【読者の質問に回答】「再婚後、生活が精一杯です… 税金、国保、養育費など負担を軽くしてもらえますか?」

再婚後の生活が精一杯なときの負担の軽減策は?

読者の方から質問をいただきました。

再婚し元妻と3人のお子さんに養育費を支払っている男性から質問です。

「再婚し、現妻は去年の12月に妊活の為に退職し、2月頃に東京から埼玉に引っ越しました。

今年6月頃からとても高い国民健康保険や住民税納付書(私の住民税が月9万円、妻住民税は月7万円、国保が月5万円の請求)が届き、貯金を崩して何か月分か払ってきました。

元妻は子供3人と海外在住、養育費は月15万送金しています。

現妻は妊活の為2月に仕事を辞めているので、稼ぐのは私1人です。

前妻と子供が海外なので前妻は児童手当を貰えず、私は養育費送金があり、子供がまだ15歳以下なので扶養控除にもなりません

負担を軽減する法律はないのですか? 私は、どんな事ができますか?」

子ども3人の養育費が負担

という内容(まとめたり、言い方に変更あり)です。

現妻は妊活で退職とのこと、確かに妊娠活動自体は費用が100万円以上かかることもザラです。

極力、税金や国保保険料を節約できれば…と思うお気持ちはわかります。

住民税、国民健康保険料、児童手当、養育費、それぞれどのように金額が決まるのか見直すとともに、重い負担から軽減される方法はないか考えてみましょう

住民税は前年の所得が基準で決まる。

住民税は、前年1月1日の住所の自治体から、前年の所得税によって計算されます

従って、2月に引越ししているので、1月まで居住していた東京都から前年の所得税に基づいた住民税が請求されます

今年6月にこの男性の月額9万円の住民税から、前年の年収は約1,400万円。

現妻の月額7万円の住民税から現妻の前年の年収は約1,150万円と推測されます(東京都渋谷区で計算)。

住民税の減免制度とは?

住民税には、減免制度があり以下のようなケースで減免を受けることができます。

・ 震災、水害等の天災、火災、交通災害等の人災で家が全壊したり、納税者が死亡したり、特別障碍者になった場合(前年所得が1,000万円未満の人)。
・ 会社員が退職、または病気や怪我による休業廃業などで所得が減った場合(前年所得が300万円未満の人)。
・ 生活保護のうち生活扶助を受けている場合。
・ 少額所得者。
・ 学生又は生徒の場合。

住民税が免税の対象になるのは?

残念ながら、推測される現在の妻の給与(年収850万円から約1,150万円?)この男性の給与(年収950万円から1,450万円?)、だと所得要件で減免制度から外れてしまうでしょう。

「養育費を支払っている」というのは減免の対象外だそうです。

妊活目的で現妻が会社を辞めたなら「自己都合」となっている可能性も高く、前年所得も高そうですし、夫婦とも減免制度を活用できる可能性はかなり薄いでしょう。

国民健康保険は家族の頭数で決まる

2月に引越ししたとのことなので、引っ越し後は埼玉県で国民健康保険に入り、国保保険料を払うこととなります。

国民健康保険は、おそらく現在の妻の支払いでしょうか。

現妻は元会社員だとすると、退職後失業等給付をもらえる可能性もあり、失業等給付を受けている期間は健康保険で夫の扶養には入れません

6月に月5万円の国保保険料が請求されてるとのこと、現妻の年収は約840万円と推測されます(埼玉県さいたま市、40歳未満で計算)。

おそらく自己都合退職の扱いになっているのでしょう。

会社都合退職だと同じ年収でも減免してもらえる可能性があります

もし妊活だけでなく退職理由に会社都合もあるのなら、市区町村役場で掛け合ってみる手はあります。

ただ、その際は夫の年収も加味されることはお忘れなく

現妻は失業等給付を受け終わったら、夫が会社員なら健康保険の扶養に入ることも可能です。

もし妊活中の現妻が埼玉のハローワークで「働く気がない」と見なされ、失業等給付を打ち切りになったとしても、その時点で夫の健康保険の扶養に入ることはできるでしょう。

扶養に入る以前の国保保険料は支払わなくてはなりませんが、夫の健保の扶養に入れば、国保保険料も健保料も現妻が支払う必要はありません

国民健康保険の軽減制度とは?

平成30年度の国保保険料の軽減は、平成29年3月31日以降に退職した人で、雇用保険の特定受給資格者又は特定理由離職者(会社都合またはやむを得ない理由の退職者)として失業等給付を受ける人が対象です。

所得による国保保険料の軽減措置を受けるためには、世帯の国保加入者全員の所得の確認が必要となります

保険料2割軽減で「33万円 + 50万円 × 国保人数」なので、この男性と現妻の所得が世帯合計で133万円以下なら、現妻の国保保険料は軽減されることになります

この男性の養育費や住民税の額からもっと高所得が推測されるので、国保保険料を軽減してもらえる可能性は住民税と同じくかなり薄いでしょう。

児童手当・児童扶養手当、海外にいるともらえない

元妻達が海外に住んでいる

児童手当は、15歳年度末までの子供の保護者が受け取る手当、児童扶養手当は、18歳年度末までの子供の保護者が受け取る手当で、いずれも所得制限があります。

ただし、児童手当も児童扶養手当も、子供が日本国内に住民登録をしていて、実質的にも国内で生活していることが条件です。

例外として、教育を目的とした3年以内の海外留学で保護者が子供と同居してなければ手当の対象となります

元妻はこの例外には当てはまらないので3人分の児童手当も児童扶養手当も受け取ることはできません

ただし、これらの手当を元妻が受けっているか否かは、養育費の額とは関係がありません。

養育費は下げてもらえるの?

養育費は別れる夫婦の合意によって決まりますが、基準額はあります。

裁判所の養育費算定表(主に東京・大阪で使われる)によると、養育費は受け取る権利者(元妻)と義務者(元夫)、それぞれの年収によって決められます。

例えば、15歳未満の子供3人を引き取る元妻が給与で年収300万、元夫が養育費を相場通りに支払って月15万なら、元夫の年収は給与なら1,075万から1,175万円ほどと類推することができます。

(東京・大阪の裁判官の共同研究の結果より(pdf) 養育費・婚姻費用算定表 表6参照

もし、元夫の年収が1,075万円より低いなら、相場より多い養育費を払っていることになりますが、「相場より高い養育費を払っていた。」という理由だけでは、養育費を減額してはもらえません

また、元夫の年収が1,175万円より高かったら、元々相場より少ない養育費を支払っていることになりますね。

ちなみにもし元妻の給与が年収1,000万で元夫が相場通りに月15万円なら、元夫の年収は約1,300万から1,500万と推測できます。

子供3人と一緒に海外で暮らしているという元妻、そのくらいの年収である可能性もありますが、実家の親が海外にいて一緒に住んでいる可能性もあり得ますね、実態はどうなのでしょう。

もし、元妻が年収約100万円なら、元夫からの養育費が月15万円ということは、元夫の年収は約900万円から1,000万円ほどと推測できます。

元夫が年収1,000万より高収入なら、相場より安い養育費ということになるのです。

ただし正当な理由があれば養育費は、減額を申し出ることもできます

例えば、支払う元夫の収入が減ったり、再婚して扶養家族が増えたり、受け取る元妻の収入が増えたり、元妻が再婚して子供と養子縁組した場合等です。

今回の場合、元夫は再婚して扶養家族が増えていると言えます。

現在の妻は退職して妊娠活中とのことですが、請求された住民税が月7万円とは、去年はかなりの年収だった(国保保険料も加味して年収約840万円から約1,100万円と推測されます。しかも失業等給付をもらっている可能性があります。)

現在の妻はまだお子さんはいなくて、元妻とは3人の子供がいるわけですが、

「元妻の年収が増えている」

「元妻が元夫より裕福な男性と再婚して3人の子が再婚相手の養子となった」等

事情が大きく変わらなければ養育費の減額は難しそうです。

「現在裁判所で相場とされている養育費は低すぎる。」と日本弁護士会は主張していて、近い将来、養育費の額は現在の1.5倍になるとも言われています

その流れだと現妻との状況ですぐに養育費を減額してもらうのは余計難しそうです。

どうしても減額を考えるなら弁護士と相談した方がいいでしょう。

結論

軽減してもらえる可能性はかなり低い

現在の減免制度等に基づいても住民税、国保保険料の減免、養育費の軽減も難しいのでは?

ご夫婦それぞれの住民税、国保保険料、養育費からご夫婦の前年の収入を推定し、当てはまりそうな減免制度等を探ってみたのですが、税金や国保からの請求を軽減してもらえる可能性はかなり低いでしょう

養育費を下げてもらう交渉はできるのですが、元妻が了承する可能性は低いかもしれません

現在の妻1人とは言え、元夫は扶養家族が増えているので、どうしても養育費を下げたい場合は、家庭裁判所まで持ち込まれる覚悟もした方がいいでしょう。

元夫が会社を退職する、病気や怪我で働けないなどの理由があれば養育費は減額も認められやすいそうですが、「養育費逃れ」のために退職しても養育費の支払いは免れないとのことです。

この男性にできることは

・弁護士に相談してみる

・もしくは、家庭裁判所に申し立ててみる

・現妻との妊活を成功させ、扶養家族を増やし、養育費減額の理由を増やす

ことでしょうか。

住民税や国保保険料については、去年現妻が退職したばかりとのこと、今年は確かに大変だと思います。

住民税も国民健康保険も前年の収入や所得税によって計算されるものです。

今年は現妻が退職していて、所得らしい所得もなく、税金上も社会保険上も夫の扶養になるでしょうから来年からは現在の妻にはかからないでしょう

夫も配偶者控除が使えるので、来年はもっと負担が少ないことでしょう

「負担がきついのは今だけ」と今は、耐え忍ぶ? のも一つの方法ではないでしょうか。(執筆者:拝野 洋子)

この記事を書いた人

拝野 洋子 拝野 洋子»筆者の記事一覧 (161) http://haiyo-fpshakaihoken3107.me/sabisu/

年金・保険・家計の節約術専門家 ファイナンシャル・プランナー
(上級資格のうちライフ、保険、タックス、相続を科目合格)
大手地方銀行にて外国為替、内国為替に携わる。税理士事務所にて、社会保険、助成金申請代行、損保代理店業務、行政書士補助、記帳代行などの業務に携わる。400件以上の電話年金相談に対応。東京都中央区で算定相談員、川崎市で街頭相談員、社団法人の労働施策アドバイザーを経験。趣味はクラリネット演奏 音楽鑑賞 読書。25年4月よりオールアバウトガイド 
<保有資格> 社会保険労務士、FP技能士2級、AFP、日商簿記2級
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