる一方で気を付けたいのが、休日や時間外に対応してもらった時に加算される休日加算又は深夜加算(調剤技術料)、時間外加算(調剤技術料)などです。

営業時間が年中無休や深夜まであいていると、通常の買い物と同じような感覚で調剤を依頼したくなります。

しかし、処方箋の調剤では、法律で定められた「調剤報酬」に基づき加算がつくことに注意が必要です。

時間外・休日・深夜加算


一包化加算


一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいいます。

多種類の薬剤が投与されている場合にしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止するのに役立ちます。

一包化加算は、

・ 処方箋の受付1回につき1回算定

・ 投与日数が42日分以下の場合:一包化を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに32点

例えば:投与日数20日の場合:20÷7=2.8 32×3=96点(3割負担の場合:290円)

・ 投与日数が43日分以上の場合:220点(3割負担の場合:660円)

一包として患者に投与する


重複投薬・相互作用防止加算(薬剤服用歴管理指導料等への加算)


重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、次の内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に加算されます。

ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して加算はされません

(A) 残薬調整に係るもの以外の場合 40点 (3割負担の場合:120円)

・ 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む)

・ 併用薬、飲食物等との相互作用

・ そのほか薬学的観点から必要と認める事項

(B) 残薬調整に係るものの場合 30点 (3割負担の場合:90円)

かかりつけ薬剤師指導料(薬学管理料等)


かかりつけ薬剤師指導料 73点(3割負担の場合:220円)

かかりつけ薬剤師指導は、患者が選んだ「かかりつけ薬剤師」が、医者と連携して、服薬状況を一元的・継続的に把握した上で患者に対して服薬指導等を行うことです。

「算定」には、説明と同意が必要


算定には、薬剤師本人が次に掲げる全ての事項を説明した上で、患者の同意を得る必要があります。

(ア)かかりつけ薬剤師の業務内容

(イ)かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割等

(ウ)かかりつけ薬剤師指導料の費用

(エ)当該指導料を算定しようとする薬剤師が、当該患者がかかりつけ薬剤師を必要とすると判断した理由

・ 患者に対して、かかりつけ薬剤師に希望する事項及び署名を同意書に記載を求めます。

・ かかりつけ薬剤師に関する情報を文書により提供します。

・ 同意取得は、当該薬局に複数回来局している患者に行います。

これらのサービスは便利ですが、別途料金が加算されるので、利用する場合ご注意ください。


ポイント3:お薬の管理はできるか

お薬手帳を活用する


お薬など自分で管理ができる場合はどのように節約できるのでしょうか?

「お薬手帳」を活用する


「お薬手帳」には、いつどんな薬を飲んだのか、今まで使用してきたお薬や現在使用しているお薬の情報が記載されています。

これを、薬局に持っていくことで、「薬剤服用歴管理指導料」が安くなります

「薬剤服用歴管理指導料」とは、薬剤師が、服用履歴や疾患・アレルギー・残薬など患者の体調に関わる情報を収集し、そして記録管理し、患者に服用方法などを指導する報酬のことです。

(1) 原則6月以内に処方箋を調剤基本料1の保険薬局に持参した場合 41点(3割負担の場合:120円)

(2) 上記以外の場合 53点(3割負担の場合:160円)

(3) 特別養護老人ホームの入所者の場合 41点(3割負担の場合:120円)

「ジェネリック医薬品」を利用する


ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許が切れた後に発売されたもので、安全性や有効性は同等のまま、薬の形や苦みを抑えるためにコーティングを施すなど工夫・改良が行われています

価格も先発医薬品の2~7割抑えられています。

また、今年の改定においても、お薬の価格である「薬剤料」が見直され、引き下げられています。

長期間・多数服用されるお薬は、ジェネリック医薬品を希望することで、お薬代の節約できます

余ったお薬(残薬)があった場合はどうするか?


処方されたお薬は、本人が期間内に飲みきるのが基本ですが、継続して服用する場合は、医師に残薬があることを告げることで、処方を調整してくれます。

なかなか医師に話せない場合は、薬局で伝えることで無駄なお薬を減らせます

処方のお薬には、「薬剤料」のほかに「調剤料」がかかりますので、その部分も節約できます。

 関連記事:スマホで簡単な「お薬手帳」 薬の登録は手間いらず、複数人登録可能、アラーム付きなどの便利機能を紹介します。


自分にあった方法を選ぶ

自分にあった方法を選ぶ


無理に節約するというのではなく、自分にあった方法を選ぶということが大切です。

あまりお医者さんにかからない場合


お薬手帳をもって調剤基本料が安い薬局を選べばお薬代の節約になります。

OTC薬品や健康食品も合わせて検討したい場合


ドラックストアを利用すればで買い物やポイントもたまり、効率が良いのではないでしょうか?

定期的に通院され、常時お薬を飲んでいる場合


かかりつけ薬剤師を利用すればいかがでしょうか?

「かかりつけ薬剤師指導料」が3割負担の場合で220円かかりますが、一般にかかる「薬剤服用歴管理指導料」がかかりません。

差し引きすると3割負担で60~100円の負担増ですが、お薬の重複や飲み合わせ、残薬など管理指導してもらえ、結果的に病気の回復が早まることが期待できます。




≪出典:日本調剤≫


医師と薬剤師両方のサポートを、サービスや料金などの仕組みを知ることで、自分に合った利用方法をみつけやすくなり、医療費の節約にも役立ちます。

注:3割負担の算出は、点数×10円×30%で計算し1桁を四捨五入しています。

参考文献: 厚生労働省保険局医療課医療指導監査室「保険調剤理解のために平成30年度」(執筆者:京極 佐和野)

この記事を書いた人

京極 佐和野 京極 佐和野»筆者の記事一覧 (16) http://fp-milabo.com/

FPオフィス ミラボ 代表
大阪生まれの大阪育ち、福岡在住です。老後が考えられなかった40代から一変、50代に入ったとたん、あと何年元気でいられるだろうかと考え始め、いつまでという人生のタイムリミットを感じるようになりました。竹内まりやさんの「人生の扉」歌詞のそのものです。後回しにしてきた自宅購入、FPオフィスを起業しました。『お金の知恵』を得ることで50歳からでも始めることもやり直すこともできるということを皆さんにお伝えしたいと思っております。巷の情報に流されず、貴方らしいセカンドライフを実現して下さい。
<保有資格>:CFP/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/証券外務員2種
【寄稿者にメッセージを送る】

今、あなたにおススメの記事
本サイトの更新情報をfacebook・Twitter・RSSでチェックしましょう
多様化する調剤薬局の形態
この記事が気に入ったら、いいね!しよう

このページの先頭へ