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「日米通商問題」が、今後の日本経済の行方を占う 「日米首脳会談」で見えてきたことを解説します。

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「日米通商問題」が、今後の日本経済の行方を占う 「日米首脳会談」で見えてきたことを解説します。

投資において最も需要なのは「環境認識」です。

投資信託のような「買い」スタンスでしか運用できない場合は、

経済環境が今後、好転するかどうかは、投資における重要な鍵

となります。

いま足下で、日本経済の先行きを占う上で最も重要なのが「日米通商問題」です。

とくに為替に関しては、日本マーケットにもっとも強く影響をもたらすもので、日米通商において、米国側からの「為替条項」に関する発言が出てくれば要注意です。

強烈は円高要因となります。

以下、交渉の順を追って、日米通商問題を解説しますが、その中でも「為替条項」に関しては、最も注意をしておかなければならない項目となります。

米国にとって、米中、米欧、米加・米墨との通商交渉と、米日交渉は全く異なった意味合いとなります。

これからの日本経済を見る上で重要な要素となりますので、是非ご一読ください。

日米通商問題を紐解く

「日米通商問題」とは

2018年9月26日午後(米国東部時間・日本時間27日未明)、ニューヨーク市内のザ・ニューヨーク・パレスホテルで、安倍晋三首相はドナルド・トランプ米大統領と1時間15分会談を行いました。

日米首脳会談の評価は、それぞれの立場から日本メディアは様々な反応ですが、すぐにでも自動車追加関税25%は発動されないということは事実で、そのことで当面の日本経済への打撃は回避できたようではあります。

しかし、日米通商問題に関する憂いが完全に払拭されたわけではなく、あくまでも先送りしたに過ぎないということも事実です。

交渉ごとですから、駆け引きがあるのは当然で、自動車への関税強化を回避する代わりに、米国から日本への農産物輸出関税を引き下げることを約束しました。

農産物の中で、特に米国がこだわっているのは牛肉のようです。

順を追って、日米通商問題についてみていきましょう。

二国間交渉

日本が避けたかった「二国間交渉」に持ち込まれた?

国家間交渉において、自国メディアに対して、お互いに成果となるところしか話さないのは当然のことです。

それゆえ、言葉の裏側を読み解き、交渉の本質を探るのは大事なことです。

「日本はいま、やる気になった。」

「あれだけ避けてきた二国間交渉に、ようやく日本はのってきた。」

これはトランプ大統領側の言葉です。

安倍総理との会談を終えたトランプ大統領は26日に、日本と二国間関税交渉の開始で合意したことを、まっさきに「成果」として強調しました。

国連総会演説も含め、全てが米中間選挙に向けたアピールとも取れますが、ここで出てきたキーワードは「二国間交渉」です。

多国間ではなく、二国間の交渉に持ち込んだということを、トランプ大統領は「大きな成果」としたのです。

日本を二国間交渉の場に引きずり出した。

これは裏を返せば安倍総理の失敗とも取れます。

事実、これまで日本は米国間との直接交渉を避けてきました。

FTAにだけは持ち込みたくない」というのが、日本側の思いでした。

そこで安倍総理の会談後の発言を拾ってみましょう。

「米国とは「Win-Win」の経済関係を作り上げていくことを合意した。」

安倍総理は、米国との協議を、あくまでも「モノ」に限定させたということを強調すべく「TAG」という言葉を用いました。

米国との二国間交渉は「FTA」ではなく「TAG」であり、「TAG」は「FTA」とは違うということを、ことさら安部総理は強調しました。

ただ二国間交渉になったことは事実です。

それでも本当に「Win-Win」なのか。

そもそも「TAG」と「FTA」とは何が違うのかを考えてみましょう。

「TAG」ってなに?

「TAG」については、日経新聞電子版説に下記解説がありました。

TAG

物品貿易協定、略称はTAG(Trade Agreement on goods)。

複数国の間でモノの輸出入にかかる関税の引き下げや撤廃について定める協定。

農産品や工業用品など幅広い貿易品目が交渉対象になる。


同じように「FTA」も調べました。


FTA

自由貿易協定、略称はFTA(Free Trade Agreement)。

国と国(または地域)のあいだで関税をなくして、モノやサービスの自由な貿易を進めることを目的とした協定。


ちなみに「EPA」も調べてみました。


EPA

経済連携協定、略称はEPA(Economic Partnership Agreement)。

FTAを基礎としながら、関税の撤廃だけではなく、知的財産の保護や投資ルールの整備なども含め、さまざまな分野で経済上の連携を強化することを目的とした協定。


上記説明を見ると


モノだけ…物品貿易協定(TAG

モノにサービスが加わると…自由貿易協定(FTA

さらに知的財産保護や投資ルールの整備が加わると…経済連携協定(EPA

になるようです。

ただし、

「国際ルールでみれば、モノもサービスも投資もすべてFTAの範疇であり、WTO(世界貿易機構)の中では、TAGという概念はなく、FTAの概念しかない。」

と、中部大学特認教授の細川昌彦氏は説明しています。

つまり「TAG」は「FTA」の一部であり、「TAG」は「FTA」なのだということです。

日米二国間FTA

今回の日米首脳会談報道を、海外メディアは「FTA」という言葉を用いて伝えています。

また、会談後の共同声明では、交渉のメドがたった後に、投資などの分野についても二国間交渉を始めるとしています。

つまり、日本政府が「TAG」を、関税だけでなく投資やサービスの自由化にも範囲が及ぶ「FTA」とは別の協定だとの立場をとったところで、実質的には「FTA」と同じことになるということになるのです。

安倍総理が、トランプ米大統領との会談後の記者会見で

「TAG交渉は、これまで日本が結んできた包括的なFTAとは全く異なる。」

と説明したのは、ずっと避けてきた米国との二国間協議に持ち込まれたことを、日本国内での「FTA」に対する不利なイメージがあることを和らげるために、あえて「TAG」という言葉に置き換えたのではないかと思われます。

特に農業団体を含め、日本では「FTA」にはアレルギーがあるようで、大国相手に二国間交渉は不利になることが多く、事実、メキシコや韓国の米国とのFTAでは、不利な条件をのまされています。

日本メディアは「TAG」という言葉で報道することになるのでしょうが、実際には「FTA」であり、国際ルールでは「FTA」以外のなにものでもないということなのです。

どのような表現をしようと、日米二国間FTAだということを認識しておきましょう。

問題は交渉の中身です。

その中身を見ていきましょう。

共同声明の確認

茂木敏充経済再生担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表がニューヨーク市内のホテルで協議し、日米首脳が確認した日米共同声明のポイントは、以下の通りです。

(a) 所要の国内調整後、TAGの交渉を開始。

(b) 農林水産品は過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの内容が最大限であるとする日本の立場を尊重。

(c) 自動車の市場アクセスの交渉結果が米国自動車産業の製造と雇用の増加を目指すものであるとの米国の立場を日本が尊重。

(d) 協議中は自動車への追加関税など共同声明の精神に反する行動を取らない。

(e) TAGの議論完了後、他の貿易、投資についても交渉する。

上記共同声明で(e)の項目が、実際は安倍総理の言う「TAG」ではなく、実質の「FTA」(本来は最初から「FTA」なのですが)だということの根拠となります。

ライトハイザーUSTR代表は、日米通商協議について「二部構成」とし、第1段階で早期の成果を得る展開に期待を示していると発言しています。

ここでの「早期」の意味について、ライトハイザーUSTR代表は「向こう数カ月中」との見解を示したことで、TAG交渉を早く終わらせ、さらに完全なFTA締結を目指そうとしていることが伺えます。

上記共同声明で(d)の項目が、自動車追加関税回避報道の根拠となっています。

ただし、TAG交渉後(概ね2年後)は追加関税交渉が開始されることを意味し、また、TAG交渉次第では2年を待たずに追加関税交渉が始まるの可能性があるということです。

上記共同声明の(b)の項目が、安倍総理が「農産物への関税は、TPP交渉での数字(9%)に抑えることができた」と強調している根拠になるのですが、よく読めば、米国側は「日本の立場を尊重」としていて「確約」とはしていません。

ライトハイザーUSTR代表は、日本側が言質をとったとする「TPP水準が最高水準」としていないとも発言しています。

つまり交渉の中で、米国から日本へ輸出する農産物の関税を9%以下にすることもありえるということになります。

上記共同声明で(c)の項目で注目するのは、米国側の「雇用の増加を目指す」という文言です。

もう少し交渉の中身を具体的に検証していきましょう。

「モノ」の交渉ポイントは自動車と牛肉~自動車

自動車問題

米国貿易赤字額の半分は、対中国貿易によるもので、対日貿易による赤字は、米国の赤字額の約1割弱です。

その対日貿易赤字の8割が自動車によるものです。

つまり、日本と米国の貿易のほとんどは、自動車に関するものだと言えます。

金額で見ると、米国の対日貿易赤字額は約7兆7000億円(2017年米商務省)、このうちの8割に相当する約6兆円が自動車関連に相当します。

現在自動車にかかる関税は2.5%、これに追加関税として25%かけるというのが米国側の主張です。

日本にすれば、対米貿易のほとんどが自動車関連ですから、これに米国が触れて欲しくはなかったのでしょう。

自動車産業は、日本の基幹産業の一角でもありますので、これだけの大幅な関税引き上げは、日本の自動車メーカーにとっては大問題です。

日本政府としては、どうしても追加関税は回避したい項目です。

共同声明では、自動車に関しては(c)において、米国側の「雇用の増加を目指す」という文言がありますが、これは、日本側に自動車製造における米国への投資を促すものと解釈できます。

つまり、自動車の現地生産を拡大し、米国の雇用拡大に貢献しろということなのです。

それが嫌なら自動車の輸出量を減らせということですね。

もっとも米国側は、現地生産拡大と輸出削減両方の要求が本音でしょう。

トランプ大統領の支持者が多い中部地区に、例えばトヨタが工場を作るとなれば、中間選挙で有利になると思ってのことなのかもしれません。

トランプ大統領はメキシコとのNAFTA(北米自由貿易協定)交渉で、強引に労働者の時給16ドルへの大幅引き上げを呑ませたことで、メキシコに工場を持つ日本の自動車メーカーを、なんとか米国内に呼び寄せようとしています。

米国が貿易において関税を引き上げられるには、輸入が米国の安全保証を脅かすと判断したとき(通商拡大法232条)と米国に対する不当な貿易制限等があった場合(通商法301条)で、自動車への追加関税は前者が根拠となっています。

この場合、商務省が調査して大統領に報告書をあげ、大統領が署名することで実行されますが、今回の共同声明では、TAG協議中は、大統領は署名しないとしているのです。

報告書は作成されるはずです。

自動車に関してはもう一つ、実は米国内の自動車産業界は、日本への追加関税には反対しているのです。

それは自動車部品の関税も上がることになり、そのことで米国自動車の販売価格も上がることになるからです。

いわゆる「ビッグ3」と呼ばれる米国自動車会社大手は、トランプ大統領の日本への自動車追加関税を快く思っていないようなのです。

米国への輸入品の関税強化は、ある意味国民への増税と同じ意味を持ちます。

米国にとっても、経済の痛手となりかねない政策でもあるのです。

「モノ」の交渉ポイントは自動車と牛肉~牛肉

牛肉問題

米国が、日本に輸出している米国産牛の関税が高すぎると指摘しています。

米国の要求は、米国産牛肉への関税引き下げです。

日本農業新聞(2018年08月28日)記事には、米国の食肉輸出団体の米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2028年までに牛肉輸出損失額が年間12億ドル(約1332億円)を超えるとの試算を発表したとあります。

米国にとっての牛肉最大輸出国の日本が、米国抜きで進めている貿易協定、つまり日本とEUの経済連携協定(EPA)や環太平洋経済連携協定(TPP11)により、米国産牛肉が貿易で不利になることを指摘しているのです。

米国は、豪産牛肉を強く意識しているのです。

日欧EPAやTPP11で、将来的に牛肉関税は9%までに下がります。

豪産牛肉の関税は9%、米国産牛肉の関税は38.5%。

この差が、日本農業新聞記事にある年間12億ドルの損失額に繋がると米国は訴えているのです。

日欧EPAでEU産牛肉が日本市場で勢いを増し、TPP11で米国産は価格競争力を失い、シェアが低下することで、日本の牛肉輸入量に占める米国産の割合は43%から30%に下がると米国側は指摘しています。

豚肉でも同様の試算をしているようで、米国は年間10億2000万ドル(約1132億円)の損失額になるとしています。

こちらもTPP11でカナダ産に需要が奪われ、メキシコ産やチリ産も優位に立つとみているようです。

日米通商において、米国側が牛肉に強くこだわるのは、トランプ大統領が就任早々、TPP交渉から離脱したことを、トランプ大統領の有力な支持者である食肉団体などの農業関係者が「TPP交渉離脱は間違いだったのでは…」との声が上がっていることにあるようです。

・米国の雇用を奪うTPP交渉はよくない。

・多国間交渉よりも二国間交渉のほうが米国には有利。

これらの理由から、離脱したTPP交渉が、ここに来てトランプ大統領支持者の間から疑問視されてきているのです。

圧倒的力のある国と対等に交渉を進めるには、二国間協議よりも、力の弱い国同志が集まって大国と交渉する多国間協議のほうが良いのは、容易にうなずけます。

域内平和維持の目的もあるでしょうが、米国のような大国と対等に交渉するために集まったのがEUで、当然米国側はEUの存在を快くは思っていないでしょう。

同じように一つにまとまろうとするアジア諸国、東アジアや東南アジアが一つにまとまることを、米国はもっとも警戒しています。

米国は、中国、EU、そして日本を分断して、それぞれと二国間協定に持ち込むことで、有利な交渉に持ち込みたいというのはよくわかります。

米国産牛肉の関税をどこまで引き下げるのかというと、安倍総理は、TAG交渉での農林水産品は「過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの内容が最大限」との文言が明記されたことを成果としてあげています。

このことに関しては、共同声明文検証で、米国の対応が、日本の立場を「尊重する」という文言にとどめていることを指摘しました。

ただ日本の農家からは政府への怒りの声が上がっています。

先ほどの日本農業新聞には

「自動車など工業製品のために農業を犠牲にするのか。」(牛肥育農家)

「被災地の農家は復旧に向け前を向こうとしている。その中で、こんな発表をするのか。」(米農家)

「現状でも経営は厳しい。関税を絶対に維持してほしい。」(養豚農家)

といった声が掲載されています。

自動車を意識しながらの牛肉交渉

今回の日米通商交渉において、安倍総理は

「米国とは「Win-Win」の経済関係を作り上げていくことを合意した。」

と言っていますが、果たしてそうでしょうか。

日本側は牛肉を譲る替わりに、米国に自動車を譲歩させた…

これが安倍総理の言う「Win-Win」なのでしょうか。

日米TAG協議継続中は、米国側は自動車に対する追加関税は回避する

というトランプ大統領との約束を取り付けたとしています。

しかしこれは見方を変えれば、交渉の進展次第では、いつでも自動車関税の話は持ち出すぞという、米国側の「脅し」の道具となっているともとれます。

事実、中国やEUとの交渉においても、トランプ大統領はこの手法を用いて交渉しています。

中国は

「のど元に匕首(ひしゅ)を突きつけられながらの交渉はありえない。」

と米中首脳会談を拒否する強い姿勢を見せ始めています。

EUも同じです。

脅しをもっての交渉は決してフェアでない。

ましてや「Win-Winの関係」ではありません。

二国間交渉に持ち込まれた時点で、既に勝負は決まっているのではないかという危惧さえ感じられます。

為替条項

これはずっと言われていることで、二国間で関税の引き下げないしは撤廃を取り決めたとしても、為替の動きでは関税以上に貿易での優劣が出てしまいます。

為替条項は、通貨安誘導を防止するために、一方の国が為替誘導を行っていると判断した際に、関税強化等の対抗措置が取れる仕組みを取り決めるものです。

為替条項は、二国間の取り決めで導入できますが、実際にルール化するのは異例だそうです。

北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉では、米国はメキシコに通貨政策を制限しうる為替条項や自動車の数量制限など自由貿易を制限する条項を認めさせています。

ここでもポイントは「二国間交渉」です。

米国の対メキシコとの交渉で為替条項を認めさせたことを、財務省関係者は

「通貨政策の透明性について非常に強い条項を初めて取り入れた。」

と説明しています。

貿易促進のために結ぶ自由貿易協定(FTA)では、通貨安誘導を封じる為替条項は通常盛り込まないのですが、米国は通商交渉での同条項導入に意欲的だとも伝わっています。

トランプ政権は、米韓FTAの見直し交渉でも競争的な通貨切り下げを禁じたり、金融政策の透明性と説明責任を約束したりするといった条項を、強制力を持たない「付帯協定」に盛り込みました。

米自動車業界や米議会には貿易協定に為替条項を求める声が多くあり、トランプ大統領は、日本にも圧力を強める可能性があるのではとも見られています。

為替条項の話題が出ると、為替は円高に振れやすくなると思われます。

今でもそうですが、貿易でこんなにもめているときに、大きな円安をトランプ大統領が見過ごすわけがないでしょう。

大量の米国製兵器購入?

大量の米国製兵器購入

朝日新聞電子版(2018年9月27日)の記事には


「私が「日本は我々の思いを受け入れなければならない。巨額の貿易赤字は嫌だ。」と言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった。」

と、自身が日本から大きな譲歩を引き出したかのように語ったとするトランプ大統領発言がありました。

これはなにを意味するのでしょう。

記事にはトランプ大統領は、米国が優位に立てる二国間交渉に日本を引き込んだことを「勝利宣言」としたとあります。

与党・共和党の支持者には自由貿易を信奉する経営者や農家が多く、トランプ大統領が就任直後にTPPから離脱したことに不満を持つ人も少なくないだけに、日本との貿易交渉の開始は、その彼らへのアピールになると考えている

と記事にはあります。

Twitterでは

「自動車関税先延ばしにしてもらう代わりに、大量の武器を購入する約束させられた。」

という呟きもあります。

菅官房長官が「日本の防衛強化のため」と発言したと綴っていますが、詳細はわかりませんが、政府が伝えるような日米対等な通商交渉ではないことを、国民は感じ取っているのかもしれません。

ただ単に米国の貿易赤字を減らすための交渉

FTAの本来の目的は、関税をより少なくし、あるいは撤廃することで、貿易を活発にすることにあり、FTA締結により、両国間の貿易量が増えることにあるはずです。

ところが、米国が投げかけているFTAは、とにかく米国の赤字を減らすことのみに固執している強引な交渉としか思えないのです。

中国もEUも、そのことを意識してか強い態度で臨んでいますが、やはりメキシコや韓国のような、米国に比べて経済的に弱い国は、米国の提案をのまざるをえなくなっています

世界恐慌が起きて、自国を守るために保護主義に走った結果、悲惨な戦争に突入してしまった反省を踏まえ、保護主義ではない自由貿易を求めて「GATT」が生まれ、現在の「WTO」へと繋がっていった歴史的経緯があります。

しかし、今の米国は、保護主義回帰を担っているようで、時代の針を逆行させているようにも思えます。

トランプ大統領は、国連自体も否定するような発言をしていますよね。

今後の経済における世界地図は、米国と米国包囲網というか、

「トランプ VS 反トランプ」

といった構図になっていくのでしょうか。

具体的には「米国vsロシア・中国・EU」ですかね。

ロシアとEUの関係はドイツ次第でしょうか。

英国と中国の接近も気になります。

トランプ VS 反トランプ

そんな中で我が日本は、どういう立ち位置になるのでしょうか。

日本の世界におけるプレゼンスが全く見えてこないのですが、これで大丈夫なのでしょうか…。(執筆者:原 彰宏)

《原 彰宏》
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原 彰宏

原 彰宏

株式会社アイウイッシュ 代表取締役 関西学院大学卒業。大阪府生。吉富製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)、JTB日本交通公社(現(株)ジェイティービー)を経て独立。独学でCFP取得。現在独立系FPと して活動。異業種経験から、総合的に経済、企業をウォッチ、金融出身でないことを武器に「平易で」「わかりやすい」言葉で解説、をモットーにラジオ出演、 セミナーや相談業務、企業労組の顧問としての年金制度相談、組合員個別相談、個人の年金運用アドバイスなどを実施。個人投資家として、株式投資やFX投資を行っている。 <保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP 寄稿者にメッセージを送る

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