2018年10月の内閣改造後早々にあがった閣僚のスキャンダルに、国税庁への口利き疑惑がありますが、青色申告の承認取り消しをやめさせるようにはたらきかけたような話が報道されています。

フリーランス(個人事業主)として青色申告している方・経営者として会社のほうで青色申告している方、いずれもどんな状況になったら取り消されるのか気になると思います。

これに関しては法律の定めの他に、国税庁が事務運営指針を公表していますが、法人と個人では微妙に違うので、それぞれで見て行きます。

青色申告の取り消しとなる条件

法人の青色申告取り消し要件

法人の青色申告取り消し要件

2期連続で期限内申告を行わない

青色申告取り消しの要件で、もっともわかりやすい基準と言えます。

期限内申告を行わなかった場合のペナルティとして、2期連続で起こしたら青色申告を取り消されてしまうのです。

法人の場合は税理士(会計事務所)と顧問契約することが多いですが、税理士サイドはこの要件で取り消しにならないよう神経をとがらせ、期限内申告できるよう顧問先に資料要求してきます。

事業年度末から2か月後が原則の申告期限ですが、会社定款の規定によっては、申告期限延長の申請を行い3か月もしくは4か月後にすることもできます。

この期限延長は、青色申告取り消しに至らないために保険をかける意味あいもあります。

例の口利き疑惑は法人の青色申告取り消しと思われますが、週刊誌報道を見る限りこの要件によるものではないと見受けられます。

税務調査によるもの

口利き疑惑における青色申告の承認取り消しは、依頼者の経営する会社に税務調査が入ったことが発端になっていると報道されています。

税務調査の結果として、納税者側に

・帳簿書類を提示しない
・帳簿書類の不備に対する改善要求に従わない
・半分超に及ぶ、巨額(500万円以上)の所得隠しを行った
・帳簿書類の記載状況が不十分で、推計課税が行われた

といったことが見られる場合は、青色申告の取り消しに至ることがあります。

つまり青色申告の前提である帳簿の整備状況に大きな問題点があったり、悪質な巨額所得隠しが発覚したりすれば、取り消しになりえます。

個人の青色申告取り消し要件

個人の青色申告取り消し要件

期限内申告しないことによる取り消しは明確化せず

個人事業主やアパートオーナーなど、個人の青色申告取り消しも税務調査によるものは、法人と大きな差はありません。

ただ2期連続で期限内申告しなかったことによる取り消しは、所得税法や事務運営指針に明記されていません

65万円控除は期限内申告が要件

もっとも個人の青色申告においては、期限内申告しなかったことで所得金額が増えてしまう明確なペナルティもあります。

簡易帳簿作成により10万円控除を受けている場合は関係ありませんが、控除額の高い65万円控除は3月15日までの期限内申告が要件です。

65万円の青色申告特別控除額が10万円に下がることで、所得税だけでなく住民税や国民健康保険料まで高くなってしまうので、個人だから期限内申告をあまり意識しなくていいということにはなりません。(執筆者:石谷 彰彦)