「IR整備法」が成立

日本にもカジノができる

7月下旬、特定複合観光施設区域整備法、通称「IR整備法」が成立しました。

この法律によって、日本にもカジノが作れるようになります

カジノの設立は維新の会の肝いり政策ですから、やはり日本第1号のカジノは大阪なのでしょうか。

観光資源が豊富な関西ですから、カジノの設立でまた大きな客引き要素が増えるのは良し

新しい物好きの関西人ですから、多くの方がカジノに1度は行くのでしょう。

カジノはギャンブルをして遊ぶところ

「スッカラカンな人が巷にあふれる」

という、治安の悪化を心配する声も聞こえます。それは困る。

それでは、カジノって儲かるのでしょうか。

いや、あらゆるギャンブルは胴元が儲かるような仕組みになっています。

それならカジノって、他のギャンブルに比べて損しにくいのでしょうか。

考えてみようと思います。

人生を変えるカジノ

カジノで人生が狂う

106億円。

これは大王製紙の井川元会長がカジノで失ったお金です。

彼はこの賭け金を作るために関連会社から不正な借り入れをしたことで、2011年に特別背任で逮捕

3年2か月の服役後、2016年末に仮出所しています。

と、のっけからカジノの怖い話をしました。

立派なお金持ちの人生を狂わせていますね。

私たちは100億円も賭けることはできませんが、それでも人生を破綻させるリスクがあるのは同じ

やはりギャンブルには注意して当たらなければなりません。

カジノの胴元はどういう仕組みで儲けている?

そもそもカジノってどうやって運営しているのでしょうか?

カジノの代表的な遊び、ルーレットを例にとりましょう。

ルーレットの周には1~36に加えて0と00の数字が並んでいます。

そしてそのどの穴に入るかを当てるんですね。

当たったときの倍率は36倍。

入る確率が同様に確からしい38つの数字からどれに入るかを当てるので、当たる確率は38分の1

にもかかわらずリターンは36倍なわけです。

損ですね。

この

(38-36)÷38 ≒ 5.26%

が胴元の取り分になります。

他にも

・ 数字2~6つに同時

・ 奇数or偶数

・ 1~18or19~36

・ 赤or黒

にかけるなどの方法もあります。

やはり同様に5%強の胴元の取り分が設定されています。

ですから、初めの数回なら勝ち続けて儲け続ける可能性もありましょう

しかし賭けの回数を重ねるごとに確率が収斂されていきますから、極限まで賭け続けるなら、負け越す理屈です。

ルーレット

公営ギャンブルとの比較

それでは2つ目の問いです。

ルーレットの場合、胴元の取り分5%強(他のカジノゲームにはこれより低いものもあります)は、他のギャンブルと比べて高いのでしょうか?

公営ギャンブルと比較してみましょう。

カッコ内は法律が規定する胴元の取り分の範囲と、その法律です。

・競馬:25.9%(投票金額により、18~26.2% 競馬法)

・競艇:25.2%(20~25% モーターボート競走法)

・競輪:25.0%(25%以内 自転車競技法)

・オートレース:25.2%(25%以内 小型自動車競走法)

・宝くじ:54.3%(50%以上 当せん金付証票法)

おお。いずれもバカ高ですね。

宝くじ・公営競技・サッカーくじの実効還元率

宝くじ・公営競技・サッカーくじの実効還元率

≪画像元:総務省 宝くじ・公営競技・サッカーくじの実効還元率(pdf)≫

公営ギャンブルはおおむね4分の1が胴元の取り分になっています。

宝くじなんて、法律自体が胴元ボロ儲けを規定しています。

まぁ、政府が国民からお金を巻き上げるための仕組みなんでしょうね。

税金を納める気持ちで遊ぶ

ということです。

これと比較すると、カジノの5%ってすごく低い

関西人としてはもっと高く設定しなくて良いのかしらなんて、反対の不安がわいてしまいます。

カジノと公営ギャンブルの仕組みの、もう1つの違い

なぜカジノがたった5%でも儲かるのか。

その秘密は、どうやら賭けの回数にありそうです。

例えば競馬の場合、1日原則12レース。

つまりどんなに競馬を楽しみたい人でも、1日には最大12回しか賭けられません。

反対に言えば、12回賭ければ1日中楽しめる遊びなんですね。

宝くじなんて1回勝負ですが、この1回のために何日も楽しみ続けることができます。

ルーレットはわずか数分間で終わり

元手があれば、数時間かければ100回賭けることだっていとも簡単なわけです。

計算してみましょう。

競馬の理論的払戻率を75%、ルーレットのそれを95%とします。

75%×12回≒3.17%

つまり競馬で全レース全種類の投票券を購入し続ければ、理論上元のお金は1日が終わった後には3%強にまで減るということです。

ぎょっとする数字ですが、これが理論上の現実です。

それではルーレットで同じ割合にまで元金が減るのは何回目になるでしょうか

95%×67回≒3.22%

95%×68回≒3.06%

うん。たった68回目で、ルーレットの負け金割合は競馬の1日の負け金割合を上回ります

つまり、競馬とルーレットを比べてルーレットを選ぶのであれば1日67回までにしましょう、ということです。

どちらも約3%にまでお金は減りますが。

やっぱりギャンブルって、儲からないんですよ。

何のためのカジノ入場料か

カジノの入場料

ところで今回成のIR整備法で新設されるカジノでは、入場料は6,000円にするというところまで決まっているようです。

この6,000円が曲者です。

「これだけの入場料を払ったんだから、たくさん遊ばなきゃあ損」

なんて思ってしまいそうじゃあないですか?

海外のカジノではドリンクが無料というようなこともあるらしいので、そういう意味では「元を取らなきゃ損」はアリなのかもしれません。

でも飲むためには時間が必要です。

そしてカジノはお金をかける遊びをするところ。

何もせずにドリンクだけ飲む…。できませんよ。

入場料を考えると「たくさん滞在して遊ばなきゃ損」なんです。

でも勝とうとすれば「たくさん遊ぶと損」なんです。

サッと勝ってサッと帰るのがカジノで勝利する近道なのですが、せっかくなかなかの入場料を払ったし…となってしまいそうです。

うん。お客を負けさせるための入場料なんですね。

考えた人、賢いな~。ということでカジノ、出来たとしても浪費を美徳と考える海外からの富裕層のためのものです。

地元民には堅実に、手を出さないことを私は望みます。(執筆者:徳田 仁美)