来たる2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、都内では通訳ボランティアの方が既に活動を開始しています。
キャラクターのバッチが東京中央郵便局でも販売され始めました。
ただ中長期の個人投資家としては、大会後の景気や投資スタンスに悩むところ。
そこで今回は、あと2年を切った東京オリンピック後も業界自体が拡大しそうな2つのテーマを取り上げてみます。

目次
2020年以降の展望
更なる経済のグローバル化に対し、日本国内では人口減少・高齢化社会がやってきます。
これからの日本に必要不可欠なのは、一言で言うと「生産性の向上」となります。
大量生産ではなく、高品質な技術。
農業等の第一次産業よりサービス業中心の第三次産業への集約など、官民一体で取り組みが始まっている業界がこれからのテーマです。
そこでテーマを2つに絞り、それぞれの関連銘柄もご紹介していきます。
第四次産業革命

このテーマは農林水産業からITまで、全ての業種が対象となるテーマです。
農業でも、生産効率を高めるための自動化農機具や、カメラで生育状況を把握し水の量をコントロールするなど農業人口の高齢化にも対応する取組みが始まっています。
日本伝来の「物づくり」にこだわった匠の技術を、デジタル技術と融合させることで中小製造業の後継者不足も解消。
2020年に始まる通信技術の新しいサービス5Gを起点に、2030年までには生産性を30%向上できるとの報告もあります。
工作機械製造
ロボット化が進む製造ラインのパーツが全てネットワークでつながり、最適化が図られる「第四次産業革命」。
政府は設備投資への税制優遇を設け、工場の生産性向上を後押ししています。
その中でも世界シェアが圧倒的に高い企業が、物づくり日本にはあります。
【6301】小松製作所:建設機械では世界2位、高速道路補修などインフラ整備でも欠かせない企業
センサ・計測機器
自動化かつ製品の質向上を支えるのが、センサと計測技術です。
故障を未然に防止する仕組みなど、製造後の後工程を支える技術が日本にはあります。
ウィルス対策ソフト
製造ラインがネットワークでつながると、ハッキングの危険が増大します。
ミリ単位の工程やリアルタイム性、通信コスト面も支えるセキュリティー対策ソフトが必要となります。
働き方改革

製造ラインではロボット化が進み、ホテルの受付をアンドロイドが担当する時代。
直ぐにロボットやAIが職場を奪っていくことはないとしても、職種や職場環境が変わっていくことは容易に想像できますし、既に変化は始まっています。
その点では高齢者も含めた人材派遣や、女性の進出に伴う教育関連市場が拡大する見込みです。
政府も「働き方改革関連法案」を2018年に整備し、改革の先にある余暇産業の拡大まで見据えている息の長いテーマです。
人材派遣業
派遣業法の都合で、やはり大手が強い業界です。
労働人口が減少すると言われながら、高齢化が進むことも考えると適材適所に配置できる登録人材の数も影響してくるのです。
大手企業では多角的な取組みが展開されています。
【2181】パーソルHD:業務を自動化するRPA専門人材の育成・派遣を開始
なおカテゴリー特化型の派遣を強みにしている企業はこちらです。
【4641】アルプス技研:機械・ソフト・化学などの高技術者エンジニア派遣に特化
子育て支援

女性活躍に伴う子育て支援は、何と言っても保育所の整備と習い事です。
小規模で経営されている施設が多い中、上場企業でも取り組んでいる企業はこちらです。
【9766】コナミHD:スポーツジムの健康増進事業に加え、アミューズメント・カジノなど余暇産業も手掛けている
今でも良く聞く単語が並んでいませんか?
既に動き出している流れが、2020年後に加速するイメージを持って業界や個別銘柄を見ていると、必ず買い場がやってきます。
そこを捉えて、今からでも遅くない中長期の投資に役立てて下さい。(執筆者:中野 徹)