あなたにその「保険」は必要ですか? 保険の基本と選び方の再確認をしましょう。

生命保険、損害保険や医療保険。

いまや「何にも入っていない」という人の方が少ないでしょう。

でもあなたが加入している、あるいは保険これから加入しようか考えている

その保険は本当に必要ですか?

保険の基本と選ぶときの考え方を再確認しましょう。

保険の基本と選ぶときの考え方を再確認

保険の種類

保険には大きく分けて3種類あります。

・生命保険(第一分野)
・損害保険(第二分野)
・第三分野の保険(医療保険など第一第二にまたがるものや、第一第二に分類できない保険)

それぞれに当然目的が違います。

保険の種類は3種類

保険の本来の目的を再認識する

保険の営業の方の話を聞くと、保険と貯蓄(資産形成)の話とを混同していることが少なくありません。

(おそらく、意識的にごちゃ混ぜにして話しているのではないかと思うところも少なくありませんが…)

保険の本体の目的は

万が一の時、自分の持っている資産で足りない部分をカバーすること

です。

生命保険は、もし自分が命を落とした時、残される家族が困らないようにという目的で掛けるものです。

損害保険は、予期できない損害を被った時や被害を与えてしまった時に損害額・被害額をカバーするためのものです。

では医療保険は、けがや病気になった時に、かかる治療費をカバーするのが目的でしょうか?

そう思う方が多いでしょう。

実際に保険会社はそのように話すと思います。

僕はそれよりも病気やけがで収入が得られなくなる事に備える方が大切な気がします。

病気やケガの時の治療費は、保険ではなく自分の資産構築(貯蓄)をすることでカバーできるでしょう。

話は少し脱線しますが、先進医療を受けた場合の保険がオプションでついている保険があります。

先進医療でよく話が出るのが、がんの治療などで使われる「陽子線治療」や「重粒子線治療」といったもの。

この治療を受けると数百万かかります。

でも、最も多く使われる先進医療は目の手術だそうです。

具体的には、白内障患者に使われる多焦点レンズを用いる治療です。

この手術に係る費用は、健康保険適用外となりますが、およそ50万円程度と言われています。

このくらいの金額ならば、貯蓄していれば自分の預貯金から出せそうです。

話を戻します。

保険会社の営業手法はさまざまです。

しかしほとんどのケースが

お客さんの不安を煽り、お金を出せば安心できるような気にさせ、保険契約をとること

と言えます。

保険会社の営業手法はさまざま

(保険屋さん、すいません。気を悪くしないでくださいね。)

ですので、発生確率は低いことでも文字通り「万が一の備え」として加入を促します。

実際にその状況になる確立が1%にも満たない様な場合でも、です。

定期保険などのように「10年以内に亡くなったら2,000万払います」といったような保険は、被保険者の年齢が若ければ発生確率も低くなります。

しかし、もし30代の人が10年以内に亡くなる、あるいは高度障害になる確率はどの程度でしょうか。

35歳の死亡率は、1,000人につき男性が0.71人、女性は0.42人

45歳の死亡率は、1,000人につき男性が1.59人、女性は0.93人
(厚生労働省「簡易生命表」/平成28年より)

あり得なくはないですが、かなり低い数値です。

一方、終身保険のように「何歳になっても亡くなられたときに500万払います」という保険は、必ず支払いが発生するので保険料は高くなります

いくらの保険が必要か

万が一、自分が死亡した場合などに必要になる金額は、残された家族が困らないで生活できる金額を基準に考える必要があります。

当然、小さい子がいる家庭では、今後の住宅費や教育費負担などの考慮で金額が大きくなりますし、共稼ぎでお子様もいないご夫婦の場合には、ほとんどいらない可能性があります。

また、自分の知らないうちに自分に保険がかかっていることもあります。

「そんなことあるの?」とお思いかもしれません。

例えばサラリーマンで、ある程度以上の規模の会社にお勤めの場合「遺族退職金」に関する規定があると思います。

在職中に亡くなると会社から支払われるですが、この原資は会社が従業員にかけている生命保険です。

その他に遺族年金などが出ることもあり、これらの金額を把握していないと、必要以上に保険をかけてしまっている可能性があります。

いくらの保険が必要か

損害保険では?

損害保険でも考え方は同じですが、ほとんどの損害保険は掛け捨てです。

損害保険の場合には、実損部分を補填することが目的です。

例えば、300万円で購入した車が事故で廃車になった場合、車両保険に加入していた場合でも、再度購入できる価格までは出ないのが一般的です。

あくまでも、現在価値分が実損として支払われます。

実際にオーナーがどんなに大事にしている愛車でも、自動車は時間の経過とともに減価償却され、価値が下がります。

時間の経過で下がった価値の分は保険では支払われません。

その金額以上の保険をかけても意味がありませんので、実際に支払われるであろう金額を知ることが重要です。

また、その金額が「自分の貯蓄でカバーできる金額」であれば、高い車両保険に加入する必要もないという判断があり得ます。

一方で、人身事故を起こしてしまったような場合、賠償金は億を超えることもあります。

さすがにこの金額を自分で賄うのは難しいでしょう。

自動車保険は対人・対物に関してはかけておくべきだと思いますが、車両保険は人それぞれです。

掛け捨てはもったいない?

よく保険会社と話していると出るのが

「掛け捨てはもったいない。」

というセリフです。

掛け捨てはもったいない?

貯蓄性のある保険は当然保険料も高くなります。

保険の基本は掛け捨てです。

貯蓄性の保険も、その中身は「貯蓄部分」と「掛け捨て部分」からできています。

当然、保険にはさまざまな経費がかかります。

会社の利益も当然含まれています。

保険は保険会社が儲かるようにできているのです。

自分は貯金ができない体質で、強制的に保険料として取ってもらったほうが良いという人もいます。

そうした人には貯蓄性の保険も選択肢に入るかもしれませんが、できれば本当に必要な保険だけに絞り、あとは自分で準備するというのが保険選びの基本です。

その他の保険の効果

保険料控除

生命保険料や地震保険料を支払っている場合、年末調整や確定申告時に、生命保険料控除・地震保険料控除の手続きをすると、払い込んだ保険料により一定金額が所得から差し引かれます

課税対象の所得額が低くなることで、所得税と住民税の負担が軽減されます。

しかし、保険料控除があるから保険に入るというのは本末転倒です。

実際には支払った保険料分が全て戻ってくるわけではありません。

相続対策

生命保険では、相続時に相続財産のうち、被相続人(亡くなられた人)がかけていた生命保険の死亡保険金から、相続人の数に応じた一定金額を控除できる制度があります。

実質的な相続財産の一部を相続税の対象から除外することができますので、相続財産相続税対策として有効な手法と言えます。

また、被相続人がなくなると金融機関に預けている預貯金当の金融資産が凍結されます。

遺産分割が終わらないと凍結解除できませんが、実際には葬儀費用などのお金が必要になります。

生命保険の死亡保険金は、保険の受取人が遺産分割協議の進捗にかかわらず、直接支払われますので、この点でもメリットがあるでしょう。

まとめ

保険の必要性は人によって違います。

自分に合った保険を選ぶべきですし、出産や子供の独立などのライフステージの変化があった時には見直し、無駄な保険料を支払っていないかチェックが必要です。

前にも述べたように、保険会社は自社の保険に入ってもらうことで会社が儲かるようにできています。

「保険の○○」のような会社もありますが、基本的には保険に加入してもらうことでそれらの会社も保険会社からフィーを得ています。

そういう会社に相談に行っても

「あなたには保険はいりません。」

「この保険は無駄だからやめましょう。」

とは言ってくれないでしょう。

もしそういうアドバイスをしてくれる保険の営業マンに出会えたならば、その付き合いは大事にしたほうがいいと思います。

良いアドバイザーに出会えればよいですが、自分自身の保険は自分で考えることが重要です。

あなたのその保険、本当に必要ですか? (執筆者:西山 広高)

この記事を書いた人

西山 広高 西山 広高»筆者の記事一覧 (35) http://www.nishiyama-ld.com/

西山ライフデザイン株式会社 代表取締役
慶應義塾大学卒。大手建設会社に入社し、主に建築営業とお客様の不動産の活用提案業務に従事。2015年に退職、西山ライフデザインを設立。ファイナンシャル・プランニングと不動産の知識と経験でクライアントの「ワンダフルライフ」の実現をサポートする。趣味は2006年から始めたマラソン。第1回東京マラソンに出場。その後、ウルトラマラソンやトレイルランニングの大会も出場、完走歴あり。妻と2人の子供の4人家族。1968年生まれ。東京都大田区在住。
<保有資格>:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、住宅ローンアドバイザー、ビジネス法務エキスパート
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