大規模な災害が続いています。
商業施設では「防災グッズ」の催事が行われ、連日たくさんの人が訪れています。
しかし、多くの人が手に取っている防災グッズは、家具を固定する金具や非常食なのです。
確かに家具を固定することは、地震対策の第一歩です。非常食も大切でしょう。
しかし、どちらも大災害が発生した時や直後を乗り切るための防災グッズです。
大きな災害がおきた後には片付けや給水車に並ぶ日々が待っています。
「それらの日々を乗り越えるまで」を考えて防災グッズを準備しておくことが必要なのではないでしょうか。
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しかし、防災グッズの催事場にやってくる人の買い物カゴをみていると、意外と商品が入っていません。
おそらく原因は、一つ一つがとても高価だからでしょう。
家具を固定するグッズは、1セット3,000円以上が多く、家中の家具をすべて固定したら数万円になるでしょう。
さらに非常食は1つ350円程度であり、日常の食費を節約しながら生活している主婦にとっては痛い出費です。
それでも家具は固定しなければならないし、非常食も少しは準備しておきたいと考えて、思い切って買い物カゴに入れています。
そんな状態で、災害がおきた後に備える防災グッズまで手が出せるわけがないのです。
今回は、災害がおきた後に必要になる防災グッズをできるだけ安く揃える方法についてお話しします。
目次
目を守るなら 1番の「災害用ゴーグル」じゃなく作業用の「セーフティゴーグル」をねらえ
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大きな災害がおきた後の空気は、ほこりっぽくなります。
水害では、泥が乾くと目に泥の粒が入ってくることもあり、地震の後は割れたガラスや破片が飛ぶこともあります。
そんなときには、目を守る「ゴーグル」が役立ちます。
大きな災害後は断水になる可能性が高いため、目にゴミが入ってもすぐに洗い流すことができないかもしれません。
ゴーグルをつけて目を守ることが節水にもつながっていきます。
ゴーグルといえば水泳用の水中メガネを代用しようと考える人もいるでしょう。
しかし、水中メガネはレンズ部分が小さいため、視野がとても狭くなります。
災害用のゴーグルも市販されていますが、どれも1つが2,000円前後です。
4人家族とすると、ゴーグルだけで8,000円以上もの出費になります。
しかし、ホームセンターで売っている作業用の「セーフティゴーグル」ならば、1つ200円以内で買うことができるのです。
ホームセンター大手のビバホームでは、「LIXILビバ」を販売元とする商品を販売しています。
自社の系列で作っているため、価格が抑えられています。
LIXILビバの「セーフティゴーグル」は、1つ167円(税込)ですが、ポリカーボネイト樹脂を使った本格的なゴーグルです。
しかし、このセーフティゴーグルは防災グッズ売り場にはありません。
土木関係者が訪れるワーク用品売り場にあります。
つまり、一般の人は「防災グッズは災害用品売り場で買う」と考えがちですが、売り場へのこだわりを捨て、「災害用」という言葉がつく「災害用純正」へのこだわりを拭い去ることで、本格的なものを安く揃えることもできるのです。
足を守るなら 1番の安全靴じゃなく「踏み抜き防止のインソール」をねらえ
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水害や地震のあとは、道に釘やがれきが散乱しています。
スニーカーを履いて歩いていても釘や鋭利なガラスの破片は貫通してしまうこともあるのです。
普段ならば病院に駆け込むこともできますが、災害直後は病院も被災しているため、治療がすぐに受けられるかわかりません。
ただでさえ大変な状況で足裏をケガしてしまっては大変なことになります。
できれば、安全靴を履いて歩いた方がいいでしょう。
安全靴とは、工事現場で釘の踏み抜きを防いだり、落下物から足を守ったりすることができるように作られた靴です。
しかし、災害に備えて家族分の安全靴を買いそろえることは経済的にも難しいでしょう。
とくに子どもの靴のサイズは変化するため、せっかく買った安全靴が無駄になってしまうこともあるのです。
そんなときには、「踏み抜き防止」のインソールを用意しておくといいでしょう。
インソールは、はさみで切って使うことができるため、数年後でもサイズを気にすることなく使うことができます。
給水所まで「釘が刺さるかもしれない」と心配する必要なく歩けるだけでも助かるでしょう。
「踏み抜き防止」のインソールは、さまざまなメーカーから販売されていますが、どれも900円から1,000円前後です。
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手を守るなら! 2番の軍手じゃなく1番の「高耐切創性手袋」をねらえ
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今までは「1番じゃなく2番をねらうことで安くそろえる方法」を紹介してきました。
しかし、手だけは2番ではなく1番をそろえたほうがいいでしょう。
なぜならば、手を守るために軍手をしたとしても、細く尖ったものは生地を貫通します。
革製の手袋を使ったとしてもガラスを触ってしまったら切れてしまうでしょう。
しかも、革製の手袋は高価です。
1万円以上する革手袋を使うのならば、手を守るように作られた「高耐切創性手袋」を買った方がお得になります。
「高耐切創手袋」は、災害グッズ売り場で探すよりも、ホームセンターの土木用品売り場で探したほうが本格使用の手袋を安くみつけることができます。
安いものならば1,000円前後からあります。
災害に備えるための出費は、災害がおこらなければ無駄な出費になるかもしれません。
しかし、いざ災害がおきてみると「値段はいくらでもいいから欲しい」と誰もが思うのではないでしょうか。
必要がないときに買いそろえておくことで、いざというときに定価よりも高く買わなければならない事態を回避することができるのです。(執筆者:式部 順子)