ダメ人間を経験したからこそ「大丈夫!」と言える ~お金のプロ横山光昭さんに聞く「私のお金の失敗談」

お金をためられない人の気持ちがわかるFP

家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは言います。

「「お金を貯められない」とか「ダメだとはわかっているのに、どうしても使っちゃう」という人の気持ちがわかること。そこが、僕の一番の強味です」

え!!? 今、最も勢いのあるファイナンシャルプランナーの一人、横山さんでも、お金に失敗したことあるんですか?  

横山さんのプロフィール

≪横山光昭さん:家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー≫

株式会社マイエフピー代表取締役。

お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで1万人以上の赤字家計を再生。

書籍・雑誌への執筆、講演も多数。

「彼女の貯金を勝手におろして使っていました」

―横山さん、そんなにダメだったんですか?

大学浪人時代、ギャンブルにハマっていました。

お好み焼き屋でバイトをして稼いだお金を、パチスロで2、3日でスッってしまう。

朝からパチスロ店の前に並んで、開店と同時に店に入る。

(以下、「朝一でパチスロ店に入店する良さ」を熱く語ってくださいましたが割愛)

とにかく、お金が欲しかった。

パチスロで勝つと、人に奢ったりしてガンガン使っちゃう。

負けてもやろうとするから、本当にタチが悪いですよね(笑)。

―でも、負けたらお金がないですよね? お金はどうやって調達するんですか? 

(隣室にいる奥さまに聞こえないような小声で)借りていたと思うんです、あの人に。(と、隣室を指さす)。

まあ、ヒモです。

ずっと彼女の部屋に住んでいたし。

―お金がない相手に、奥さまは、貸してくださるんですか?

(小声で)まぁ、貰うっていうか? 

「借りる」という気分でお金を受け取っていますが、返済できないので結果的には貰っていますよね……。

いまだに、その頃のことで怒られます。

ものすごく金利がいい時代に彼女の貯金を勝手におろして使っていましたから。

「失敗してきた人だからこそ、学べた」

―それって、本当にダメですよね

でも、だからこそ、「貯められない」とか「使っちゃう」という人の気持ちがわかるんです。

そこが、一番かもしれない。

僕は、今だって、お金があったら、あるだけ使ってしまうタイプの人間です。

人間としての基本の部分は、そう変わらないですよ。

けれども、入ってきたお金を全部使っていたら、やりたいことができなくなる、ということは、経験的に気がついてきた。

だから、「メリハリつける」とか、「いい使い方をしよう」とか、そういうことを考えるようになったんです。

自分も含めて、「失敗してきた人」だからこそ、学べたことってあると思うんです。

失敗から、学ぶ。

僕には、それがあるから、何とか今までやってこられたのかな? というのはあります。

「正直、僕は、ダメな人の方が燃えますね」

そこから挽回できる、やり直せるっていうのが、わかっていますから。

「よっしゃ、きた。やったるで!」みたいな(笑)。

うちのお客様は、生き方下手って言ったら語弊があるかもしれませんが、真面目でいい方が多いんです。

そういう方に、「こう考えたら?」と別の側面から物事を見る方法や、力を抜く方法をお伝えする。

本当に、「ちょっとしたコツ」なんです。

そこを、お伝えすることによって、ご本人は、どんどん変わっていかれるので。

―それで良くお商売として成り立っていますよね?

よく言われます。

でも、最初がダメな方の方が「変わりたい!」という思いは、強いです。

変わっていった部分の一部をお支払いおただくというか。

「変わりたい!」と本気で思っているからこそ、そこにお金を支払う。

一度に支払えない方もいらっしゃいますが、「分割であれば大丈夫」という方も多いですから

―なるほど!

あくまで、一般論ですが。「FPに相談に行く人」というのは、そもそもお金の成績が60点とか70点とか、点数がさほど悪くない方が多いと思うんです。

そういう方を、70点や80点に持って行く。それは、それで、素晴らしいことだと思っています。

ただ、世の中には、お金の成績が20点、30点という方たちも、全然、いるわけで。そういう方が、お金のことを知らないと、やっぱり大変なことになってしまう。

せっかくこの世の生を受けているのに、それは、もったいないじゃないですか!(力説) だから、僕は、そういう方ほど応援したいんです。

―お客様は、平均点よりも下の方が多い感じですか?

そうですね。

愛を持って言いたいのですが、最初は平均点より下にいらっしゃる方の方が、多いかもしれません。

だからこそ、「伸びしろ」がスゴイ。

その「ふり幅」を見るのが、本当にうれしいんです。

お客様の表情が、どんどんイキイキされていきます。

先日も、かつて債務を抱えていらっしゃったお客様が、こんなふうにおっしゃっていました。

「今まで、お金のことを考えるといったら、「今月は、どう返済をしようか?」ということばかりだった。

けれども、家計を改善して貯金ができるようになってくると、お金のことを考える時間が、「将来の自分を考える時間になった」」と。

―素敵なお話しですね!

本来、お金はポジティブなものだと思うんです。

「お金がないから節約、節約」ばかりでは、苦しくなってしまう。

「将来こんなふうにお金を使いたいから、目の前のお金の使い方を整えていこう」という発想。

「入り口」の整理の仕方やコツを少しお伝えすると、お客様自らが自分の力で、どんどん、変化されていきます。

そこに喜びがあれば、人間は、どんどん変化していくんだなというのは実感としてあります。

「子供が2人いたのに、妻には何も相談せず勝手に仕事を辞めてきた」

―ところで横山さんご自身は「ダメ」から、どうやって今に?

大学浪人をしている時に、両親が離婚して、「やばい! 大学に行っている場合じゃない。資格をとって、すぐ働こう」と、思いました。

当時、札幌に住んでいたのですが、母親に学費を出してもらって、専門学校に3年間、通いました。

簿記や行政書士の資格をとって、量販店に経理として入社したんです。

その時期、その量販店が事業を拡大していたので応援要員として他店舗に行ったら、僕、めちゃくちゃ売る人だったんですよ。

売る人なので、店舗に配属になってしまって。

「経理をするという約束なのに、何で、店舗配属なんだ!」と思って、退職金がもらえる3年+試用期間3か月キッチリで退職しました。

子供が2人いたのに、妻には何も相談せず勝手に仕事を辞めてきた。

その後、司法書士事務所で働いて司法書士をとろうと思ったけど、とれなくて(笑)。

行政書士も、資格はとりましたが、今、登録はしていません。

―量販店の経理から、なぜ、司法書士事務所に?

う~ん・・・。資格を、とりたかったからかなぁ?(遠い目)

―記憶があいまいなんですね。

曖昧ですね。

う~ん、何だったんだろう?

「資格とか、何か、恰好いいかも? うん、 それって、恰好いい!」みたいな感じですかね? 

記憶があいまい

「これは、仕事になるな」と思って独立したら、全然ダメ

―突っ込みどころは満載ですけど、話を先に進めましょう

いくつかの司法書士事務所で働いてきたのですが、そのうち一つの司法書士事務所で債務整理の相談にいらっしゃる方たちにお会いするようになって、「この方たちを、お手伝いする仕事ができないかな?」と、思うようになったんです。

もっとも、当時は「債務整理書類を作る事務員」でしかないので、事務作業を粛々とすれば良いのに、僕はお客様の話を伺いながら「どうやったら、変われるのかな?」というのを一緒に考えていたんです。

そうしたら、事務所のボスから、「横山くんは、書類の作成よりもFPの資格とかとって、お客様と話をした方がいいんじゃないの?」と、言われて。

―北海道らしいおおらかさですね

本当にそうですよね(笑)。

それで、そういうことをやっているうちに、他の事務所から依頼が来るようになったんです。

「あそこの事務所に横山くんっていう人がいるから、あの人のところに相談に行ってみなさい」みたいな。

「これは、仕事になるな」と思って独立したら、全然ダメで、そこでも再び、借入をしました(笑)

―何でダメだったんでしょうね?

「〇〇事務所の横山くん」ではなく、「ただの横山くん」では、通用しないんです。

どこの馬の骨かわからないから。

そこで、ブログなどで発信を始めたら、主婦の友社から、本を書いてみませんか? と言われて。

「本を書けば、信用力が変わるんじゃないか?」と思って本を書いてみました。

それが処女作の「あなたの借金、返さなくていい!」です。

よく、「年収200万円からの貯金生活宣言」がデビュー作と言われるんですが、あれは3冊目なんですよ。

「お客様からの声が一番聴けるのが、僕ですから」

―いよいよ、ブレイクですね。

それで、札幌に帰れなくなっちゃった。

1回、東京に来たら相談業務が忙しくなって、札幌に帰れなくなってしまったんです。

それで、「エイヤーっ」と、家族全員で北海道から東京に出てきて6年目ですね。

―え? 横山さんが世に出て、まだそんなもんですか?

家族全員で上京して、6年目です。

―有名な「ヨコヤマ式家計簿」は、どうやって編み出されたのですか?

「お客様のお話を聞かせていただきながら」ということに尽きると思います。

多くの方のお話しを聞かせていただいたということが、一番です。

この仕事をさせていただいて、最も多くのことを享受させていただいているのは、僕です。

お客様からの声が一番聴けるのが、僕ですから。

お客様から、学ばさせていただいている。

全てはそこかな、というのがあります。

僕は、そこからしか勉強していません。全ては、お客様ありきなんです。

―横山さんが今あるのは、たくさんのお客さんにお会いしたからこそ、だと?
 
そうですね。今、何か発言をすると、「それは、どこからのデータですか?」とか「その根拠は、何ですか?」と、よく聞かれるんです。

その問いに対して、僕は「根拠は、お会いしたお客様です。僕が今までお会いしたお客様です」としか言いようがないんです。

―現場を見てきたからこそ! という意見は強いと思います。

ところで、ご自身として「ダメな自分がコンサルしていて良いのかな?」という気持ちは、ないのでしょうか?

そこは、なかったですね。

(少し考えながら)きっと、お客様と僕は、上下関係ではないんです。

僕は、お客様と横に並んでいるだけだと思っている。

目の前にいる、その方と対等な存在でいたい。

「ダメ同士だけど、頑張ろう!」みたいな?(笑)

「俺が、指導するぜ!」みたいな気持ちがないから、「自分がコンサルしていて良いのかな?」という疑問は、そもそも沸かなかったんだと思うんです。

 今は、お客様より、少し前にいるというか。コントロールできる部分がないと、お客様がうまく変わっていかないので、少し前にいるように心がけていますが。

―それも、やりながら編み出した?
 
そうですね。

「お金を貯める」というのは、やっぱり負荷がかかる作業です。

そんな時、完全に同等だと、引っ張っていけないというか?

そこに、「ちょっとした思いの違い」があるくらいの方が、結果的にうまくいくというのは経験の中から感じています。

―実体験ならではの言葉ですね。他にお伝えしたいことはありますか?

お金の失敗は、あってもいい

僕はお金の失敗は、あってもいいと思っています。

大切なことは、そこで「振り返り」をしているかどうか? です。

失敗は、してもいい。

僕自身、10代、20代の頃、お金の失敗をしておいて良かったなと、心から思っているんですよ。

失敗して、「何やっているんだろう? 俺」と、気がつけたから。

現段階は、失敗でもいい。

でも、それを「じゃあ、どうしようか?」とふうに考えられるようになりさえすれば、大丈夫です。

実際、僕はそういう方たちを1万人以上、見てきました。

そして結果的に、1万人以上の方々は、家計を再生したんですから。(執筆者:楢戸 ひかる)

この記事を書いた人

楢戸 ひかる 楢戸 ひかる»筆者の記事一覧 (45) http://hikaru-narato.com/

HP「主婦er」を通じて、「これからの主婦の在り方」を、発信中。
吉祥寺の人気カフェ、A.K.Laboで、マネーライター歴20年の経験を生かしたお金についての個人セッションをしています。
<保有資格>:FP技能士2級
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